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夢の番人代行中  作者: ほろ苦
9/16

囚われた夢の番人(後編)

誤字脱字だらけな気がする・・・・

次の日、私は小屋でレガロを待った

昨日スズラン姉さんに連れて行かれたっきりだったので、何時とか約束もしていなかったのだ


「・・・・・暇・・・・・夢の中で暇とかって普通ないでしょー」

独り言ぶつぶつ言ってます

もうお昼過ぎになりました

スズラン姉さんの所に行ってみようか考えたが、それは止めておいた方がいい気がした


トントン

扉をノックする音、私はレガロさんやっと来たかと思った

扉を開けながら

「やっと来ましたねー・・・・・て誰?」

予想とは違いメガネをかけた紳士?が扉前に立っていた

その紳士は私を見て一瞬驚いて固まった


「失礼、ここにレガロがいると聞いてたもので・・・・・」


「あー、えーとココには居ないです。たぶん娼婦館の方かと?」


「そうですか、ありがとう」

軽く会釈をして紳士は娼婦館の方に向かった

今のはなんだったんだとキョトンとしていると小屋の裏からこそっとレガロが現れた


「なに、コソコソしてるのですか?」

私が聞くとレガロさんはシーっと右手の人差し指を立てた


「アイツに会いたくないんだ、ほら行くぞ」

と、私を手招きして小屋から離れた

仕方なく私もコソコソして一緒について行く

どうもさっきの人は昔の同僚らしく昔の職場に戻そうとしているとかなんとか・・・・

あまり話したくなさそうだったので詳しくは聞かなかった

街に出ると昨日のエロオヤジの家に向かった

そこでレガロさんはオヤジさんから何かを受け取り私をチラッとみてヒーっと青ざめて家に入った


「さて、通行許可書も手に入ったし行こうか」

レガロさんは手に持つ二枚の紙をピラピラさせながらニッと笑う

浮浪者の時とは違い、身なりの整えたレガロさんは大人の雰囲気たっぷりなイケメンな青年に見える・・・・・

首元に見えるキスマークらしい跡が大人の色気?を倍増させてますよ・・・・・

偽装と思われる通行許可書で何の問題もなく国境を渡る事が出来た

大きな壁を潜り、ザルガル国に入った

国境から街に繋がり、やや離れた所に塔がある

塔の周りは柵で囲まれており、警備の騎士も数人いる

簡単に侵入出来そうにない


「レガロさん。どうしたらスナレティム王子に会えると思います?」

私達は塔に一番違い食堂で遅めのお昼ごはんを食べていた


「そうだな・・・・・夜間警備の交代の時に隙があるからその時に忍び込もう」

美味しそうに肉サンドを食べながらレガロさんが言った

交代の時の隙?

よくわからないけと、頷き私もサラダサンドを食べた

実はかなりお腹空いてました・・・・・



夜、レガロさんに付いて行くと警備をしていた騎士が交代するらしく入口を離れた

おいおい、いいのかそれで?


「さ、今の内に入ろう!」

と、レガロさんに私の腕を引き素早く入り口から塔に侵入した

こんなに簡単に入ってもいいのだろうか?

塔に入るとレガロさんはすぐに警備室に向かう

そこに2人警備騎士が待機していた

何をするのだろう?っと考えていると

レガロさんは警備騎士に忍び寄り襲い掛かった


「!?なにものーぐわっ・・・・」

一人を瞬時に手刀で気絶させると、もう一人が構える隙に腹部に膝でお腹を蹴り上げ肘で首筋を叩く

あっという間に二人とも気絶していった

その動きに私は驚きレガロさんをマジマジと見てしまった


「なに?さ、この服に着替えて。早く!」

っと、警備騎士の服を渡された

レガロさんは気絶している警備騎士を縛り、奥の物置に隠して警備騎士の服に着替えた


「塔の真ん中辺りにも警備室がある。そこを通らないと王子のいる所には上がれない」

警備騎士には兜があったので顔はこれで隠れそうだ


「レガロさん・・・・・詳しいですね」

私は聞いてはいけないと思いながらも聞いてしまった

塔の事も警備の事も詳しすぎる


私をみて、少し悲しい目をして微笑むレガロさん

「まぁね・・・・・」

言いたくないのだろう。なんとなくその空気を読んだ


私達は警備騎士に化けて王子のいる所を目指した

途中、警備室が確かにあり、そこも2人体制で警備している


「どうした?交代の時間にはまだ早いだろう?」

ひとりの警備騎士が警戒していた


「下で騒ぎがあって、上の警備状況の報告に行って欲しい。その為の交代だ」

レガロがそういうと、警備騎士は顔を見合わせ二人で下に降りていった


「こんな嘘で・・・・・大丈夫?」


「ああ、報告義務は絶対だし二人交代が来た時点で二人で行かないといけないって思ったんだろう」

内情をよく知っている

警備室のたびに塔を上がる階段に鉄格子の扉があり鍵がかかっていた

その扉の鍵をかけ、またさらに上にあがる

このまま方法だとたぶん私たちに逃げ道はない

レガロになにか考えがあるのだろうか?

協力してもらっているっというか、ほとんど全部レガロがやってくれているので

私は考えることを放棄した


「この部屋に幽閉されている」

だいぶ塔をあがり、足がガクガクなってきた頃

他とは全く違う雰囲気の扉に突き当たった


警備室から持ってきた鍵をつかい

ガチャガチャと鍵を開けて扉を開く


中は簡素な部屋でも高級感があり広く20畳はある空間が広がっていた

その端の鉄格子月の出窓に腰をかけて本を読んでいる18歳ぐらいの青年

扉が開いた事を気にもしないといった様子だった

その青年は白髪で紫色の瞳をしているスナレティム王子

私は彼の周りに見える黒い渦に驚き固まった

今までに見たことがない黒さだ


レガロは2・3歩進み肩肘を床につけ頭を下げる

「スナレティム王子、お久しぶりでございます」

私は入り口に立ったままその光景を眺めていた


スナレティム王子は本からスッと目線をレガロに映しゆっくり本を閉じ立ち上がる


「レガロ・・・・・何をしにきた?」

その紫色の瞳は冷たく、険しいものだった


「まさか、今更わたしを救いに来たというまい。わたしを裏切り置いて逃げたお前が」

その言葉にレガロは瞳は悲しく揺らぐ

裏切り置いて逃げた・・・・・なんとなく感じていたがレガロはザルガル国の王家に関係する人物だったのだろう

「わたしは・・・・・」

何か言おうとするレガロだが言葉が出てこない

そのうちスナレティム王子が私を見た


「・・・・・」

夢の番人としての記憶はないのだろうか?

それとも、夢の番人スナレティムではないのか?

私はなんと言ったらいいのか解らず黙っていた


「・・・・・りお」

!?

虚ろな目をして私の名前を呟くスナレティム王子


「なぜだ?夢の中で何度もお前が出てくる」

頭を軽く振って俯く


「スナレティム王子、私は村中りおと申します。私の知っているスナレティムは夢の番人をしています」


私は一か八か、ど直球で聞いてみる事にした

塔の下の方が騒がしくなっている

きっと時間がないと思ったからだ


「夢の番人?」

私をみて首を傾げる

レガロも黙って聞いていた


「スナレティムに聞きたい。あなたは夢の神を殺したのですか?」


それを聞いたスナレティム王子は目を見開き頭を抱えもがきだした

その様子にレガロは焦った「王子!?」


「違う!違う違う違う!わたしでない!私は殺してない!父もリオ様も!!」


スナレティム王子が錯乱状態になっている

塔の階段が騒がしくなっている

きっと警備騎士がこちらに向かっているのだろう

レガロは険しい顔になりスナレティム王子を掴み


「少し我慢してください!」

と言って王子がいた部屋の隣の部屋に駆け込む


「リオ!こっちだ!早く!!」

私も急いで付いて行く

その部屋は浴室?のような所だったが突起のある壁をレガロが蹴るとボタンのようなものが現れた

そのボタンを思いっきり押す


ガコン!!!


小さな通路が出来た

まさかの抜け道である

その抜け道急な滑り台式になっており塔の地下まで続いていた

追われる立場でなく普通に滑っていたらかなり楽しめる絶叫滑り台だ

地下通路につくと滑り台はなだらかになる

良かった・・・・あの傾斜のままなら確実に死んでる気がする

王子の錯乱状態はまだ続いていた

「ちがう・・・・・ちがう・・・・・」

そう呟いている

私は自分の無神経な質問のせいだと反省した

レガロに連れられて地下通路を抜け、街の物置のような所に出る

そこで王子を隠す為の布きれを王子にかぶせ街はずれの森に向かった

森の中に小屋があり、そこで身を隠す事にした


「王子、スナレティム王子しっかりして下さい」

レガロが王子に話しかける

王子は放心状態だった

レガロは私を見て何か言いたそうにしていたが、何も言わず黙って着替え出した

私も警備騎士の恰好をしていたので、小屋にあった男物の服に着替える事にした

どこか目に付かない所をと探していると


「後ろ向いてる」

っとレガロが言った

王子の背後に回り着替える事が出来た


「ここもいつ見つかるか解らない。とりあえず知り合いの所に王子を預ける」

私は黙って頷きスナレティム王子を眺める

そして放心状態の王子の元に歩み寄り


「スナレティム。私がわかる?」


「・・・・・」

なんの反応もない

その透き通った紫色の瞳をじっと見つめ


「私はわかる。その紫色の光、助けに来たよ・・・・・」

そういうと、焦点の合わなかった瞳が私を見る


「・・・・・りお」


私はニッと笑い

「いつものように、助けて欲しいんでしょ?」

大丈夫、私に任せろ!

っという思いを込めて言った

そんな私をみて、スナレティムは何か考えフッと笑い出す


「あぁ、そうだった。そうだったんだ・・・・・りお、レガロ助けてくれ」

さっきまでの放心状態のスナレティムはいなくなり

そこには王子としての風格たっぷりのスナレティム王子がいた

黒く纏っていたオーラが薄れていくのがわかった



3年前


戦争を繰り返していたザルガル国は十分に大きくなっていた

王様ももうこれ以上はいいのではないかと思い戦争をやめるきっかけを探していた

戦う騎士を取りまとめる騎士団長が消息不明になり戦いには勝てないという事で戦争をしなくなった

その後、後妻にロイヤ妃が選ばれ結婚

スナレティム王子は身に覚えのない王様殺害の罪で幽閉される

この時、スナレティム王子15歳だった

王子は自分が慕っていた騎士団長に裏切られた思いで一杯になった


そして現在

「レガロ、私が幽閉されていると知っていたのに助けに来なかったな」

スナレティム王子がレガロを見て寂しい瞳をした

レガロは片膝を床に付き俯き何も言わない


「・・・・・お前の人生だ、別に好きにすればいい。ただー」


「・・・・・怖かったのです」

レガロが口を開いた


「私は自分が怖かったのです。騎士団長として戦う事に人を殺すことに喜びを覚え、無意識の戦場に立ってる自分が怖かったのです。だから、王がいうまま、私は全てを捨てて逃げました」

俯き小さく震えているレガロ


「全てを捨てた私には王子を救いに行く資格はない・・・・・そう思っていました。しかし・・・」

レガロは顔を上げ王子を見つめる


「捨てきれませんでした。どうぞ、私に罰を与えて下さい」

レガロの瞳は決意と覚悟をした瞳だった


「ならレガロ、父ではなくわたしの元に付いてくれ。わたしを嵌めた奴が必ずいるはずだ」


「王子・・・・・畏まりました」

私はただ黙って見ていた

ロイヤ妃・・・・カルロイヤまさか・・・・


「カルロイヤ・・・・・って事は考えられない?」

私が呟く

スナレティムは顔を曇らせた


「十分考えられる。ロイヤ妃がカルロイヤだとしたら、わたしを嵌めてあの塔に閉じ込めた理由もつく」


「カルロイヤとは?」

レガロが首を傾げる

私は夢の番人の話をした

最初は疑って聞いていたレガロも王子の様子をみて納得したみたいだ


「つまり、夢の番人スナレティムを夢に囚えるためにスナレティム王子を幽閉したと?」

レガロは少し混乱気味だったがすぐに理解した


「カルロイヤは夢の神リオ様に使える、もう一人の夢の番人だった。奴はいつだって夢の世界を自分の物にしようと狙っていたんだ」

スナレティムは俯き片手で頭を押さえる


「私、スナレティムがリオ様を殺す夢をみた」

思い出すだけでもゾッとする光景


「わたしはそんな事しない。カルロイヤが見せた偽りの悪夢だ」

スナレティムの紫色の瞳が私を射抜く

偽りの悪夢


ブワン

周りが真っ黒になった

私は何が起こったのか解らず立ち尽くす


『あーあ、嫌になる。これ以上この夢を見させる訳にはいかない・・・・・』

真っ暗な中、声だけが聞こえる


「カル・・・ロイヤ?」


真っ黒な空間の中禍々しい赤い光玉が見えた


『まったく、スナレティムはしつこいよね。囚われの身になりながらも、りおを呼び込む事が出来るなんて』


「やっぱり!あなたがやったのね!?」


『邪魔だからね。夢の世界は全部ぼくの物だよ・・・・・りお君の夢も』


世界が黒から赤く染まっていく

まるで血の海の中のように・・・・・


がばっ!!

私は目を覚ました

そんなに暑くもないのに汗がドッと噴き出ていた

なんともいいようがない疲労感

お昼の転寝でこれはないだろう・・・・・


「スナレティム・・・・カルロイヤ・・・・夢の神・・・」

当分楽しい夢は見れる気がしない



おしまい


だんだん話が重たくなってきた・・・・早く明るい話に戻したいです!

レガロ外伝も書きたいです

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