ドラゴンと息子
バトル書いてたら文字数がかなりいる事に後から気が付いた
「こら!ゲームばっかしてないで早く寝ろ!」
長男、浩太を叱りつける
小学4年生の浩太は夜更かしをして3DSに夢中になっていた
明日も学校なのに
朝起こす私が大変なんだから!!
プリプリと怒っている私
村中りお35歳、普通のお母さんです
バタバタと残っている家事を済ませ明日も朝が早いので息子と川の字になって寝ます
あー寝る時が一番幸せー
ふわふわ
真っ白な世界に浮いている
「う・・・・・折角休めると思ったのに・・・・・」
紫色の光玉がフワフワと飛んでくる
夢の番人スナレティムだ
もう名前長いのでスナっちとかあだ名で呼んでも良いですか?
『・・・・・出来ればスナっちは辞めて下さい』
「あれ?口から出てた?」
はは・・・・・っと笑いとぼけた
『りお、毎回申し訳ない』
光玉なので表情とかわからないけど、本当に謝っている感じがした
「あー大丈夫!夢の記憶って所々しか残ってないし、やる人他にいないんでしょ?」
終わった後の疲労感半端ないけど
『正直言っておかしいんだ・・・・・こんなに囚われる人が現れるなんて。前までは3年に1人とかだったのに』
「3年に1人・・・・・」
そんな頻度だったのか・・・・・確かに異常だ
私がスナっちに出会ってまだ1月ぐらいだ
『原因はわからないけど・・・・・行ってくれるよね?』
「らじゃ!」
ふわふわ浮きながら敬礼した
世界がぐにゃりと曲がり景色が変わる
身体が落ちる感覚が始まると私は足に意識を集中し
とん!
無事着地成功。ふっ、慣れたもんだぜ。
辺りを見回すと普通の山道だった
日はまだ高い
また前きたRPG風の世界かな?
バフバフと身体を触る
毎度お馴染みボディチェック
胸が・・・・・ない?いや、若干あるぐらい
下半身・・・・・ないな。
下を向いた時にはらっと髪が落ちてきた
どうやら薄ピンク色のロングヘアの女の子らしい
服はパンツルックの冒険者風かな?
何か持ち物ないかと探してみたけど、今回は何もなかった
さて、どうするかなー
ガサガサっ
突然山道沿いの草むらが動く
バサッ!!!
小さな生き物が飛び出して来た
黄色で小さな羽?が生えた手のひらサイズのトカゲだ
おい!そっちに行ったか!?
遠くで誰かが何かを探している声がした
黄色トカゲは怯えた様に逃げようとしているが転けてしまった
あ・・・・・足に怪我をしている
こっちか!?反応があるぞ!!
段々と声が近付いてきた
どうやら、この黄色トカゲを捜しているようだ
私は手のひらで黄色トカゲを抱え、その場を逃げる事にした
「大丈夫だよ」
そう言うと声が聞こえる反対側に走った
暫く走って、山道を抜けると高原に出た
ここまで来れば大丈夫かな?
息を整えながら手の中の黄色トカゲを見る
黄色トカゲと私の方を見て固まっていた
ブァサッ!!!
空から黒い大きな影と風圧が襲ってきた
な、なに??
黒いドラゴンに鎧騎士が乗っている
片手には何か機械を持っていた
「おい!小娘、それを寄こせ!!」
どうやら、あの機械で黄色トカゲを追い掛けてきたらしい
決して友好的ではない騎士に直感で渡しては行けないと思った
私は黄色トカゲを持ったまま駆け出すと黒いドラゴンの足が襲ってきて身体を押さえつけらる
「うぐっ!」
せめて黄色トカゲだけでも逃げてと手から離す
ボワン
え?
黄色いトカゲが光出したみるみると大きくなり黒いドラゴンと同じ位の大きさの黄色いドラゴンになった
「なに!!貴様、契約者か!」
鎧騎士が驚き私を見て言っているが何の事だろう?
黄色いドラゴンは黒いドラゴンを蹴り攻撃して私から離した
ブゴゴゴゴー!
口から稲妻の様な光線を出し黒いドラゴンと鎧騎士を吹っ飛ばした
す、すげー
黄色のドラゴンは私の方をみて頭をすり寄せてきた
か、可愛い・・・・・
ふっと視界にさっき鎧騎士が持っていた機械が落ちているのを見つけ拾った
使い方わからない・・・・適当にピコピコ触ってみるが・・・
ま、いっか
黄色いドラゴンがクンクンしてくるので目を見ると何だか背中に乗ってっと言われている気がして乗ってみた
ブァサァ!
「すごい!!すっごーい!!」
ドラゴンに乗って空を飛べるなんて・・・・・
夢のようだ!(夢です)
何処に連れて行かれるのか解らずドラゴンに掴まっていると神秘的な泉に着いた
そこで私は黄色いドラゴンから降りる
ドラゴンは泉の中に入るとみるみると足の怪我が治っていった
ここは、回復の泉?
透き通った良く冷えた水が少し美味しそうに見えて私も手ですくって飲んでみた
「わ!美味しい!」
そして何だか元気が出てきた気がする
「誰だ?!」
突然の大きな声に驚き、声の方をみると
森の茂みに青いドラゴンと黒髪の少年が立っていた
その瞳は青く冷たい印象だ
そして、黒いオーラを纏っていた
囚われた人にこんなに早く出会うとは・・・・・
「・・・・・サンダードラゴンの契約者か。聞いた事ない」
目を細め疑いの眼差しを私に向けて警戒している
とにかく私はこの世界の事を知りたい
「あ、あの契約者って何?」
黒髪の少年はそんな事も知らないのか?という感じだ
「ドラゴンと契約出来る特殊な人間だ。契約しないとベビー(トカゲ)はドラゴンにならない」
特殊な人間・・・・・まあ、夢の番人代行?してるから特殊か
黄色いドラゴンを見ると私に頭をすり寄せてくる
よしよし
私は万弁の笑でワシャワシャ可愛がる
「あんた名前・・・・・」
「りお、だけど・・・・・君は?」
「サトルだ。何処にも所属してないのか?」
「所属?」
「ドラゴン契約者はドラゴンとギルドに所属するのが一般的だ。まあ、ごく稀に俺みたいなフリーもいるけど・・・・・あんたもか?」
「フリーです」
てか、この世界に来たばっかりです
ブァサァ!!
突然もう一匹赤いドラゴンがやって来た
赤いドラゴンはだいぶ傷を負っている
背中に乗っていた少年が急いで降りて付き添いながら赤いドラゴンと泉に入る
「もう大丈夫だからな!!」
涙目で赤いドラゴンを励ます少年
私は見た瞬間驚き固まった
息子の浩太だ
この世界、浩太の夢の世界
泉の水を手ですくって赤いドラゴンに飲ませる
「良く頑張ったな・・・・・」
「コウタ、また無理な戦い方をしたのか?」
サトルが冷ややかな目で浩太を見て話し掛ける
「ち、違う!相手がセコい事して・・・・・」
あーこの言い訳。浩太がゲームで負けた時よく言ってるな・・・・・
浩太が私と黄色いドラゴンに気が付く
「ぅわーサンダードラゴンだ!君の?君、名前なに?」
「リオ・・・・・」
「リオって、俺のお母さんと同じ名前だ!」
お母さん本人ですからね
でも、言わない方が色々面倒くさくない気がした
「リオ!勝負しようよ!ドラゴンバトル」
ほう、この世界ではドラゴンでバトルするモノらしい
成程、ゲーム好きの浩太の夢らしいな
簡単にルールの説明を受けやる事にした
私もゲームは好きで子供と一緒にムキになってやる大人だ
負ける気しない!
ドラゴンバトルはターン事にスキルを使うバトル
ちょっとポケ〇ンっぽいな
私は大人気なく、カウンター攻撃を繰り返しこてんぱんにやっつけた
「ひ、酷い・・・・・」
半べそをかき泉に赤いドラゴンを連れていく浩太
「ふっ」
ドヤ顔をしていると鋭い視線が突き刺さる
サトルが私をみてほくそ笑んでいた
そして「大人気ないな・・・・・」
こ、コイツ中身が大人だとバレてる?
サトルの中身も少年ではない気がする
「でも、これなら勝てるかも!な?サトル」
浩太が目を輝かせサトルをみた
「・・・・・ぁあ、仕方ないな・・・・・」
はぁーとサトルがため息をついて
「リオ、俺たちとチーム組んでラスボス倒しに行かないか?」
ラスボス?ラストボスですか?
どうやら、浩太とサトルはラスボスを倒したいけど二人では勝てない
ギルドに入っている人とはチームも組めないで困ってたらしい
もしかして、サトルが夢に囚われてる問題はラスボス倒せないから?
なんにしても、サトルと一緒に行動したい私は了承した
そして、ラスボスを倒しに行く冒険が始まった
「サトルさ、ラスボス倒せないから困っていたの?」
旅の途中、浩太が蒔きを集めに行った時、夜ご飯の準備をしながら聞いてみた
「は?別に・・・・・」
別にって、もしかして夢に囚われている問題コレじゃないのか?
「じゃー何か他に問題を抱えているとか?」
「・・・・・そうだなーセッ〇ス出来なくて困ってるとか」
「・・・・・」
サトルは意地悪な顔をして笑う
コイツ・・・・・完全にからかってるな・・・・・
さっき偶然見つけた辛い実をこっそりサトルのご飯に混ぜて食べさせた
ゴホゴホ!!
顔を赤くし涙目で私を睨むが私は知らんぷり~
また別の日、浩太が熱を出した
前日ラスボスとの戦闘作戦会議を思いっきりしたので知恵熱では?
私は心配で付きっきりで看病した
サトルもドラゴンに乗って街まで行って薬を買って来てくれた
「大丈夫?」
「リオ、お母さんみたい・・・・・」
熱でちょっと弱弱しくなっている浩太が微笑む
お母さんだよって言って安心させてあげたいけど・・・・・
「そうだ!大人になったらサトルと三人で結婚して一緒に暮らそう!」
「はあ?」
目をキラキラ輝かせながら、あほ息子はとんでもない事を言っている
日本では結婚相手は一人と決まってますが知らないの?
お母さんちょっと心配になってきた・・・・・
「俺、サトルもリオも大好きー・・・・」
そういいながら薬が効いたのか浩太が眠りについた
カサっ
浩太が寝ている部屋の近くで人の気配がする
きっとサトルだ
今の話聞いてたのかな?っと思うとフッと笑みが零れた
浩太の熱も下がりいよいよラスボスとの対戦が近づく
いかにもラスボスいます感たっぷりの塔を攻略していき頂上までたどり着いた
ラスボスはなんと頭3こあるどデカいドラゴン
「ダークデスドラゴンだ!」
浩太が言う・・・・ほ、ほう。
浩太が好きそうなネーミングだと思った
ここ数日一緒に旅をして、勿論戦う訓練もした
私のサンダードラゴンと浩太のファイアドラゴン、サトルのアイスドラゴンの連携もばっちり
回復薬もたっぷり、負けないだろうと思っていたけど
思ったより苦戦を強いられた
ダークデスドラゴンが放つ攻撃がランダム攻撃で読みにくい
少しづつ体力を削っていってるが、これというダメージが与えられない
アイスドラゴンが主に攻撃から守る盾の役割をしていたので攻撃が集中する
その攻撃の一つがサトルの方に飛んでいった
「危ない!!!!」
私はとっさにサンダードラゴンを向かわせたが間に合わない
ドゴーン!!
煙がサトルの周りを包む
風で煙が流され、そこに現れた光景はサトルを庇い倒れる浩太だった
「ー!!」
私は絶句して動けなくなっていた
自分の息子が倒れているのだ
夢の中とわかっていても平然としてはいられない
サトルも何が起こったのか把握できず倒れている浩太を眺めていた
その間も容赦なくダークデスドラゴンの攻撃が続く
動揺して震えだし、足がもつれながらも浩太の元に駆け寄る
「浩太!浩太!!しっかりして!」
体中傷だらけの浩太は少し目を開けて
「り・・・・お・・・・」
にこっと笑って目を閉じグッタリとした
「浩太!!」
腕の中でぐったりしている息子を見て涙が溢れ出す
自分が持っている回復薬を震えながら口に流し込むが上手く飲めているのかわからない
ドゴーン!!!!
大きな音がして見ると、ファイアドラゴンがダークデスドラゴンに大きな一撃をくらっていた
しまった!浩太が指示を出していなかったからターンが自動的に相手に回っていたのだ
私はサトルを見る
サトルは私を見て頷いた
そっと浩太を寝かせ急いでサンダードラゴンに範囲攻撃の指示を出す
サトルはファイアドラゴンの回復と守りの指示を出していた
浩太は自分を犠牲にして仲間を助ける優しい子だ
ちょっとアホだけど、いつも明るく周りを楽しませる為に一生懸命になってくれる
そんな自分の子供が誇らしいと思う
浩太の為に勝たなくては!!
ファイアドラゴンに指示を出すことが出来ないが攻撃の的を分散になるので回復を繰り返す
しかし、メインの攻撃がサンダードラゴン一本になってしまった事で回復薬の量が足りなくなってきた
このままでは・・・・・
サトルも私と同じことを考えているようだ
ファイアドラゴンに指示が出せれば・・・・・
「ファイア・・・・進化だ!!」
私の後ろから声が聞こえてきた
まさか・・・・ボロボロになった浩太が立っている
その声に反応してファイアドラゴンは光輝き姿を変えた
まさかの進化・・・・ふっ、浩太の夢だあり得る!!
私は笑いが込み上げた
ドラゴンに角が生え、翼は2倍に大きくなる
めっちゃ強そうなファイアドラゴン改の攻撃力は半端なかった
一撃でダークデスドラゴンを倒したのだ
ピンチの時にやってくるヒーロー
いかにも浩太らしい夢だ
飛び跳ねファイアドラゴン改と喜び回っている浩太を見ながら思った
サトルが浩太の元に歩み寄る
「お前・・・あんな無茶して危なかっただろ!」
いつもクール?なサトルが浩太に怒った
浩太はだって・・・といいながらショボくれている
すっと右手を出すサトル
「でも、ありがとな・・・・・親友」
握手を求められ浩太も笑顔で右手を出し握った
よく見ると、サトルに纏っていた黒いオーラが消えかかっている
ん?やっぱりラスボスが倒せたから?
という事は私もそろそろ夢が覚めるだろう
浩太とサトルとの旅は素直に楽しかった
こんな夢ならいくら見てもいいなー
サトルが浩太になにか話している
浩太が私に手を振って
「なー!リオ」
「なに?」
「結婚するためにセッ○スってのしないといけないんだって!」
「!!!!!!はあ?」
サトルてめーーなに息子に吹き込んでんだ!!!
サトルをこれでもかと睨みつけるとケラケラ笑うサトルから黒いオーラが完全に消えているのがわかった
サンダードラゴンがコンコンと鼻でつついてくる
私はよしよしと頭を撫でて
「ありがとう」
そう呟くと景色がぐにゃりと歪み二人とドラゴンの姿が消えて
真っ白な世界に戻った
ふらふらと身体が浮く
「・・・・・あー楽しかった!」
紫色の光玉が目の前にゆっくりと降ってくる
『お疲れ様でした』
スナっちだ
『りお・・・・ゆっくりと休んで下さい』
「そうしますーおやすみなさい?」
私は夜中に目が覚めた
隣にはおなかを出して掛け布団を蹴飛ばしている浩太がむにゃむにゃ言っている
私は浩太の頬にキスをして
おなかを隠し掛け布団をかけ、また眠りについた
おしまい
ポケモン、モンハン、地球防衛軍好きです、はい。