初めまして、夢の番人
主婦が夢の中で男子になってます。あ暖かい目希望( ´ ▽ ` )ノ
チュンチュン
いつもの朝
いつもの私
バタバタと子供達を学校に行かせて
会社に行く夫を見送って
家事、掃除、洗濯
パートにでて
帰って来て子供の帰りを待つ
私は普通の主婦 村中りお 35歳
ふたりの小学生の息子と夫の4人暮らし
若い頃はゲームオタクだったが、今では立派な?
お母さんをしています
息子達にはゲームをし過ぎるな!!バカになる!っと叱る程・・・・・昔の私を見せられない苦笑
閑静な住宅街
のどかな午後、パートの仕事が終わって少し疲れ気味だった私はテレビをつけたまま転寝をしてしまった
真っ白な世界に私はフワフワと浮いている
目の前には紫色の光玉
『初めまして、りお。私は夢の番人スナレティム』
光玉が喋った
ほう、夢だな・・・・・うん。
「初めましてー」
『突然で申し訳ないですが・・・・・助けて下さい』
ほんと、突然だ
『夢の中で囚われた人がいます。私は夢の番人をしているが、夢の中では存在が維持出来ないのです』
なんて、RPGな展開・・・・・
『どうか、私の代わりに夢に囚われた人を救い出して下さい!』
展開上ここで私がやりますって言わないと話が進まないのだろうな
「いいよー」
『・・・・・では転送します』
世界がグニャリとなり私の体が下に?落ちていく
ドスン!!
くーお尻から草むらに落ちた
腰が痛い
泣きそうになる
辺りを見回すと草原の中にいた
勿論見たことがない景色
あとからふわぁっと紫色の光玉が降りてくる
『この世界の中に夢に囚われた人がいます。りおが見ればすぐ分かるはずです』
だんだんと光が薄くなり消えかけている
『その人が夢に囚われている問題を解決して下さー・・・・』
光が完全に消えてしまった
これってヒント少なすぎじゃないですか?
とりあえず私は立って辺りを見回す
さっき打った腰に手をやると違和感が・・・・
腰が固い?というか筋肉質?
自分の体をバフバフと叩き確認する
胸がない・・・股には・・・・
な!!!!!!!!!!!!
女子には絶対ないであろうモノが付いてます!
鏡がないので確認できないが
間違いない男の体になっている
夢の中だからなのか?
まさか男になるなんて思ってもみなかった
ショックを受けていたけど
此処でじっとしてても埒が明かない
とりあえず、この世界の事を知るために人を探さなければ
草原を歩くと川が見え川沿いに歩いて行った
ゲームでもRPG物は川の近くに村がある
私の読みはあたり小さな村が見つかった
良かった・・・・
第一村人発見!それも可愛い娘さんだ
私は言葉が通じることを願い話かける
「あの、すみません」
「はい?なにか?」
通じる!!!良かったぁ
「ここは何という村でしょうか?」
とりあえず情報を何かしら聞かなければ
村娘さんはちょっと不審がりながらも丁寧に答えてくれる
「セングリア国城下町東にあるコリン村ですが?」
コリン村・・・知らん。まぁ当たり前だけど
「その・・・どこか泊めてもらえる所ありますか?あ、お金もなくて・・・・」
実は川に沿って歩いている間に夕方になっています
知らない世界で野宿って怖いのでせめて寝れる所を確保したい
「もしかして魔物に襲われて何も持ってないのですか?大変!どうぞ家に!」
私が魔物に襲われたと勘違いして家に連れて行ってくれました
村娘さんはエリエルさんと言ってとても優しくお父さんと二人で暮らしているらしい
お父さんも最初は不審がっていたけど、話すと気のいいオジサンでなんだかんだで泊めてくれた
夜ご飯まで頂いてなんていい親子だ・・・・
一食一泊の恩を何かの形で返したいと思い何でもお手伝いしました
その時にこの世界の事などを聞くと
この世界はセングリア王国という国があり魔王がいて魔物がいて魔法がある
なんてファンタジーな世界だ
さすが夢っと思いながらせっせとエリエルさんのお手伝いをしています
色々な事を聞いていると私は記憶喪失じゃないかと思ったエリエルさんはお父さんに相談して
しばらく家に置いてもらえるようになりました
コリン村は小さな村なのですぐに村人さんとも仲良くなり
エリエルの婿さんと間違えられる事も・・・
あ、ちなみにエリエルさんには婚約者がいて今は城で働いているらしいです
ここ数日で男としての生活に慣れてきました
息子をふたり育てているのでアソコにはさほど抵抗なく
朝の生理現象ではドン引きしましたが・・・まぁ大丈夫
先日エリエルさんに鏡を借りて自分の顔をみたら
ライトブラウンの髪に紺色の瞳
カッコいいっていうよりもワンコ系の顔でしょうか?
そこそこ見れる顔だったので少し安心しました
「リオさんって・・・・料理出来るのね」
え?
夜ご飯の支度を手伝いジャガイモを剥いているとエリエルさんが私の手元をみて言った
そりゃ毎日ご飯作ってたし
「はは。ジャガイモぐらい剥けますよー」
この世界では男はあまり料理をしないらしいな
すると外が賑やかになる
なんだろう?エリエルさんと見に行くと村の中に魔物が入ってきていた
がぉおおおおおお!!!!
田畑を荒らし暴れている
村の男が武器を持ち応戦しているが暴れるのが止まる気配がない
「エリエルさん危ないから家に」
エリエルさんを家に帰らせようとした時、閃光が見えた
魔物に一撃当たると人影が現れ剣で払い上げる
魔物は一瞬で光になった
「ゆ、勇者様!!!」
え?ゆうしゃ?
村人がわらわらと集まる中心にいかにも勇者がいる
その少し遠くに可愛い女の子の魔法使い?
その魔法使いを見て私は固まった
可愛い魔法使いから黒く淀んだオーラが出ているのだ
えーと、これは悪役?
いや違うな、きっとコレが夢に囚われた人だ
私は直感的に思った
この囚われた人の問題を解決すればいい訳だ
どうやら勇者様と魔法使いは今日はこの村の宿に泊まるらしい
これはチャンス!
とにかくあの魔法使いが何を問題にしているのか聞きださなければ
宿のおばちゃんに話しかける
「こんばんんは」
「おやぁ、エリエルちゃん所の若いのじゃないかい」
「あの、魔法使いさんに会いたいのだけど・・・ダメかな?」
宿のおばちゃんは私の少し申し訳そうな態度をみて考え
「あんたファンなんだねーまぁいいよ!4号室さ」
と教えてくれた
おばちゃんにはちょっと控えめにお願いするのが一番って事を知っている
決して自分がおばちゃんだからじゃないぞ!!
魔法使いの部屋に行きノックをすると暫く反応がない
ん?留守?
ガチャ
結構経ってからドアが開き勇者が出てきた
あれ?勇者と魔法使いは同じ部屋だったのかな?
決して繁盛しているとは思えない宿なので空き部屋がないなんて事はなかっただろう
「なにか?」
勇者が鬱陶しそうに言ってきた
感じ悪・・・・っと心で思ったけど顔には出さない
「あの、魔法使いさんにお会いしたくて」
「もう寝ました」
バタン!!!
と扉が閉められた
・・・・・
私は扉を見つめ顔を引き攣らせ固まっていた
絶対寝てないだろう!!!!なにあの態度!!!
かなり怒りモードに入っていたけど今日は帰るしかないかと振り向くと扉の中から小さな声が聞こえてきた
どうやら揉めているらしい
「ー・・・・!!」
聞こえない
ドン!!!
大きな何かが倒れる音
はっきり言ってタダ事ではない
あーもう!
私は頭を掻いて扉を勢いよく蹴り開けた
鍵?壊してごめんなさい
そこには勇者に組み敷かれる魔法使いが涙目でこちらを見ている
私は急いで勇者に掴み剥がす
「おい!止めろよ!」
男だから力もちょっとは強いらしい
勇者は邪魔だという目で私をみて振り払う
「お前には関係ないだろう!?」
むっか!
勇者の胸倉を掴み顔を近づけ
「女の子が嫌がってるじゃないか!お前それでも勇者か!?」
これ以上ないという眼力で勇者を睨んだ
勇者はさすがに耐え切れず目を逸らす
掴まれていた胸倉を払い除け部屋を出ていった
私は魔法使いをみると肌蹴た衣服を整え俯いている
これは・・・・
目を細めなんて声をかけようか考えていた
「・・・・ぁりがとう」
小さな声が聞こえた
この魔法使いの問題、聞かなくても検討がついた
しかし、はっきり聞かなければ
魔法使いの傍に寄り、しゃがんで話しける
「わたし、リオっていうんだ」
俯いたままの魔法使いはこちらをみないまま
「ヒカリ・・・」
「ヒカリちゃん、何か困った事ないかな?わたしはそれを解決する為にきた」
安易な発言かもしれない、それでもヒカリさんを助けたいという事を伝えたかった
彼女は暫く動かなかったがゆっくりこちらを見た
可愛い。女の私でもそう思う
黒く長い髪に赤みのかかった大きな瞳、ぷっくりと膨らむ唇
男のキュンポイントを全部ついていると思う
だが、見た目男でも中身が女な私はただ可愛い可哀想な女の子にしか見えない
見えないのに・・・・・
「僕、こんな姿だけど男なんです」
は?涙目に訴えるヒカリちゃん
でも胸の膨らみもあるようで・・・・まさか・・・
「中身が男の子って事?」
私が呆れた顔で言うとヒカリちゃん?くん?は顔を縦に振る
ゆ、夢の世界恐るべし!
「僕男なのに勇者さんに言い寄られて・・・しまいには襲ってくるし」
今にも泣きだしそうなヒカリくん
頭が痛い。なるほどなるほど、それは大問題だ
「なら勇者と行動しなければいいじゃん?」
「だ、だって勇者といないと魔王倒せない!」
・・・・・そういうことか
ヒカリくんは夢の中で魔王を倒しに行きたいらしい
そこはきっと問題じゃないんだ
問題なのはこの可愛らしい容姿の魔法使いの中身が男で勇者に言い寄られているという事
「勇者に諦めてもらおう」
「でも、どうやって?」
「ふ、いい作戦がある。任せなさい!」
私は悪い顔をしてある作戦をヒカリに告げた
次の日の朝
トントン
「ヒカリ・・・入る」
勇者が扉を開けると目にはベットで仲良く寝る男とヒカリが映る
!!?
「な!!!」
顔を真っ赤にして固まる勇者
私は寝ぼけたように目を覚ます
「あ?これは勇者様おはようございます」
もちろん上半身だけ裸ですがなにか?
ヒカリもムクッと起き上がり布団で体を隠す
もちろん肌着来てるけどパッと見裸に見えますシチュですがなにか?
夜を楽しんだ感をばっちりさせている私たちをみて目を泳がせる勇者
ここで追い討ち掛けます
「勇者さんごめんなさい。ぼ、ぼくリオの事が好きなんです」
顔を真っ赤にして俯くヒカリくん演技ばっちり過ぎで鼻血でそうです
ごめんなさい。うそです
聞こえているのかいないのか?まだ固まって動かない勇者
「すみません。ヒカリは俺の女なんです。この世界に来る前から・・・・・」
この世界に来る前からっと言った瞬間勇者がぴくっと反応した
やっぱり・・・勇者も夢を見ている人だ
現実の世界でも愛し合っている二人をどうやっても勇者じゃ敵わない
そう思わせるのが私の作戦だ
最後のとどめに私はヒカリくんにそっと口づけを・・・する真似をした
寸止めです!
まぁ角度的にはしているように見えるかな?
ヒカリくんは目を見開きゆでタコのように赤くなる
私は大人なのでこういう行為はある程度は余裕がある
昨日の夜に聞いたらヒカリくんはまだ中学生らしいのであまり過激な事は出来ない
このくらいなら大丈夫かな?
最近の中学生はませているって言うし
勇者は私たちの様子を放心状態で見ている
「さぁヒカリ行っておいで!頑張って魔王を倒して来い!」
ベットの横に置いていた服を着せて立たせ勇者の所に押した
「勇者様、どうぞヒカリをよろしくお願いします」
私が頭を下げると勇者はあ、あぁと抜け殻のような返事をした
ヒカリくんは私を見ると駆け寄り
ぶつかる様にキスをしてきた
目を見開き固まる私をみてクスリと笑い勇者の所に戻り部屋を出ていった
もしかして、からかわれた?
村を出ていく勇者とヒカリくんをみてため息がでた
あれで大丈夫かな?
二人が魔王退治に行く姿を見送ると何度も振り返る魔法使いからは黒いオーラがすぅっと消えていく
これは、もしかして・・・
ミッションクリア?
そう思った瞬間ぐにゃりと世界がゆがむ
真っ白な世界に私はふわふわ浮かんでいた
「あれ、ここは・・・」
『りお、ありがとうございました。夢に囚われた人は解放されました』
そうか、戻ってきたんだ。あーエリエルさん達にお礼が言いたかった
「あの後ってどうなるの?」
『さぁ夢ですから、いつ誰が見るかわかりません』
そうなんだ・・・・・
『りお、また・・・』
私は目が覚めた
テレビつけっぱなし
なんだか疲れる夢だったなぁ
おしまい
前にアップした時の間違えて削除してしまった話
アホだからコピーもとってなかったので新たに書きました。少し設定変わってるしちょっと雑になってるけど・・・・・気にしなーい!