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Master Key  作者: 三日月
第2章{紋章}
6/38

中編

伝わらない気持ち 傍に居るのに気づいてくれない 


いや、気づいてるのに気づかないフリをしているのかも…


ねぇ?どっちだと思う?「大切な人」と「友人」


一体どっちなんだろう。





えーっと、ここでイイはずなんだけど…

いつものゲーセン けたたましくゲーム音が鳴り響く

メダスロやメダパチには中高生が集っている

全く、何が面白いのか見当もつかねぇや

ショウは携帯を取り出すと、メールを確認する

「依頼が来た。詳細は別途メールにて。とりあえず、いつもの場所で」

やっぱここでいいんだよなぁ?

詳細のメールも来てないし… なんかあったのかな?

いや、姐さんの事だから何もないとは思うけどなぁ

「…あの~」

誰かに声を掛けられた

正「へ?俺?」

見たこともない相手だった (妹系だな…)

正「風の子?」

「あ…ハイ!」

その子は疾風学院の制服を着ていた 可愛らしい女の子だ

「あの、これ落としましたよ?」

何かを手渡された

正「え?ナニコレ?鍵?」

古めかしいが綺麗な翡翠色の鍵だった

なんか、じいちゃんの家にあった振り子時計の千枚の鍵に似てる気がする

「それじゃ」

正「これ俺のじゃな…あ!ちょっと!?」

女の子は鍵を渡すとプリクラコーナーの方向に消えていった

正「マジかよ…どーするよコレ」

ショウは鍵を持ったまま、プリクラコーナーの方向を見つめていた

時刻は14時30分を回っていた



ショウが鍵を渡された翌日の13時過ぎ:疾風学院高等部1年教室前

ピッピピッピッピ

マナーモードにしていない携帯のボタン音が聞こえる

「これでよし。っと」

隣で携帯を弄っていた女の子に向かって

「お前なぁ、校内ではマナーモードにしとけよ」

と男の子が言う

「カナちゃんはうっさいなあ~!そんなん気にしてると、彼女なんかできないぞぉ~?」

うりうり。と人差指でカナトの頬をつつく

叶「やめい!大体、彼女を作る気にはならん。嶋邨見てると、すっごいメンドそうだし」

海「え?そう?楽しいと思うんだけどなぁ~」

人差し指を顎に当て、小首をかしげる。 (意外と可愛いな)

海「ん?あっ!カナくん今可愛いって思ったでしょ!?」

叶「ナイナイ。それより、喫茶に来て何すんだよ?わざわざここで話すわけでもないんだろ?

  てか、何か注文しろよなーお前」

カナトはジンジャーエールを飲み干した

海「あー!スルーした!図星だな?図星なんだな?君ぃ~」

カイトは相変わらず、カナトの頬をうりうりしている

海「目的があって来たに決まってんじゃ~ん☆」

カイトはチラシを取り出す

叶「はぁ。。。またそれか」つい、ため息が溢れる

海「え~っと、あ!すいませ~ん!ソコのお兄さ~ん!」

近くに居た、ホール担当と思われる部員が近寄ってきた

 「ハイ。なんでしょうか?」

部員はメモ帳を取り出す 注文だと思っているらしい

海「あ~ゴメンネ。注文じゃないんだ~」

 「はぁ、ではなんでしょうか?」

叶「このチラシに出てる子って、ここの部員?」

ジンジャーエールおかわり!と言い終わってからカナトが口を挟む

海「な~んだ。やっぱ興味あんじゃん」

ペしっとカナトの頭を叩く

叶「経験上、お前が話すと長くなりそうだからなぁ~

  部員を拘束しても仕方ないだろう?ウェイターだそ?」

 「この子ですか?どんな用事ですか?」

不信感を露わにした視線と態度で、部員が聞き返してきた

海「そんな睨まないでよー、文化祭でこんな感じの衣装使いたいから、

  買ったお店とか知りたいだけよ。あ、もしかして彼氏さん?」

 「違いますよ!ウルアとは、そんな関係じゃないです!」

少し動揺しているようだった

海「ウルア?この子『ウルア』っていう子なの?」

はぁ、とため息をついて部員は答える

 「そうですよ。『霜月 潤曖』です」

ポリポリと頭を掻いている。名前までは教えるつもりは無かったようだ

叶「何かゴメンね、俺は2年の夢橋 叶渡 君は?」

 「…1年の足迫 樽です」部員はネームプレートを引っ張って2人に見せる

海「ってわけなんで、呼んでくれないかな?ウルアちゃん」

テーブルのに両肘をつけ、顔の前で手を組む

樽「貴方のお名前は?」

むすっとした態度で、首だけカイトの方を向くタル

海「貴方と話したいわけじゃないの♪ウルアちゃんと話したいの」

叶「コイツは嶋邨 海都、俺と同じ学年で同じクラス」

見兼ねたカナトが代わりに話す

横でカイトが「個人情報の漏洩だ!」と騒ぎ立てている

叶「見ての通り変な奴だけど、関係ない質問したら俺が止めるし

  心配なら君も居ていいから、とりあえず呼んでくれないかな?」

海「変な奴って何よ!?カナくんに言われたくないよ!このムッツリ!!」

「それなら…」とあまり納得はしていない様だったが理解はしてくれたようだ

樽「ウルアー!ちょっと来てくれ~」

潤「はーい」

タルと同じ様なウェイターの制服に身を包み、銀色のオボンを抱えた女の子が

小走りで駆け寄ってくる

海「猫耳メイド服じゃないじゃん!!!!」



喫茶で4人が出会う前日の13時30分頃:疾風学院近くの廃病院


「猫が立っているのは目立つから」と

アキラは自分の家からは程遠い、廃病院に来ていた

白猫「質問を続けるが、君は群れるのは好きか?」

白猫はジッとアキラを見つめている

彰「基本的に一人がいいが、まぁ、特定の人間となら群れても平気…かな」

ショウを思い浮かべた

白猫「そうか」

彰「終わりか?もう帰っていいのか?」

ガラガラガラ 何かが崩れる音がした

彰「!?ここそんなに古かったか!?」

辺りをキョロキョロと見回すが、どこも崩れた様子はない

白猫「早いな、予想以上だ」

彰「崩れるの予想してたんなら早く言えよ!」

白猫「何を言っている?私が言っているのはアレのことだ」

彰「あ?」

白猫の見ている方向に、赤い肌の子供らしき者が3人居た

コック帽の様な物を被っており、両手には包丁を持っている

彰「はぁ!?」

驚きが隠せない。さっきまでの疲れが嘘の様に、大声が出る

彰「おい!何だあれ?あんな危ねぇ知り合い俺には居ないぞ!?なんで赤いんだ?

  なんでこっち見て笑ってんだアイツ等は?」

白猫は動じない

白猫「あぁ、言い忘れていた」

彰「なんだ!?」

白猫「私の名前は『ハプス=ニャック』という。『ハプス』で構わない、親しい者はそう呼ぶからな」

彰「それどころじゃねぇだろうが!!!!!!」

3人はゆっくりと近寄ってくる。が、どういう訳か一定の距離を堺に近寄ってこない

ハ「アレはニスロクと言ってな、ある上位権力者の料理長をしている。

  以外にすばしっこく、食材と認めたものは何でも料理にする厄介な輩だ」

彰「なんでアイツ等襲ってこない?」

ハ「私が結界を貼っているからに決まっているだろう?阿呆なのか?君は」

アキラは「何故おれが蔑まれなければなれないんだ?」と怒りを募らせる

彰「じゃ、早く何とかしろよ!」

アキラはニスロク達を指差す

ハ「これを」ハプスはアキラに鍵を手渡した

彰「なんだよコレ」

それは色こそ特殊なれど、どこにでもある普通のディンプルキーと古びた鍵だった

しかし、ニスロク達の様な真っ赤な色をしている

ハプスは病室の前に行くと、「困ったな」と呟いた

ハ「アキラ、残念だが君は走らなければいけない」

彰「ハァ!?なんでだよ!?」

ハ「ここには鍵穴が無い。と言うかドアが無い。」

不良達の溜まり場であり、心霊スポットと化しているその病院は

解体作業の途中の様な崩れ加減で、ドアも壊されていた

彰「待て!鍵穴がなんで必要なんだよ!?あと、早くアイツ等何とかしろ!」

フッ アキラは妙な感覚を覚えた

ハ「あー、結界が切れてしまった(棒」

ハプスがいつの間にか半透明に透けている

彰「おい!」

ハ「私自ら手を出すことは許されていないのだ。頑張れ少年」

待ってましたと言わんばかりに、ニスロク達が駆けてくる

彰「っザケンナよ!」

迎え撃とうと構えるアキラに、もはや顔しか残っていないハプスが言う

ハ「間違っても生身で戦うなよ?触れたら取り憑かれて、

  意識はそのままに友人をその手で殺して調理して喰うハメになるぞ?」

アキラは裏口に向かってダッシュした

ハ「鍵穴を見つけろ。見つけたら鍵を挿して左に回せ。そうすれば君の『力』が形になる」

そう言い残すと、ハプスは完全に消えて無くなった

裏口から外に出たアキラは、街の方に走った

チラッと後ろを向くと、ニスロク達が直ぐソコまで来ていた

彰「早えぇよ!!」



アキラが命賭けの鬼ごっこをしていた日の21時40分頃:Ds猫丸の倉庫


私服姿のネコが歩いている

19時で退勤し、友人と映画を見るため着替えて駅に向かっていた

ヴヴヴッヴヴヴッヴヴヴッ

寝「この振動は電話さね」

メルマガ・電話・インフォメーション全て設定を変えている

仕事の電話なのかプライベートなのか、も、点滅する色で分かるようになっている

凝った設定だが、彼がやったわけではない

約束をしている友人からだった

 「もしも…ザザ…っし?」

寝「?どうした?雑音酷いぞ?」

 「悪…ザザ行けなく…」

声も少しおかしい

寝「体調悪いのか?じゃ、無理すんな。また今度にしよう」

 「ザザザッ…う…今度」プツッツーツー

電話は切れてしまった

寝「なぁ?どう思う?」

ネコは右肩に向かって声を掛けた

 「何やら妙な様子じゃったのう」

古めかしい口調で返答が返ってくる

ふと、ネコの隣に美しい女性が現れた。しかし、ネコは動じていない

寝「だよな?何か分かるか?玉藻(たまも)

鼻をスンスンとヒクつかせる女性

玉「どうやら、うぬの待ち合わせ相手は店におる様じゃな」

猫丸の看板を見つめて女性が言う

寝「とりあえず行ってみますか。」


玉「ここじゃな」

荷物の搬入口でもある倉庫に着いた

辺りは静かで、誰も居ないようだった

玉「時にネコや、うぬがチビ助の頃にわしが渡した証は身に付けているかえ?」

タマモがネコの肩にそっと手を掛ける

寝「あぁ、コレ?」

首から下げていたモノを服の外に引っ張り出す

手のひらサイズの薄く黒い円盤の様な物だ

玉「フフッその様に大切に持ってくれているとは嬉しいのぅ。」

タマモはネコに擦り寄る

寝「イマイチ使い道が分からんが、お前から貰ったんだ。大事にするに決まってるだろ?」

顔を逸らし、はにかんだ様に言う

玉「お前様はほんに愛らしいのぅ♪」

ネコも満更でも無いようだった

イチャつく一人と一匹は、倉庫前で奇妙なモノを見つけた

寝「イチャつくってなんだよ?」

玉「男の嫉妬は醜い。地獄の餓鬼よりも飲んだくれよりも醜い。」

うっせ!

ネコはソレを手に取ると、灯りの下に持っていった

寝「鍵?」

それは色が所々剥がれている蒼色の古風な鍵だった

タマモが難しい顔をしている

寝「ん?どうした?お前の…じゃないよな?」

玉「それは持ち主がおるはずじゃ、ダグのヤツめ失くさぬよう伝えなかったのか?」

ミツケタ

後ろから声がした

振り返った先に居たのは、ネコの待ち合わせ相手だった

寝「おいおい…真っ青じゃん。顔が…ってか身体全身が」

男はだらしなく口を開け、前のめりで歩いてくる

玉「憑かれておるのぅ」

男の背から白いクラゲの様な物体が現れ、体を包み込んでしまった

寝「おい!アレ死んでないよな!?」

ソレぇ…ヨコセェ!鍵ィ炎の鍵ィィィィィィィイ!!!!

クラゲはネコ達に向けて身体から水を放出する

玉「距離を取らねばな」 タマモが狐の姿に変わる

ネコを咥えると、店の屋根まで飛び上がる

寝「アレなんなんだ?」

玉「詳しい説明は後じゃ。時間が無い」

タマモは尻尾の一つを猫に向ける「(おん)!!」と言い放つと、

タマモの尻尾が箱の様なモノに変わった

玉「その窪みに証をハメ込み、右へ回すのじゃ」

寝「‥‥‥‥‥」

玉「どうしたのじゃお前様?早うせねばヤツが上がって来てしまう」

ネコは箱を拾うと、薄く黒い円盤の様なモノをそこにハメ込んだ

寝「後で説明してもらうぞ?」右に回転させる

クラゲは屋根に上がってきていた

刃のように鋭く形を変えた水を飛ばしてくる

箱から黒い光が溢れた 「呼ばれないのかと思いましたよ」

箱は消え、代わりに透き通るようなエメラルドグリーンの肌色の何かが現れた

水の刃が刺さる

 「まだ私が喋ってるんですがねぇ!」

その何かの額にある玉が輝いた、すると

刺さっていた刃が砂になった

 「私は『スラオシャ』以後よろしくお願い致します」

スラオシャは丁寧に頭を下げると、クラゲの方に向き直った

ス「アレは『ヤム』ですね。まずは寄り代から外しましょう」

寝「俺に出来る事はあるか?」

スラオシャは声には出さないものの、驚いた様子

玉「そういう性格なのだよ」

タマモは、ふふふっと笑っている

ス「そうですね…ではこれを」

スラオシャは何処からか書物を取り出した

パラパラと捲ると、ネコは苦言を呈す

寝「読めないんだがw」

海「ウルアたん!アタシのモノに…!」

潤「ふぇ!?」

樽&叶「なるわけねぇだろうが!」


寝「次回、『メイドを巡る抗争』」

玉「見逃してはならぬぞ?」


ス「次回予告はフィクションです(キリッ」

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