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Master Key  作者: 三日月
第1章「闘証」
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終編

高温の蒼い炎                              砂塵を巻き上げる竜巻 


        

                 4つを繋ぐ扉



焼き上げられ紅に染まる大地                       生命の息づく淡緑の水


紋章と鍵が揃う時、天に扉が現れ、闇を解き放つだろう

さすれば王現れ、戦いに終焉を齎らす



================================第1章 終編====================================



清々しい位によく晴れてやがる。。。

「あー、雨でも降ってくんねぇかな~」

センドアルミナー八木にある丘の上の学校『駆地(カジ)高校』で

片手を空に突き出し、「暑過ぎなんだよバッキャロー」と小柄な少年が呟いている

高校2年 17歳 「高岡 正一郎」である

正「アキラもどっか行っちゃったし、今日は俺もサボりますかねー♪」

成績優秀・スポーツそこそこ なショウは、ナゴヤン以外の教師から

「お前は授業に出なくてもいい」と、サボりのお墨付きを貰っている

学年では常にトップを維持しており「センドアルミナー始まって以来の秀才」などと言われていた

全国統一学力テストで一位を取った時には、

面識の無い人達から「君ならやると思っていた」「ウチの会社に入らないか?」

なんて、書類や花束や手紙が送られてきた

ショウはそれに対し、

「ただの一般市民である僕に、沢山の勧誘・賞賛をありがとうございます

 誠に申し訳無いのですが、僕は他にやりたい事がありますので全てお断りさせて頂きます。」

とハガキを出した

掛かってきた電話には、できるだけ自分で出てお断りの返答をした

そんなショウのしたい事、それは

「普通の人生を送りたいだけ」


元来注目されるのはあまり好きじゃない。

中学の体育の時、目立つのが嫌で手を抜いてやっていた

サッカークラブに通っている何人かが中心となってチームを引っ張っていた

相手チームのエースがショウの前に来た

エースはフェイントをかけて左右に揺れてみせる

(あーあー、手加減する身にもなってくれよ・・・)

簡単に取れるのに、慌てたフリをしてワザと抜かれてみせた

後は彼がシュートを決めればそれで良かったが

キーパーに止められてしまった

(何やってんだよ)

「わりぃ、ちょっとタイム!」キーパーがタイムを要求し、ショウの方に走ってくる

 「おい、お前さぁ・・・」

いかにもガラの悪そうなキーパーがこちらを睨みつけている

正「な、なんだよ」

 「本気出してくんねぇかな?」

正「は?」

 「俺さ、アイツ等嫌いなんだよね。お前が目立たないように

  全部手抜いてるのは分かってんだけどさ、もう中三だしさ今日だけ本気出しちゃおうぜ?」

キーパーは笑っていた

ショウは度肝を抜かれていた。コイツとは関わりがない。

今日だって2クラス合同の授業じゃなけりゃ、同じチームになる事も無かったろうに

何故俺が手を抜いてるのがバレた?コイツは何者だ?

正「君、名前は?」

 「ん?おぉそうか、初対面だもんな。俺は『続橋 彰』彰でいいよ」

正「彰か・・・。」

彰「どうだ?アイツ等の鼻を明かさないか?」

正「チームを集めてくれる?」

そこからの試合は凄まじいものだった

0-0のまま後半に持って行き、後半からショウをFWに起用

ワントップのフォーメーションでサクサク点を入れていった

試合終了

8-0という恐ろしい結果に・・・

ショウはその日から、本気でやることにした

学年下位だった成績も、中間を経て一気にトップになり

志望校も、不良の溜まり場だった『草緑(ソウリョク)高校』をやめ、

全てのきっかけであるアキラと同じ『駆地(カジ)高校』を選んだ

担任には「もっと上を目指せる」と言われたが、興味が無かった

願書を提出すると、高校側から「当校も貴方の入学を希望します」と

校長直々に電話が来たAO入試よりも先に進路が決まった


you got a mail!!

校門に立っていたショウの携帯が鳴る

メールを開くと、こう書かれていた。

「依頼が来た。詳細は別途メールにて。とりあえず、いつもの場所で」

正「っうし!行きますか!」

持っていた鞄からシルバーアクセを取り出し身につけた

正「ヤル気全開で行きましょ~♪」

昔流行った歌を口ずさみながら街の方に歩いていった




真昼間の森の中に私は居た

淡緑色の湖の見える丘にベンチがある 私はソコに座っている

一人じゃない 隣に誰か居て、何か話してる でも何を話しているのかよく聞こえない

その誰かがこっちを向いた 私は恥ずかしくて下を向いてしまう

(どうして下向いちゃったんだろう・・・誰だかわかんないよ)

「ん?どうした?気分でも悪い?」

男性だと言う事は分かったが、誰なのかが分からない

「いぇ!大丈夫です!」

下を向いたまま返事をしてしまった

(もぅ!何で向こう向けないの!?)

不意に、男性の手が顔に触れた クイッと男性の方を向かされる

「うーちゃん。僕の目を見て・・・その愛らしい顔をよく見せて」

男性の顔が近づいてくる

(え!?嘘!?ちょっと・・・)

唇と唇が触れそうになる


 「ちょっ!ちょっと待って!!」

教室が静まり返る

・・・・・・・・・・・・

へ?教室?

 「霜月~そんなに授業の続きがやりたいのか?」

え?授業??

キーンコーンカーンコーン

 「まぁいい、今日の授業は終わりだ。今日はHR無いから、学校もこれで終わり!

  気をつけて帰れよ~?それじゃ、また来週」

え?アレは夢だったの・・・?

 「ウルア~どうしたの?急に叫んじゃってwww」

隣の席のトッキーが話しかけてきた

潤「いぁ、何か変なユメ見ちゃって・・・」

 「ゆめ?」

潤「ウン」

ウルアは夢で見たことを彼女に話した

 「で?で?その男性って誰だったの!?」

えらく食いついてくる

潤「いぁ、だから、ね?顔直視できなくて・・・」

 「え!!だってキスまでいったんでしょ!?そしたら顔見れるでしょ!」

潤「ちょっ!トッキー声大きいって!!」

 「ゴメンゴメン」

潤「・・・キスの時も恥ずかしくて半分閉じてた」

 「え・・・半目でキスしたの?」

トッキーは笑い始めた

潤「えぇ!?ちょっと!なんで笑うの!?」

 「半目でキスとかwwwww」

もう!なんで笑っちゃうのかなコノ子は・・・

ズバッ ビチャッ

潤「ひゃっ!」

赤い液体が顔にかかった

ぬるぬるしている。それに生暖かい

潤「何・・・?コレ・・・ねぇトッ」

言いかけて絶句した。隣で笑っていたトッキーが居ない

正確には、首がない 断面が見えている

潤「!!!」

恐怖のあまり、声が上手く出せない。

昼間だったはずの外がやけに暗い

・・・アーティファクトをよこせ

断面から血を吹き出している首だけのトッキーが教室の床を這いずりながらこちらに来る

ずりゅっ ビチャ

潤「や・・・来ないで」

やっと声が出た、が

ガシッ 身体だけの方に腕を掴まれた

・・・アーティファクト・・・私に・・・ねぇ?親友でしょ?私達親友デショ?

潤「止めて!放して!」 首は足元まで来ていた

・・・チョウだイちょうダイちョウだイちょウダイ

首の断面から触手が伸びて、ウルアの顔に近づいてくる

(誰か!・・・誰か!)

 「これで終わりだ。雷獣!!」

男の人の声と、狐のような鳴き声の後に

目の前の「首」に青白い雷が落ちた

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

首の叫び声が聞こえた 男の人が何かを言って走り去っていく


そこで私は気を失った




犬に呼び出された

いや、本当なんだって。白いもふ犬に呼び出されたんだよ

前にスーパーに行く途中で喋る犬に出会った

そんで、アーティなんちゃらだとか、選ばれたとか言われたんだが

よく分からなかったw

しかも、犬は途中で走り出すし・・・

何だってんだよ・・・

あの後、変なチャリ鍵を持ったまま学校に戻り

なぜかグチャグチャになっていた部室で

部員総動員でハヤシライス作りと片付けをした

ハヤテに聞いても、

「いや、知らん。俺は職員室に居たし」

と答えるだけ

壁には焼け焦げた跡や、土が付いていた 俺たちは呆然と見ていたが部員の一人が

「あぁ!時間!ヤバイって!!」

と騒ぎ出し、慌てて準備に取り掛かった

ウチの部活は・・・っていうか学校が変わっててさ

部活内で食品を扱っていい代わりに、

部室を使用して週5日以上「店」を出さなきゃいけないんだ

テスト期間だろうが、夏休みだろうがお構いなし

部員は交代で出勤 タイムカードもちゃんとある

給料は出ないけど、代わりに「クラット」っていうポイントが貯まる

そのポイントは、学院の購買や他の部活でお金の代わりとして使えるんだ

もちろん。学院外では使えないがな


俺は駅前に立っているんだが、犬の姿は見えない

野良猫とかカラスならイッパイいるけど

樽「うおっ!スゲェ」

駅のロータリーに人だかりが出来ていた 中心に居るのは外人だった

ファンタジー作品に出てきそうな鎧を身に纏っている

樽「コスプレなんて珍しいな」

西側ならともかくとして、東側でコスプレするとは・・・

相変わらず犬は居ない。何だ?やっぱ騙されたか?

帰ろうとした時

コスプレイヤーがこっちに向かって歩いてきた

(あの格好のまま移動すんのかよwww)

彼はどんどん近づいてくる

(あら?俺の方に来てる??)

とうとう目の前に来た

褐色の肌に銀髪、瞳はオリーブグリーン 174cmくらいだろうか

「待たせたな。移動するぞ」

コスプレイヤーに肩を掴まれた、瞬間

俺は駅前から見知らぬ場所に移動していた

樽「は?・・・はぁ!?」

 「何を驚いている?」

いや、そりゃ驚くだろ!ってかなんだこりゃ!

 「あの場所は騒がしくて好かん」

樽「そうか。・・・っじゃねえよ!あんた誰だよ!?ここは何処だよ!?」

銀髪のコスプレイヤーは呆れたように言う

 「少し落ち着け。前にも会ったし、今日も連絡をした。だから駅に居たのだろう?」

は?連絡?会ったっ事がある?いやいやいやwこんなヤツに会ったら忘れないだろwww

樽「外人に知り合いは居ないぞ。ってか日本語上手いなアンタ」

 「言語については、これのおかげだ」 肩当てについている琥珀色の装飾を指差した

 「これのおかげで、君達と会話することができる」

樽「あーもう。何か頭痛くなってきたわ」

銀髪は困った様な顔をしている

 「空間転移の副作用か?フム彼女はなんともないと言っていたからてっきり大丈夫だと・・・」

樽「彼女?」

銀髪がタルの後ろを指差す

その方向が一瞬光った 光が収束し始めると女の子が現れた

 「あ!タル君!」

ウルアだった

樽「え?ウルア何してんの!?部活だろお前?」

ウルアは樽の方に駆けてくる

潤「そうだったんだけどね~ワンちゃんが、『ここは時間が止まっているから心配ない』って」

は?犬なんて何処に・・・ 

オホン 銀髪が咳払いをした

 「揃ったところで、改めて自己紹介をしよう。

  私は風の陣営の指導者 『ワコール・ディ・マフレ』だ。以後よろしく頼む

  普段は犬の姿を取らせてもらっている。あちらの方が目立たないからな」

マフレは一瞬犬になり、また人の姿に戻った

潤「すっご~い」

ウルアはパチパチと手を叩いている

マ「早速で悪いのだが、時間がない。本題に移らせてもらう」

マフレはどこからともなく、鍵を出した

マ「アーティファクトは持っているな?」

タルとウルアもポケットから出す

マフレが何かを喋った すると二人の後ろに青色と灰色のドアが現れた

どちらのドアにも鍵穴が付いている

マ「さぁ、挿し込め」


樽「いやいやいやw挿し込めって言いますけど、コレはチャリ鍵でしょ?w」

タルは手に持っている鍵をマフレに見せつける

樽「挿さんねぇだろこれは!」

カチャ

潤「あっ!挿さったよー?タル君!」

灰色のドアに車の鍵が刺さっている

樽「はぁ!?」

近くまで行ってみるが、確かに入っている

マ「タル、お前も早く挿せ」

タルは疑いながらも、青色のドアの前に立つ

ゆっくりと鍵穴にチャリ鍵を挿す

マ「では目を閉じて何も考えるな。何か見えたら鍵を左に回せ」

暫しの間、二人は無言だった 二人は見えていないが、両方のドアから光が漏れている

青色のドアからは薄緑色の光が

灰色のドアからは紫色の光が

カチャ

マ「ほぅ。ウルアの方が先にイメージを得たか」

遅れること数秒 タルも鍵を左に回す

マ「さあ!思い浮かんだ名前を呼べ!!」

樽&潤「***********」


次回、第2章「堕ちた紋章(クレスト)

   嶋邨(しまむら) 海都(かいと)率いる「蒼炎の風」

   彼等は「紋章(クレスト)」を集めていた。

   闘鍵士(キーナイト)紋章(クレスト)の関係が!

   ドアから現れる怪物!

   含みが多すぎて整理するのが大変!

   更新は、10月中旬を目指しています☆

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