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底の骸の毒なのか?

作者: 嘩月

地平線さえも掴む手は小さな手で、汚れなき欲望。

呼吸も忘れた魚のように自由に泳ぎ、休み、沈む太陽を追いかけ、中身の無い恐怖を振りほどき、溢れる虹を潜る。

輝く世界に目眩も起こさず笑う日々は、空へ昇る水泡と共に弾けた。



泳ぐ事でしか息が出来なくなったのは、いつの日から?

考える間も無く変わった。

優雅に廻る遊泳魚、大きく窮屈な海の水槽の中。

与えられた幸せを抱き締めた。



死に怯えた夢の中では、全てが恐くて、何もかもを拒絶して、羨ましそうに空を眺めるだけで。

悲しみの雨が降る、この瞬間だけは忘れる事が出来るけれど……。



世界が水に満たされ、繋がるように見えた。

海も、空も、地も、雨に触れ、繋がるように見えた。

この水槽の中では、感じる事が出来ないけれど……。



この涙が混ざらないのは何故?

頬から落ちて、深海へ。

冷めた指先、感触も無いまま頬をなぞった。

死海のようなソレは、涙、海、雨?

一ツだけ解るのは、茫漠とした空虚な疎外感だけ。



あぁ、今は、もう……。

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