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第七戦~新入生旅行その弐~



新入生旅行編その弐です。

戦闘は少な目です。



伊豆に着いたわけだが、俺はまだ理解があまり出来ていなかった。

しかし、こんな悩みながら新入生旅行を過ごすのは、余りにも寂しすぎるので、この考えを今はしまっておく事にした。

そして、回りを見渡すのだが…。



「なんだ、此処は………」



俺から出た第一声…。

其処は伊豆というよりも樹海と言った方が相違無く、本当に旅館が有るのかとさえ疑問になるような場所だった。



「ココ……ホンマに伊豆なんか?」



「あぁ!此処は伊豆の中でも秘境中の秘境。一般人には、あまりにも厳しい環境で来ることが難しい場所だ!ちゃんと旅館だってあるぞ?」



そう言って、教師は笑っていた。



(どんな旅館なんだか……)



そう思いながら、俺達は旅館へと移動した……。



「「「おぉーー!」」」



俺達から感嘆の声が洩れたが、ソレも仕方がないだろう。

其処には、この樹海には似つかわしくないくらいの豪華で巨大な旅館が聳え立っていたのだから。



「どうだ!ココスゲーだろ!」



「確かにな……。まさかこれ程までとは思っていなかった……」



その言葉に、同意を示す1-Sメンバー。



「とりあえず入るぞ!爺の話が有るんだからな!」



完全に言い直す気すら無くなっている教師。

マジコイツダメだわ……。



そう思いながら中に入る。

中も外の外見に相応しいまでに豪華絢爛といったところだった。



(こんな施設を此処に作って儲かるのか?)



そう考えていると、爺が話を始めた。



「さて、新入生諸君!この旅行の目的についてだが、それは一因として親睦の為と、また一因としてこの学年の代表を選出するためでもある!!旅行は元来楽しむモノであるが、力無き弱者は楽しむ事は出来んかもしれん!しかし!!我が学園は、武道極道を目指すモノだ!勿論、文武両極道が最も素晴らしい!!だから、Dクラスの諸君!この旅行を通じて、力を強めていって欲しい!そして、文武両極道を目指して欲しい!Sクラス諸君は、更に自らの力に過信せず!更なる高みを目指して欲しい!!コレにて儂の話を終える!次は、今から行う行事についてだ!絶耀!説明を頼む!」



「ウィーッス……」



ダルそうな顔をしながら、話を始めようとする教師。

説明くらい真面目にしろよ……。



「あー、今から行う行事について話すぞー。まずこの球が分かるか?」



そう言って、深い青色の球を出す。

コレがどうしたんだ?



「お前らには今から投げるこの球を探してもらう。勿論球はあの樹海に投げるワケなんだが、コレを取れなかったバカは、晩飯無しだ」



「「「「「えぇぇー!!」」」」」



そう教師が言った瞬間、生徒達が激しくブーイングをする。



「黙って聞きやがれこのクソカスがァ!!」



それに、早速キレる教師。

キレやすすぎだろ……。



「ちなみに、Dクラスは今から鍛練だァ!!少しでも強くなって見せろォ!!」



「「「「「えぇぇー!!」」」」」



Dクラスの面々もブーイングをする。

そりゃそうだろ…。

修行とかした事無いヤツばっかだろうからな。



「オラァ!!早くSクラス、Aクラス、Bクラス、Cクラスは外に出ろォ!!」



(もう開始なのかよ…。早くないか?)



そう思いながら外に出る。



「さて……準備運動でもするとしますか…」



そう言いつつ軽く体を動かす。

そして、その五分後……。



「今から開始するぞぉ!制限時間は晩飯までのおよそ三時間!!その間にこの球を一つでも手に入れろォ!!……オラァァァァ!!」



球を見せたすぐ後に、教師は全力で球を一掴みに投げた。

俺は、直ぐに飛んだ先を確認し、記憶する。



(ってかアイツなんだよ……。気で強化もしねぇで、数十キロ飛ばしたぞ……)



「さて、開始だァァ!!」



開始の合図が鳴り、Aクラス、Bクラス、Cクラスの面々が我先に飛び出す。



「全く世話しないやっちゃなぁ」



「そうだな響夜。ま、俺等も飯食いてぇし、行くとしますかね?」



「そうだな。まぁ、ルールとか言ってなかったし、何でもアリなんだろ?いざとなりゃ、持ってる男タコ殴りにして取りゃ良いか」



慶治はそんな鬼畜的所業を言いながら黒い笑いをする。



「まぁ、ABCの3クラスはかなりおせぇのばっかだから余裕だろ?」



「確かに見た限りの大体はかなり遅かったからな」



美鈴が同意を示す。

本当に気が合うなー。



「っと、そろそろ行くかな。じゃあなー」



「じゃあね、颯くん!」



「おぅ!じゃあな零那!」



俺は肉体強化を足のみに集中させ、一気に飛ぶ。



「ハハハハハ!!」



ただ一歩の踏み込みのみで、一気にABCの連中を置き去りにする。

そして、教師が投げた地点まで移動する。



「さて、此処等かね?」



そう言い、球を探しだす。



「コレか…。割と早く見付かったな。何個か予備として持っておくとするか…。暇だしな」



球の一個を早々に見つけてしまったので、何かあったときの予備用に球を持っておく事にした。



「確か…固まってたのは、彼方の方角だったな…」



俺は、然程距離が離れてないので、気を使わずに身体能力だけで走る。

……コレでも気を全力で使ったBクラス並みに早いのだから驚きだ。



「確かここら辺だったかね?……っと、あったあった」



そう言い、三つ固まっていた球を取りポケットの中に入れる。



「………暇だな…。あと二時間くらいどうしよ…」



そう呟いていると、後ろから気配がした。



「球を渡せぇぇぇ!!」



「ウッセェ。黙れ」



そう言って、背後のヤツに蹴りを入れる。



「グァァァ!?」



「………弱っ…」



後ろから襲い掛かってきたソイツは、只の一撃で気絶し倒れた。



(………手応えがない…)



俺はポケットから携帯を取り出す。

何で持ってるか?だって?

俺も現代人なんだ。それくらいは持ってるさ。

勿論Sクラスの奴らも全員持ってるぞ?



プルルル………ガチャッ!



『もしもし俺だが』



「おい教師。この森に危険生物みたいなのはいるか?」



あまりにも手応えがないので、森の中の生物をボコることにした。



『あー。いるぞ?バカみてぇにデケェ熊の主が』



「オッケー。じゃあな」



そう言って、一方的に電話を切る。



(主か…。面白そうだねぇ)



そう思いながら、主の探索を始める。



それから探す事一時間……。

主を発見した。



「グガアァァァァァァァァ!!!」



主のサイズはおよそ四メートル。

見た目は、熊というよりも、一般人から見たら怪物そのものだろう。



「さーて、少し相手してもらうぜぇ?」



「グガアァァァァァァァァ!!!」



主熊は叫びながら俺に向かい手を当てに来た。



「Aクラスの奴等より断然はえぇな!」



俺はそう言いながら避ける。



「威力たけぇな…」



先程まで俺がいたところには、巨大なクレーターが出来ていた。



「食らえ!!」



俺は主熊の頚を刈るように回し蹴りをする。



「ガッ…グガアァアァァアァアァ!!」



「なっ!?」



主熊は俺の足を掴み、地面に叩き付けようと振りかぶる。



「チイッ!?」



俺は掴まれた足を軸に数回転し、僅かに隙間が空いたところで足を抜き、手を蹴り上に飛ぶ。

俺はそのまま回転し、主熊に向けて踵落としを放つ。



「グガァアァァァアアァァ!!!」



「打たれ強いか…。なら、一気に畳み掛けるのみ!!」



踵落としを食らったはずの主熊は、少しぐらついたものの態勢を建て直し、噛み付いて来ようとする。



「ラァァァァ!!」



「グガッ!?」



俺は気を使わないままで主熊の歯を全力で殴り、叩き折る。



「オラァァッ!!」



俺は殴って直ぐに後ろ蹴りを主熊の腹に蹴り込む。



「ガ…グ…ガアァァアァァアアァァァ!!!」



主熊は蹴りにより飛ばされ、後ろにあった岩にぶつかる。



「グゥゥゥッッ!?」



その衝撃もあり、主熊は倒れた。



「……戻りにかかるか……」



そう言い、俺は帰るために歩き始めた……。



そしてその最中、焦り探している女の子達を見掛けた。



「どうした?」



俺は、見捨てるワケにもいかないので声を掛ける事にした。



「た、球が…見付からなくて………」



「ど、どうしよう!」



「助けて!」



そう口々に喋る。



(三人か……。確か俺四つ持ってたよな?まぁ、やってもアイツラは持ってるだろうし大丈夫だろ)



「球なら俺がやるよ」



「「「本当(ですか)!?」」」



三人とも希望に満ちた顔で俺を見てくる。



「ほら。どうぞ」



「「「ありがとう(ございます)!!」」」



そう言って、三人は頭を下げる。



「良いって良いって。じゃあな?」



「あ、あの…お名前は?」



女の子の一人がなんかもじもじしながら聞いてきた。



「あ?俺は、黒鉄颯雲だ。じゃあな」



俺はそう言って、戻っていった…。





次の次くらいで多分戦闘すると思います。

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