第六戦~新入生旅行その壱~
龍二を間違えて書いてたので、再度投稿しました。
さて、今日はいきなり告げられた新入生旅行の日だ。
俺達はバッグを持ち、集まって教師を待っている。
(全く毎回おせぇヤツだな。やる気無さすぎだろ)
「先生遅いね、颯くん?」
「あのバカが遅れるのは二日で分かったが、いつもの事だ」
あのバカは、ここ二日間毎日遅れていやがるからな。
今日もさぞかし大遅刻してくる事だろう。
「ほぉ、誰がバカだって?」
「うおっ!?」
俺は飛び退き、後ろを見る。
其処には、異様な張りきりを表すような格好をした教師が。
「今年の旅行は……伊豆だぁぁぁぁ!!」
天に指を指し、叫ぶ教師。
因みに、教師は既にもう浴衣に着替えている。
(……バカだろ?)
「温泉ヤッベェ!温泉ヤッベェよ!マジテンション上がるわ!フハハハハ!!」
そう言って狂い出す教師。
あぁ……もうコイツダメだ…。
「今なら飛べる気がするぞ!」
「なら、飛び込め。崖から飛び降りろ」
イライラしながら、教師に告げる。
「すんませんっしたぁぁぁ!!」
そう言って、土下座する教師。
「ったく、いつもはマトモにやりやがらねぇのによ…」
「ソレはアレじゃん?環境的な問題じゃね?」
悪振りもせずに、アホな事をいう教師。
「バカだろ、テメェ」
「失敬な!バカではないぞ!なぁ、浅井!」
教師は龍二に目を向けるが、逸らされる。
次は、零那に……逸らされる。
その次は、紗理奈に……逸らされる。
と、繰り返していき、全員に逸らされたら辺で叫ぶ。
「俺はバカだったのかぁぁぁぁ!?」
「当たりだ。ってか、さっさと行くぞ?」
もうこのバカと話すのは疲れてきたので、話を逸らすことにした。
「あ、あぁ…。そうだな…。テメェラァァ!!バスに乗れぇぇ!」
ウザいぐらいにテンションが高い教師をよそに、俺達は着々と席に着いていく。
「伊豆に出発ぅぅぅ!!」
(マジテンション高過ぎてうぜぇな…。ハッ倒して良いかね?)
とか、思いつつ数分後…。
「ヤバい…。吐きそう………」
さっきまでのテンションとは裏腹に、窓際で顔を青くする教師を見て俺は呆れがマックスに上がった。
「……はぁ………」
「何溜め息吐いとるんやー?」
「溜め息吐いてたら、幸運逃すぜ?」
響夜が笑いながら聞いてくる。龍二は……なんだろうな?
「あのバカ教師に呆れてな…」
「そりゃしゃあねぇだろ。アレはいつもアレなんだからよ」
慶治は既にあのバカの存在を諦めてるみたいだ。
「それより、少しゲームでもしようぜ?」
「まぁ、良いぞ?」
龍二の提案を飲む。
すると…
「なになに、慶治。ゲームすんの?」
「沙弥か。あぁ、なんか知らんがするみてぇだぞ?お前もやるか?」
いつの間にか本田さんと慶治は仲良くなっていたみたいだ。
「勿論!良いよな、颯雲?」
「あぁ、良いぞ」
ってか、何故俺に聞くんだよ?
そう思ってると、上杉さんが響夜と話してた。
「何だー?遊ぶのか?私もやるぞー!」
「おぅ!全然えぇと思うでー!」
二人増えたなら、もう全員にすりゃ良いんじゃね?って事で、話しかけていくことにした。
「零那。ゲームするか?」
「良いの?」
当たり前だろ?その為に誘ってるワケだし。
「勿論!」
さて、次は……。
俺は、美鈴、武田さんに話しかける。
「美鈴、武田さん。二人もゲームどうかな?」
「あぁ、良いぞ」
「私も良いわよ。それと颯雲くん。私の事は愛で良いわよ」
愛か?……まぁ、良いか。
「分かった。よろしく愛」
そう言い、次は紗理奈に話し掛ける。
「紗理奈。紗理奈もゲームどうだ?」
「まぁ、良いわよ?」
紗理奈も軽く同意する。
明智さんは龍二が誘ったみたいだ。
……さて、ゲームを始めるか。
「で、何すんだ?」
「さぁ?無難にポーカーかな?」
龍二はあまり考えてなかったようで、曖昧に答える。
「ならせっかくやし、罰ゲーム付けよーや!」
その響夜の提案に同意する1-Sメンバー。
罰ゲーム内容は、クジで決めるみたいだ。
(罰ゲームくらってたまるかよ!)
一回目は真剣に、イカサマ無しで行くことにした。
結果………負けた。
「やられたぁぁ!!」
確実に分かる事を言おう。
龍二に慶治はイカサマをしていたと…。
勿論俺を負かすためのイカサマを……。
なんて小癪な…。
「罰ゲームだな、ソウ」
「そうだな。罰ゲームだ、颯雲」
二人は黒い笑いを浮かべ言う。
次は絶対負かしてやる…。
「クッ…。仕方無い。引くぞ…」
そう言い、クジを引き内容を見る。
『醤油一升瓶一気飲み』
(死ぬわぁぁぁぁぁぁ!!)
殺人の意思しか感じれない罰ゲームを見ながら思う。
「一升瓶かー。はいコレ」
そう言って、一升瓶を渡してくる。
………血も涙もねぇな。
(覚悟決めて飲むか…。とりあえず、肉体強化はしよう)
肉体強化をし、一気で一升瓶を飲む。
「…………死ねる…」
「大丈夫か、颯雲?」
美鈴が背中を擦ってくれた。
心遣い痛み入るよ…。
「ありがとう、美鈴。もう大丈夫だよ…」
覚えていやがれ…。
罰ゲームをさせてやるぞ、龍二、慶治!
そして、第二戦…。
俺はイカサマを使うことにした。
そして、1ターン目で…。
「コール!」
俺の手札はイカサマによりフルハウスになっている。
「「なっ!?」」
龍二に慶治は有り得ないと、目を丸くしていた。
そして、この二戦目は慶治の敗けとなった。
「罰ゲームだな?慶治?」
「クッ…!」
そう言いつつも、慶治は罰ゲームを引く。
罰ゲームの内容は…
『少し前に話していた異性の頬にキス』だった。
慶治は、今回は本多さんにしか話していない為、本多さんの頬にキスすることとなった。
「クッ…!俺が罰ゲームにかかるとは…。沙弥。嫌かも知らんが、我慢してくれ」
そう言い、本多さんの頬にキスする慶治。
本多さんも嫌そうではないので、満更でも無いみたいだ。
「さて、次に行くぞ!」
「ってか、マシなのねぇのか?」
一升瓶は殺意が見えるし、キスは煩悩が見える。
「無しも有るんだぞ?」
そうなのか。なら、幾分かマシだな。
そして、三ゲームが開始される。
勿論イカサマはしている。そして、四順目が過ぎた頃に勝負をかける。
「コールだ」
「なっ!?」
龍二が驚いた声を上げた。
イカサマに自信が有ったんだな?
そして、結果的には……美鈴が最下位になってしまった。
(し、しまった!?)
「最下位になってしまったか…。仕方無い…潔く罰ゲームを受けるとしよう」
(無し来い!無し来い!無し来い!)
と、願いを込めていたのだが、思いも虚しく……
『今一番気になる異性の頬にキス』
キス好きだなオイィィ!?
そう内心で叫んでいると、頬にキスをされた。
……………はい?
「罰ゲームだからな!」
そう言う美鈴の顔は少し朱を帯びていた。
「へ?あ、あぁ。分かった」
正直未だに頭がパニック状態なワケだ。
気になる異性……。
マジか…?
そんな事を考えている間に、目的地に着いたようだった……。