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第一戦~プロローグ~



私立蓮城学園――紅燦市市内にある全国的に有名な進学校である。



俺こと――黒鉄(くろがね)颯雲(そううん)は、その有名な進学校という噂がある高校に幼馴染みと共に受験しに来ている。



「此処の噂は真実か否か…。否だとするならば、俺等全員不合格だな…」



この私立蓮城学園にはある噂がある。

その噂が『気が使える人間は無条件で合格となる』という内容だ。

気は恐らく武道の達人が使えるようになるアレだろう。

信じるのはアホのようだが、こんなのでも信じないと俺と幼馴染みの一人は合格出来ない。

所謂物凄い馬鹿なのだ。



「なー、ソウ。マジであの噂どうかな?マジじゃなかったら俺等中卒終了だぜ?嫌じゃね?」



「あぁ、それだけは回避したいなー」



この俺に話し掛けてる奴が幼馴染みの一人…浅井龍二といい、浅井長政の血を引いているらしい。

『らしい』というのは、正直興味がねぇから、アイツが家系図とか見せようとした時に、軽くあしらって見るのを止めたからだ。



「それは、颯くんも龍二くんも全然勉強しないからだよー」



「いや、零那。しゃあねーだろ?鍛練ばっかずっとやってたんだからさ?」



こっちはもう一人の幼馴染み――風魔零那だ。零那は風魔という忍集団の血筋を引いている女の子だ。



「零那ちゃんは、勉強出来るから俺等と違って合格確定だろうし、羨ましいなー。俺も勉強しとけば良かったよー」



そう言って龍二は嘆いてる。

ちなみに、零那は俺等と違ってかなり頭が良い。多分、この高校にも噂無しで入れるだろう。



(コイツ自分の事忘れてんだろ…)



「お前数学、割り算で『もう無理!』とか言って死んでたじゃねぇか………」



「あ!そういえば!」



コイツはどうやら、自分の事も分からなくなるくらいの阿呆らしい。

ちなみに、俺の方はただ単に勉強してないだけである。

して、どうなるかは分からないが……。



「あ!早くしないと試験始まっちゃうよ!早く行こ!」



「あぁ、分かった!」



零那が俺の手を掴み、引っ張っていく。



「ちょっ!?ソウ、零那ちゃん!俺を置いてかないでくれよー!」



その後を、龍二が嘆きながらも走って付いてきていた。



そして、試験会場に移動し…



「おぉ!見ろよソウ!俺等みたいな武道一辺倒の人間が割とたくさんいるぞ!」



入った試験会場には、スゴく頭が良さそうな連中と俺等みたいな武道に長けた人間が同じくらいの比率でいた。



「あぁ、あながち噂も嘘っぱちっていう訳じゃ無さそうだな。希望が持てたぜ」



とか、言ってる間に試験官?が来た。



「ハイハイ、さっさと席に着け。よーし、とりあえず最初に確認を取る。この中で、噂を信用して来たヤツ前に出てこい!」



(なんだ?もしかしたらアレですか?『なーに噂信じてんだよ、バーカ!』とか、言うつもりか?だとしたら、はっ倒すぞ試験官…)



とか、思いつつ三人とも前に進む。

出てきたヤツは意外とかなり多かった。

中には、どう考えてもコイツ武道やってねぇだろっていうヤツもいる。

多分ソイツラは『気』を優しさの方だと勘違いしたんだろう……。



「よし、集まったな!テメェラは今すぐ別試験会場に移動だ!学園長が直に見るそうだからな!」



(は?その学園長って強いのか?直に見るとか死ぬんじゃね?)



そんな事を思いつつも、試験会場に移動する。



「着いたな!テメェラ今すぐこの番号札を受けとれぇ!受けとれ無かったヤツは、即アウトだ!」



そう言って、無造作に番号札を投げる試験官。

俺も龍二も零那も無事に取る事が出来た。



「何番だった?俺『十番』だけど」



「龍二か。俺は『三番』なんだよねー。早くないか?零那はどうだった?」



「私は『八番』だったよ?」



なんか全員かなり早めだ。

まぁ、良いが…。



「じゃあ、颯くんが一番最初だね?頑張ってね颯くん!」



「あぁ、勿論だ。零那も龍二も健闘を祈る」



とか言ってると、お呼びだしがかかった。



「三番さっさと来いやボケ!」



(ったく、あの試験官口悪すぎんだろ…)



「うーっす。来ましたー」



「さっさと試験会場に入れカス!」



口が悪すぎる試験官にイライラしながらも、俺は試験会場へと入っていった。



「三番、黒鉄颯雲だ。力はアンタに見せれば良いのか?」



俺は真ん中にいた、異様な雰囲気を持った爺さんに聞く。



「勿論じゃ。どれ?力試しと行くぞい」



そう言って、爺が俺の前に来る。



(コイツ…。スゲーな。化け物のレベルに入る強さだろ…)



「では、行くぞ!」



爺は空気の壁を破るくらいのスピードで拳を放ってきた。

俺は、自らの気の力の一つ……「流見」という大気中と爺に流れる微弱な気の流れを読む能力を使い、爺の一撃を避け爺の動く方向に拳を向け、殴り付けた。

だが、爺はソレを体の軸を中心に回転する事でよけた。



「ほぅ…。ワシの一撃を避けるだけではなく、カウンターまでしてくるとはの…。今の力の使い方を聞かせて貰っても良いかの?」



「俺のは「流見」というヤツだ。体内、外気に流れる微弱な気を読む事で相手の動きを読んだり、異常を見極める力だな。まぁ、他にも肉体強化とか遠当て、武器強化に外的付与も出来るがな?」



気の使い方は人により個人差があるらしい。

その中でも代表的にあげられるのが『遠当て』『肉体強化』『武器強化』『外的付与』の四つだ。

『遠当て』は所謂かめ○め波的ヤツやら、浸透勁等があげられる。見た目的に良いヤツの一つだ。ちなみに、コレは龍二の得意分野だ。

次に『肉体強化』。コレははっきりいって言葉通りだ。体内に気を循環させ、肉体強度を高めたりする。コレは、零那の得意分野。

次に『武器強化』だか、コレは武器性能を気を流す事で上げたり、気を武器の周辺に回す事で威力を上げたりする。

そして、最後に『外的付与』。簡単にいうとオーラみたいなモノだ。



「ほぉ…。レアな能力じゃの。ソレを見るのは二人目じゃ。良かろう。合格じゃ!編入クラスはSクラス。制服はコレで、寮の部屋は301号室じゃ!鍵はコレだからの?」



そう言って、黒地のブレザーに赤いネクタイ、紺色のズボンと、鍵を渡してくる。



「準備はえぇな…。いつから、学校なんだ?」



「明日からじゃよ?」



耳を疑った。



(いやいやいや!ソレは流石に無いだろ!)



「マジで?」



「マジじゃ。とりあえず、今日は準備か何かで帰るのをオススメするぞ?」



「分かった…。では、失礼した」



そう言って、外に出ると零那と龍二が駆け寄ってきた。



「「どうだった!」」



「合格。Sクラスだってよ」



(それにしても、あの爺。なにを基準にクラス選んでんだ?)



「お!ソウ、スゲーじゃん!Sクラスってかなりつえー奴等が集まるクラスなんだってよ!」



(へぇ。初耳だな。能力補正付きでSクラスか…。鍛練を怠らないようにしないとな…)



とか、考えてると次は零那の番となった。



「それじゃ、行ってくるね!」



「頑張れ零那!」



「零那ちゃんガンバ!」



そう言って、零那を見送り、十分後……。

零那が出てきた。



「零那どうだった?」



「どうだったの零那ちゃん!」



零那は制服を持っていたので、合格は確定だろう。

問題は、何処のクラスになるかだ。



「私もSクラスだったよ颯くん!」



そう言って、俺の手を握りぴょんぴょん跳ねる零那。



(なんか小動物的で可愛いな…)



「お!そうか。良かったな零那」



「零那ちゃんおめでとー!」



とか言ってる間にあっという間に龍二の番になった。

何故か知らんが、九番の男は精魂尽き果てた感じになってたみたいだった。



「俺もSクラスになって見せるぜ!」



「頑張れよ」



「頑張ってね!」



そう見送りをして十分後…。

龍二が満面の笑みで出てきた。



(あぁ、Sクラスか)



顔を見て分かったので、出迎えは無しにした。

零那も同様に顔で分かったのか、出迎えはしなかった。

すると……



「ヒデーよ!俺には『どうだった?』とか、声掛けてくんねーの!?」



「はいはい、どーだったー…コレで良いか?」



適当にやる気無い感じに聞いてやった。



「心配とかが全然こもってないよ、ソウ!俺なんか泣けて来ちゃうよ!?」



(泣けば良いんじゃね?俺は、困らんし)



とか、考えてる間に勝手に龍二が喋り出した。



「なんと俺もSクラスだぞ!ソウ!」



「はいはい、そうですかー」



やはり軽くあしらう。

すると、龍二は試験会場の隅で縮こまりいじけ始めた。



「チクソウ…。目から心の汗が流れ落ちそうだぜ…」



何か惨めに思えてきたので、龍二に救いの手を差し伸べる事にした。



「泣くな龍二。お前がSクラスだと言うことくらいハナから分かってたからよ」



その満面の笑みとかな?



「ソウ…。俺を其処まで信頼してくれていたのか。我が親友よ!」



勘違いして、俺に飛び付こうとしてくる龍二。



「ドラァァァ!」



「グペッ!?」



とりあえず、顔面を拳で殴り付けることにした。



「酷い!俺の顔がもっと酷くなっちまうよ!」



「心配するな。お前の顔にもうこれ以上悪くなる余地はない」



「え!?俺そんな救いようが無いくらいに惨めな顔してんの!?」



そう言って、俺の顔を見てきたので、目をそらしといた。

コレは、無言の肯定ととれなくもないな…。



「うわぁぁぁぁぁん!」



龍二はソレを肯定と取り、泣きながら走っていった。



「やり過ぎた?」



「流石にアレはやりすぎだよ、颯くん……」



この後俺と零那は、何とか龍二の機嫌を取り戻し、家へと帰っていった…。









キャラの説明って要りますかね?


感想とか書いてもらえると有難いッス。

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