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夕暮れの坂道  作者: kagari
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タイトル未定2025/12/21 05:35

 翌日野村を送り出した由美子は、今日からしばらくの間留守にする為食材のストックをいくつも作った。

 料理が済むと、部屋の掃除を始める。部屋の中は片付いているが、念を入れて掃除をした。

 掃除が済むと電話帳を見ながら、由美子の母親の妹の叔母のますみの家に電話をかけた。

「おはようございます。由美子です」

「あら由美ちゃん、おはよう。久しぶりね。どうしたの?」

「今日から、ますみ叔母さんの家に泊めていただきたいのですが。突然で、すみません」

「あら、うちは大歓迎よ。でも、何かあったの?」

「いえ、ちょっとそちらに行きたくなって」

「そう。何時頃来れそう?」

「そうですね。昼過ぎには」

「わかった。まってるわ。気をつけてね」

「はい。ありがとうございます!」

 由美子は、電話を切ると軽くため息をついた。自分でも知らないうちに、緊張をしていた。

 再び受話器をあげ、由美子は母親の久美(ひさみ)に電話をかけた。

「もしもし、お母さん?」

「由美子?」

「今日これから、ますみ叔母さんのとこに行って泊めてもらうの。ますみ叔母さんの了解は得てるわ」

「ますみのとこに?どうして?」

「うん、ちょっとね」

 言葉を濁す由美子を、母親は敢えて追及しなかった。

「泊りで行くなら、おみやげを買って行くのよ」

「わかってる」

 早々に由美子は電話を切り、クローゼットから衣装ケースを出し。白いワンピースと、麦藁帽子を出した。

 白いワンピースは、あの日着ていたワンピースとできるだけ同じ物に再現しようと、わざわざ五軒もの洋服屋をはしごして買った。

 白いワンピースに着替え、麦藁帽子をかぶった由美子は鏡台の前に立った。

「完璧!」

 鏡に映った自分の姿に微笑み、昨夜用意した籐で出来た大きなカバンとハンドバッグを持ち、狭い玄関の前に立って白いパンプスを履いた。

 勢いよくドアを開け鍵をかけた由美子は、少女のように元気よく歩きだした。


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