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10.悪女ムーブも悪くない


 現状、違和感の塊になった林檎。

 問題はそこではない。彼女はいまやそこにあるいわば絶対に動かすことのできないオブジェクトだ。

 こんな時の為に『くすり』は用意してある。しかし、彼女の口に放り込んで体に浸透するのに必要な時間は、三分程度。

 幸い、今日は少しだけ口が開いているので、前回のように時間をかけて少しずつという訳ではない。

 しかし、どうして突然症状が悪化したのだろうか。

 原因を探さなければ試合中に二回どころか何度も発作が起こる可能性がある。

 目の前に転がるボールを拾ったクラスメイトが外野に放るその球は先ほどと同じように外野に届くことはなく相手ボールになる。

 変だ。

 相手は動くことのない林檎の頭上を笑って狙う。

 どうして頭上ばかり狙うのだ?

 私は、林檎がやったように頭で弾く。

 

 

 生暖かい液体が私の顔を濡らす。しかし、大体察しがついてきた。

硬い。しかも、全体的ではなく、一部だけかなり硬い。

相手は私の出血に戸惑っている。

私は性格が悪い。ボールを拾いライン際までふらふらと歩き倒れる。

ボールは重心が中心にないような感じだ。緩急をつけながら横に転がる。



どうだろうか。時間稼ぎには素晴らしい演技ではないだろうか。

相手チームも私に近寄る。林檎の不自然な姿よりも私に視線が向いている。

一石二鳥である。

「やばいんじゃない?」

「ボールだけ変えないと。」

 ボールに細工している確証が得られた。後は……


 相手が隙を見て交換したボールは私の横に現れる。手で弾き後ろへ転がす。

 試合は止まっていないことに気がついているだろうか。

 『いま』この瞬間の相手チームは隙だらけなのだから。

 私がクラスメイトによって私はコートの横に運ばれる。

 復帰は林檎のジャンピングスローが終わってからでいいか。



 無敵って。知っているだろうか。敵が無いんだ。私の不死身とはわけが違う。

 一度だけなら奇跡のように見えるだろう。彼女に敵対するものは彼女によって否定される。

 ボールは先ほどの比ではないほどに、変化し、十数人存在する敵チームすべてを当てた。

 流石にやり過ぎではあるが私の無事が確認された時にまたあのボールが出てきたら困るからこれでいいだろう。

 さて、フィールドに立つすべての人の目線を集める彼女に声を掛けるべく私は立ち上がる。

こんな展開もあり??

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