5.知らないお店ってわくわくしませんか?
帰り道、駅前で確か昨年の秋にオープンしたはずのサイゼリ〇と呼ばれる、若者の間では人気と言われているお店の前を通った。
「ここ、前は服屋だったよね、全然ジャンルが違っていても、店舗として入ることができるんだね。」
「前と言っても、何年も経過しているわけだから改装工事とかできたんじゃないかな。」
言われてみれば、服屋だった店舗をいきなり、火も水も扱うようなお店が入ることは少し不思議である。
「なか、覗いていく?」
林檎は心の中を読んだかのような質問をくれる。
「少し気になるかも。でも、夕ご飯って大丈夫なの?」
「もう家に帰れているし、食事制限を行ったところでって話になったから、今はたまにじゃなくても毎日たくさん食べられる。」
「そうなんだ。でも、毎日となると太っちゃうかも。」
私たちの体って太るのか?という疑問がはたまた私の頭の中を埋め尽くす。
「何考えているのか想像つくよ・・・」
「増えて減るならばいいけど、もしかしたら私たち減らない可能性秘めているよね。」
「ああああ・・・」
林檎と二人で頭を抱えた所で、
ぐーとなるのは私のお腹だ。
「すべてあの店からの香ばしい香りのせいだよ。」
「じゃあ。太らない程度に食べよう。」
「さっきかなり動いたから大丈夫です~。」
「みかんよ、あなたは一体、どっちなんだ。」
全部茶番であるわけだが、林檎との久しぶりの外食にテンションが上がってしまったのかもしれない。
体型が変われることなどないのだが、今なら変わる気がした。
互いに注文した鶏肉のグリル、イカ墨パスタの、それぞれのセットに、ポテト、デザートのチョコケーキ、パフェを前に、
「これは、流石に食べ過ぎ。」
「林檎が注文したんだから残しちゃだめだよ。」
「追加でパフェ!って言ったのはみかん!」
「ふはあ~~。」
「みかんよ、その誤魔化し方は意味わかんないよ。」
声に出して笑う。昔の私はこんなお茶らけができただろうか。林檎ウイルス的なのが私を侵食しているのか?
心は変わる。私にもきっと普通でいられる場所はある。安心感で箸がどんどん進むのだ。
「ちょい。私のチョコケーキまで手をだすんじゃあないぞ。」
「分かっているよ。」
ふん。そう私は鼻を鳴らすのだ。




