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24些細な違和感

本来はご飯を食べながら周囲の人にもそれとなく、困った事がないか聞く予定だったのだが……

お店が繁盛しすぎて、回転が早い早い……

食べ終わったら、あっという間に追い出されてしまった。


「全然ゆっくりできなかったわ……」


やっぱり思ったより思い通りには行かないものである。

気持ちも切り替えて、周辺の人に色々聞いてわまることにした。

――――――――――――


「………お父様すごすぎるわ……」

本当にびっくりするぐらい問題がない。みんなしあわせそうで、お父様に感謝される。冒険者ギルドも商業ギルドとにも行ったが、皆不満はないようだった。

貧民街にも行ってみたが、そこまで酷いものではなかった。皆領からの支援で、住むところがあり仕事もある様子。日雇いの人は安定した職につけない事に不満を漏らしていたが、仕事がない期間は領地から少しばかりの補助金があるらしく食べるものにも困ってない様子。衣食住の食と住は保証があり、あと仕事を少しすれば衣も賄えれる物価の安さ。


(日本よりも社会福祉が整いすぎて、不正受給が心配になるレベルだわ……)


「……まぁ、普通の事を普通にしてたら、大丈夫ってことかなぁ……」

エドウィンもポリポリ頬をかきながら、ちょっとがっかりしていた。

「まぁ、あとは別荘に行って帳簿をみて、脱税してないか……横領はないか……とか事務的な作業をしてみるくらいしかないかなぁ………」

「ここまで福祉制度を整えてるお父様が、不正を見過ごす気がしないのだけど……」

「同感」

エドウィンと意見があう。


領地の問題をエサにお父様と会うのは難しいかもしれない……また別の方法を考えなければ……そう考えていた時だった。


「………すまない…少し気になることがあるのだが…」

アルド殿下が口をひらく。

「……なにか?」

エドウィンがやや高圧的に聞き返す。王族に対して怖くないのだろうか……そろそろ不敬罪で首が飛ばないか心配になる。


「今日ずっと子供と会っていないのだが……」

「??」

「ここまで福祉制度が充実しているんだ。人が多く集まっているのにも関わらず、子供の姿がまったくみえない。貧民街にしてもそうだ。普通働けない子供が野宿している様子もない。子供たちはどこにいるのだ。」


私達はハッとする。確かにどこに行っても子供の姿が見えない。

道でたまたますれ違う事もない。確かに不自然だ。


道ゆく人をぐるりと見渡す。年齢層はまだらな印象を受けたし、男女比も半々くらい。のにも関わらず、その中に0〜15歳くらいの子供の姿がまるでないのだ。


「確かに……」

若い人達に声をかけて回る。多くは出稼ぎで来ているような人。最近引っ越してきた人が多い。


「子供たちは学校じゃないかな……?」

1人の女性が教えてくれた。

確かにここまで福祉制度が整っているなら、学校があってもおかしくはない。だが……

「赤ちゃんも学校……?」

腑に落ちない部分がどうしても発生する。

「予定にはなかったが、学校も視察しに行ってみるか……何かわかるかもしれねぇ……」






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