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夢の中の雨

作者: 檸檬

久しぶりに降った夕べの雨は



とても激しく降って



耳から頭に響いて



身体全体が雨の中にいるような

浅い夢をみた



実際には雨に打たれていたのは

あの人だった



わたしはちっとも濡れないで



あたたかな羽毛にくるまれて



眠っている



あの人が雨に濡れながら歌ってる



何故あの人が傷付いているの



あんなに優しい人が



あんなに優しい歌が



何故 傷ついているの



わたしはちっとも濡れないで

羽毛にくるまれて眠っている



その羽毛は夕焼け色で



ほんのり悲しいけれど



しあわせ色の夢をみせてくれるんだ



いつもどんなときも



嵐のときでも



あの人の歌は実際は優しいんだ



わたしはわたしだけは



それを知っている



仮面を被りある役者は



魂から演じる



もはや仮面はないほどに



人々はそれを観て一喜一憂、

賛否両論を白熱させる



舞台裏の稽古をわたしは少しだけ知っている



わたしは悔しい 涙がでるほど



けれどこれでいいんだって



あなたが笑うから



雨の中、ピエロみたいに



傷ついたピエロみたい



悔しさの深さが優しいメロディーにのる



生牡蠣のように弱な心でも



こんな優しい歌が歌える



それは私の明日への子守唄



雨上がりの空に



たんぽぽの綿毛が飛んでいく



そっと笑おう



痛みを消すように



久しぶりに降った夕べの雨は



とても激しく降って



耳から頭に響いて



身体全体が雨の中にいるような

浅い夢をみた



実際には雨に打たれていたのは

あの人だった



わたしはちっとも濡れないで



あたたかな羽毛にくるまれて



いつのまにか眠っていた












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― 新着の感想 ―
[一言]  心をいくら痛めていても、渦中にはいない自分をうしろめたくおもってしまうことはありますね。  自分まで濡れても、そのひとを救えるわけではないですが。
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