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月夜譚 【No.101~No.200】

謎の男 【月夜譚No.188】

作者: 夏月七葉

 不意に放たれた魔力は強力で、何もすることができなかった。彼はただ突っ立ったまま、魔力の波が通り過ぎていくまでじっと耐えるしかなかった。

 そうして気がついた時には、周囲の景色は様変わりしていた。

 青々としていた木々は枯れ果て、茶に染まった葉を風に揺らす。丈夫だったはずの石造りの家屋は崩れ落ちて、廃屋と化していた。

 ほんの一瞬の出来事だ。それなのに、自分が別の場所に移動してしまったかのように、見えるものが先ほどとは違い過ぎていた。自分が今ここに立っていることすら、不思議なくらいだ。

 彼は瞠った瞳をそのまま、正面に立つ男の方へと向けた。

 男はまるで何事もなかったかのように、そこにすっと立っている。視線は中空を捉え、何を見ているのか判らない。

 男が一体何者なのか、彼は知らない。しかし、あの魔力を放ったのはこの男であるということは確かだ。

 彼の蟀谷を冷汗が流れる。気持ち悪いほどに鳥肌が立った腕は、身体の横に垂らしたまま動けない。

 このままでいたら、きっとあの男に殺される。

 自分の唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。

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