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第90話 チンピラ編③ 勇者VSチンピラ 再々戦

チンピラ相手にイキろうとする勇者キャラは書いてて楽しいですねw

「三人同時でもい〜ぞ〜?

 さあ来い、チンピラ共。

 今日こそ俺はお前達に勝つ!!」


「「「・・・。」」」





今まで様々なチンピラに泣かされてきた勇者は、今日こそ奴らにリベンジするんだと決意する。

・・・彼の異様なテンションにチンピラ共、すっかり戸惑っちゃってるけど。


「ねえねえ、王女様〜。

 ど〜してチンピラさんに喧嘩で勝つと、カッコい〜の〜?」


「いや、別にカッコ良くなんかないって。

 けどハーレム要員なら、チンピラと喧嘩したがる転移勇者を大袈裟に褒め称えないとダメよ。

 だってそれがお仕事だもの。」


「そ〜なんだ〜?

 よくわかんな〜い。」


「心底、くっだらない仕事ね〜・・・。」


例の本によるとね。

転移勇者は『絡んできたチンピラを圧倒的な力でねじ伏せるのが大好き』なの。

更に『転移勇者がチンピラに勝った後は大袈裟に褒め称え、更に良い気分にさせるべき』とも書いてあったわ。


見た限り、あのチンピラ共は1VS1なら私でも勝てると思う。

3人がかりでも、ヒーツなら1人で叩きのめせるはずよ。

だから勇者なら不殺の剣だけでも、負ける可能性は限りなく0に近いでしょう。


・・・私個人としては、弱い者いじめを褒め称えるなんて、あんまり気が進まないけどさ。

でもまあ、人としては好ましくなくても、可哀想な立場の転移勇者にこの程度の接待は必要かしら?

ど〜せ、人死にや重傷者が出る事もないしね。


ってな訳でお仕事、お仕事。


「キャー(≧∇≦)ー。

 3人ものチンピラに勇ましく挑む勇者様、とってもカッコい〜です〜。

 ステキーーーー!!!!」


「え〜っと・・・。

 キャー?

 チンピラさんよりも強いご主人様、カッコい〜??」


私とクロが精一杯、勇者に声援を送るも、何故か彼は肩をガクっとさせた。

あれ?

その後、勇者は不殺の剣を納め、無表情のまま、私の前に立つと・・・。


「だ〜〜か〜〜ら〜〜王女!!!!

 その嘘臭く褒めちぎるの、いい加減に辞めてよ!!


 おちょくってるんでしょ?

 絶対俺の事、おちょくってるんでしょ!?」


「わーーーー!!??

 お許しください、勇者様。

 どうか両手で肩を思いっ切り揺さぶるのはおやめくださ〜い!!!!」


頭が揺れて、酔う。酔っちゃう!!


勇者ってば、私の褒め方が気に入らなかったり、誤魔化そうとするのに勘付いたらさぁ。

たまにこ〜やって肩を思いっ切り揺さぶって、いじめてくるの・・・。

(ノд-。)クスン。


・・・もちろん、殴られたり蹴られたりするよりははるかにマシだけどね。

勇者から殴る・蹴るの暴行を受けた事なんて、一度もないけど。


「大体、嘘臭いだなんて、そんなの誤解です!!

 私はチンピラに勇ましく喧嘩を挑める殿方の事、とっても素敵だって思ってますよ♪」


「またそ〜やって、下手糞な嘘を付く!!」


何もそこまで言い切らなくても・・・。

確かに彼の言う通り、嘘なんだけど。


「なんなんだよ、この茶番。」


「・・・さあ?」


私達のやり取りにチンピラったら、すっかり気が削がれてるわね。


「もうテンイったら・・・。

 ど〜でもい〜から、さっさと終わらせてきなさい。

 グズグズしてると、日が暮れちゃうでしょ?」


「ちょっ!?

 エミリー!!

 これでも俺、あのチンピラ共から君達を庇ってるんだよ?」


「あ〜・・・。

 テンイが喧嘩に負けたら、あいつらの女になれって戯言?


 あなた、あんな言い分を真に受けてたの?

 仮に本気だったとしても、私達が大人しく従うと思ったの??」


「そ・・・それは。

 ・・・その。」


この様子だと、今回の勇者は私達の心配なんか全くしてなかったよ〜ね。

正しい判断だけど。


「まったくもう。

 テンイさん、売られた喧嘩を無闇に買うのは止めて下さい。

 こっちとしてはいい迷惑なんですよ!!


 あなた達も毎度毎度、くだらないトラブルばかり起こさないでちょうだい。

 クリンの実の採取クエストはど〜したんですか?」


あらま。

受付が怒っちゃった。


「そ、そ〜だな。」


「なんかやる気、無くなっちゃったしさぁ。」


「今日の所は勘弁してやるよ。」


「えっ!?

 ちょっ、まっ!!」


既に戦意喪失していたチンピラ共も、受付に怒られたのを機に去って行く。

・・・彼らも私達と同じクエスト、受注してたみたい。


「へ〜・・・。

 ギルドの受付が冒険者同士の喧嘩を止めるなんて、珍し〜わね〜。

 いつもは面倒がって、見て見ぬ振りするのに。」


そう言えば、冒険者ギルドって多少の喧嘩くらいなら静観するって聞いたわ。

血の気の多い人だらけで、一々仲裁するのも大変だからって理由で。


「軽く注意すれば、止まりそうでしたからね。

 彼らも周りに迷惑ばかり掛けますが、悪党って程でもないですし。」


そんな気はしてたけど。

まあ本当にど〜しようもない悪党に、冒険者ギルドのチンピラ役は続けられないわ。

つまみ出されてより落ちぶれるか、牢屋に入れられるか・・・そんな未来しかないもの。


・・・って、あらら?

勇者??

姿を見せないけど、トイレにでも行ったのかしら。





「・・・せっかく、チンピラ共にリベンジするチャンスだったのに。

 ・・・チャンスだったのに!!

 ・・・ぶつぶつ。」





あ。

彼、ギルドの隅っこで体育座りしながら、落ち込んでるんですけど。

なんか怖いわ・・・。


でもハーレム要員として、早く勇者を元気付けなければ。


「そ、そんなに落ち込まないで下さいよ。

 勇者様・・・。

 ほら、チンピラと喧嘩して勝つよりも、剣術大会にでも参加して優勝する方が、よっぽどカッコ良いですって♪」


強い所を見せてアピールする手段としては、そっちの方が真っ当なんだけどね〜・・・。

ど〜も転移勇者には、最初の強さアピールは絶対にチンピラいじめ!! って美学があるみたい。

大会なんかによる強さアピールは、その次か、その次の次くらいまで取っておくようなの。


「えっ!?

 剣術大会!??

 それはそれですっげー出てみたいんだけど。」


「タイミングが合えば、出てもい〜んじゃない?

 大きな町なんかで、時々開かれてるわよ。

 結果残せば、賞金や景品も貰えるしね。」


「出る、出る!!」


勇者ったらチンピラの事なんて、もうど〜でも良くなったみたい。


「随分、立ち直るのが早いですね〜・・・。」


「勇者はすぐに落ち込むけど、立ち直るのも早いから。」


調子が良い性格とも言う。

けどそういう性格の方が人生、逞しくやっていけるのかもね。


「でもまあ、今は早くクリンの実の採取に行きましょうよ。」


「あっ!?

 すっかり忘れてた。

 日が暮れる前に早く出発しよっか。」


「わ〜い。

 クリンの実、楽しみ〜〜♪」


こ〜してチンピラとの騒動(?)も収まり、私達はクリンの実集めに出発した。





「・・・彼ら。

 ほんと〜にここ最近、噂になってる転移勇者一行なのかしら?

 ちっともそ〜は見えないわ・・・。」


「「「「「「「「同感。」」」」」」」」


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