表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

85/211

第83話 不殺の剣編⑤ 小さな村の老人

久しぶりに以前の話を見返したら、あんまりにもあれだなぁ・・・と思う部分が多々あったので、結構修正を加えました(特に第34話以前)。

物語の本筋自体は特に変えていないので、ご了承頂けたらと思いますw

細かくは後書きの方に記載します。

私達は不殺の剣を手に入れる為、とある小さな村へ入ったの。





「・・・・・・。

 人が全然いないなぁ。」


「そうですね・・・。」





勇者の言う通り、人が全然見当たらなかったけど。

でも村そのものは特に荒れてないのよね。


「・・・あっ!?

 あっちの方に一人、誰かいるみたい。」


「『索敵』で感知したんだね。

 とりあえず行ってみよっか。」


クロが案内する方へ歩いていると、剣を携えた眼光鋭いお爺さんを見つけたわ。

後ろの建物は剣術の道場みたいね。

じゃああのお爺さんは剣術師範なのかしら?


「なんじゃ、お主らは・・・。

 火事場泥棒か?」


「違うわよ。

 ・・・失礼なおじ~さんねぇ。」


「まあ、なんでも良いわい。

 死にたくなければ、早くこの村から立ち去るのじゃ。

 もうわし以外の住民はとっくに逃げとる。」


死にたくなければ・・・?

・・・。

・・・ま、まさか!?


「クロ!!

 近くに危険なモンスターがいないか、調べてくれない!?」


「わかった~。

 ・・・・・・。

 ・・・あっ!?」


「何かいるのかい!?」


「遠くからちょっとだけ、とっても強そうなモンスターの気配がするの~!!

 集中しないと、わからなかった~・・・。」


やっぱり!!


「強そうなモンスターですって!??」


「きっとこの村の近くで、ドラゴンのような危険なモンスターが発見されたのよ!!

 だから村人が全然いなかったんだわ。」


この世界には『ドラゴン注意報』のようにね。

特別危険なモンスターを見かけた時は、周りに注意を促す文化があるの。

その後の対応パターンはいくつかあるけど、もしかして・・・。


「・・・もしかして、おじ~さん。

 生贄にでもされたの?」


「違うわい。」


違うんだ。

少し安心したわ。

世の中には人を生贄にするような、ロクでもない人もいるからね。


「けど一体、どんなモンスターが発見されたんですか?」


「ワイバーンじゃ。

 坊主よ。」


「「「ワイバーン!!??」」」


ワイバーンって・・・。


「?~。

 ワイバーンって、どんなモンスターなの~?」


「飛竜とも言われている、空を飛ぶのがとっても得意なドラゴンの事よ。

 普通のドラゴンよりもパワーは弱いけど、すっごくすばしっこいの。

 小さな村や町くらいなら、あっと言う間に滅ぼしちゃうでしょうね。」


「!!??

 ・・・こわ~い。」


それでも単体なら、野良ドラゴンやヒドラよりも少し弱いと言われているわ。

まあ、並の人間じゃ到底敵わない事には変わりないから、どっちもどっちだけどね。

それどころかすばしっこい分、ワイバーンの方をより危険視する人達も少なくないの。


「で、それを知っていながら、ど~しておじ~さんは逃げないの?

 言っちゃ悪いけど、ワイバーンはあなた一人で勝てるような相手じゃないわ。」


少し失礼だけど、聖女の言う通りね。

一人でワイバーンを倒そうと思ったら、最低でもランク3以上の魔法かスキルは使えないと。

けど、目の前のお爺さんがそこまでの使い手かと言われたら・・・。


「それくらい、わかっとるわい。

 じゃが、わしにも剣士としての誇りがある。

 どうして魔物が自分の村を滅ぼすのを、見過ごせようか。

 せめて一矢報いるくらい、やってやるわ!!」


「そんな無茶な・・・。」


「・・・・・・。」


気持ちは分からなくもないけど、ほとんど自殺と変わらないじゃない。


「まっ、おじ~さんみたいなノリで死地に挑む人もいなくはないわよ。

 ・・・私にはちっとも理解出来ない感情だけど~?

 喜んで無駄死にしたがるとか、バカでしょ。」


「ちょっとエミリー!?

 言い方・・・。」


聖女ったら、少し切なそうな感じで毒を吐いたわね~。

昔、似たようなケースに出くわした事でもあったのかしら?

彼女はああ見えて、相当ヘビーな人生を歩んでるようだしね。


「なんとでも言うが良い。

 それよりこんなおいぼれと、いつまでもお喋りしとる場合か?

 早く逃げんと、お主らもワイバーンの餌食になるぞ??」


あっ、そうだったわ。

クロの言い方から察するに、まだ村から離れた場所にいるようだけど。

けどだからって、ゆっくりしすぎるのもマズいわね。


「特に坊主よ、お主も剣士じゃろう?

 同じ剣の道を行く者として、若い芽をこんな所で潰させるわけにもいかぬ。」


「お爺さん・・・。」


「・・・じゃが剣の道、か。

 どれだけ剣の腕を磨こうが、それで何になるんじゃろうな。

 所詮、自分の居場所1つさえ、守れぬのにの。」


お爺さん・・・。

なんて悲しそうな表情なのかしら。


「おっと、すまぬな。

 ただの年寄りの愚痴じゃ。

 ほれ、早くこの村から立ち去るが良い。」


う、う~ん・・・。

本当にこのまま、この村から立ち去るべきなのかしら?


「・・・・・・。」


多分、勇者は『お爺さんのためにも、ワイバーンから村を守りたい』なんて思ってるんでしょうね。

勇者なら、ワイバーンを倒すくらいは容易いでしょうから。


でも、私の使命は勇者を元の世界へ無事、帰すこと。

だからなるべく、彼を危険から遠ざけるべきよ。

だけど・・・う~ん・・・。


「・・・。

 あ?

 (。-∀-)ニヤリ」



ん"?


「ど~したの~?

 聖女様~??」


私が悩んでいると、聖女がやたらと悪そうな表情をしているのが見えたわ。

な、何を企んでるのかしら?


「ね~え、おじいさ~ん♪

 あなたって、あの道場の剣術師範~?

 だったら、不殺の剣の一本や二本くらい、持ってるんじゃな~い??」


「なぬ?

 不殺の剣じゃと!?

 ・・・確かに何本か持っとるが。」


「だったらぁ。

 不殺の剣を譲ってくれたらぁ。

 私達の力でワイバーンをど~にかしてあ・げ・る♪」


こら、聖女!?


「アホか、お主ら・・・。

 やれるものなら、やってみろ。

 本当にワイバーンをどうにか出来たら、不殺の剣くらい、何本でも譲ってやるわ!!」


聖女の言葉を全く信じず、投げやりに答えるお爺さん。


「やったぁ。

 じゃ、そ~いう事だからよ・ろ・し・く。

 テンイ♪」


「こらっ、聖女!!

 あなたったら、相談もせずに勝手に決めて・・・。」


「あら、い~じゃない。

 王女、あんたもど~せワイバーンくらい、テンイなら余裕で勝てると思ってるでしょ?

 万一があるかもだから、口を閉ざしてるだけで。」


「・・・そ、それは。」


完璧に心を読まれてるわ。


「それにテンイだって、ど~せおじ~さんのために戦いたいとか考えてそ~だもの。

 だったらついでに不殺の剣を報酬として頂きましょうよ。

 その方が一石二鳥でお得よ♪」


「聖女様。

 頭、いい~♪」


その頭の良さは見習って良いものかしら?


「そうだね。

 ・・・俺も同じ剣士として、お爺さんを放っておけないからさ。

 だから戦うよ!!」


「仕方ないですね・・・。」


勇者ならよっぽどの事がない限り、ワイバーンに負けたりはしないでしょう。

ワイバーンよりも強い、ドラゴンやヒドラを倒した事だってあるもの。

お爺さんや村を見捨てるのも可哀想だし、勇者が望むならまあいっか。


「これっ、お主ら!?

 ・・・バカな事を言うでない。

 いつまでもふざけとらんで、とっとと逃げん・・・。」


「あっ!??

 強そうなモンスターの気配がどんどん近づいて来る!!

 もしかして、ワイバーン!?」


えっ!?





「キシャアアアアアアアア!!!!!!!!」





クロの声に導かれるまま、空を見上げて見ると・・・。

そこには一体のワイバーンが飛び交っていたの!!


それなりに大きな変更箇所について


●『転移勇者との付き合い方 ~ハーレム編~』について、いくらか修正を加えました。

主に第3、12、23、24、32、33、40、54、79話で修正を加えています。

・・・さすがに内容がちょっと支離滅裂かなー、と感じたので、本としての方向性をある程度ながら定めましたw

いくらネタアイテムとは言え、主要メンバーに影響を与えているのも確かなので。


なお、いくら王女でも彼女なりの良心や倫理観に反する記述に関しては、肯定しません。

逆に言えば良心や倫理観に反しない限り、本の内容を肯定する傾向にありますw


●第22話より、回復魔法が使える条件を若干、緩和しました。

修正前の書き方だと、まるでエミリーが世界有数の善人みたいで不自然だよなー・・・とw

なお、彼女の性格は『やさぐれてるけど、根はそれなりに善良』程度で、天使のように心が美しい人間とかじゃないですww


●第26話で「スキル」と表記されている箇所を「技術」に変更しました。

特別なパワーで発動する訳でもないのに「ナデポ」を「スキル」扱いしており、紛らわしかったためw


●第75話と第25話で矛盾が発生したため、第25話の方を修正しました。

第75話時点では、クロがハーレムの意味を知らない事にしました。

その関係で、第25話でクロにハーレムの意味を説明している箇所を削除しました。


●他にも細かい部分をコソコソ修正していますw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂き、ありがとうございました。

少しでも「続きが気になる!」「面白い!」と思って頂けたら、評価★★★★★と、ブックマークを頂ければと思います。

どうぞよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ