第77話 ドジっ子編③ ドジっ子の危機
Side 〜クロ〜
あたし、クロ。
皆で薬草採取のクエストに行ったら、憧れのドジっ子さんに出会えたの~♪
だけどドジっ子さんを放っておくのは危険だから、村まで連れて帰る事になったんだ~。
********
「ふぇっ!?」
「だ、大丈夫かい?
おぶってあげようか?」
「いえ、あの・・・平気ですぅ。
(*ノωノ)キャー。」
ドジっ子さん、コケてご主人様の気を引いてる!?
ほんと~だったんだ~・・・。
「ドジっ子さんがコケたら、男の人のハートを鷲掴みに出来るってのはほんと~だったんだ~!!
王女様の言った通りだ~。
すご~い♪」
「ふぇ!?
私、そんなつもりじゃ・・・。
(((( ;゜д゜))))アワワワワ。」
「まああの子、結構可愛いからねぇ。
やっぱり男の子って、あ~いう子に弱いのかしら?」
あれでプロのドジっ子じゃないなんて、信じられな~い。
「こらぁ!!
クロ、そんな風に人を疑っちゃダメだよ・・・。」
「疑う~?
あたし、褒めてるんだけどなぁ。」
『ドジっ子』って褒め言葉じゃないの~?
「・・・はぁ、ゴメンよ。
クロは少し教育に問題あってね。
変な事ばかり言うんだ。」
「ど~して私の方を見ながら話すのです?
勇者様。」
「ほとんどあんたのせいだからでしょ。」
何が変なの?
よくわかんな~い・・・。
「けどとっても良い子なんだよ。
だから許してくれないかな?」
「・・・大丈夫ですぅ。
私、ドジだって言われるのには慣れてますからぁ。
けどクロちゃんみたいな反応は初めてで・・・。」
「そりゃドジっ子を尊敬するような変な子、クロくらいしかいないからねぇ。」
そ~なの~?
おかし~な~。
ドジっ子って、とっても凄い女の子なのにさっ。
だって・・・。
?・・・。
・・・・・・!!!!
「ご主人様、皆!!
モンスターがいるよ!!
あっちにも、こっちにも!!」
それも知らない気配ばかりだ~~~~!!
「なんだって!?」
「ふぇっ?
ど~してそんな事がわかるの~??」
「クロには『索敵』の特性があるからよ。」
どうしよう?
後ろから凄いスピードで何かが近づいて来るよ~・・・。
「「「ワオォオオオオオオオオンンンンンンンン!!!!」」」
「フォレストウルフ!?」
「ふぇええええええええ!!!!????」
3体の狼さん!?
なんて狂暴そうなんだろう。
「初めて見るモンスターだけど、強いの?」
「・・・ゴブリンやコボルトよりは。
ですが勇者様なら落ち着いて戦えば、剣技だけで倒せるはずです。」
「わかった・・・。
やってみるよ!!」
でも王女様の言う通り、ヒドラよりはずっと弱そうだし、大丈夫だよね?
「数が多いので私も援護します。
聖女、クロとその子を守ってあげてね。」
「任せなさい。
あなた達、私から離れちゃダメよ。」
「うんっ!!」
「・・・あわわわ。」
あたしも皆の役に立ちたいなぁ。
だけど弱いあたしじゃ、モンスターは倒せない。
だからせめて、皆の邪魔にならないよう大人しくしないとっ。
「ロック!!」
「キャウン!??」
王女様が魔法で大きな岩を飛ばして、狼さんをやっつけちゃった。
『ロック』かぁ・・・。
あんな魔法、初めて見たな~。
「はぁああああああああ!!!!」
「ギャウォン!??」
そしてご主人様の剣が狼さんを斬り伏せたの。
ご主人様、実は『チート能力』を使わなくてもかなり強いんだよ。
しかも王女様も聖女様も『自信を持てば、もっと強くなる』って話してたんだ~。
やっぱりご主人様、おっちょこちょいで泣き虫だけど凄い人なんだね。
これで残る狼さんはあと1体・・・。
「グルル・・・アオーーーーン!!!!」
「ふぇっ!?
ひぃいいいい・・・。」
けど狼さん。
いきなりあたし達の方に向かって来たの!!
・・・ちょっぴり怖いけど、でも大丈夫。
「シールド!!」
「ワウッ!?」
聖女様なら狼さんの攻撃くらい、簡単に防いじゃうから。
だから怯えなくても聖女様の近くにいれば、平気だもん。
「あっ、あっ、あっ・・・。」
あれっ?
ドジっ子さん、どうしたの??
お顔、真っ青だよ。
「ふぇええええええええ!!!!????」
ドジっ子さん!?
ダメだよ、聖女様から離れちゃ!!
「こら、ちょっと!!
待ち・・・ふべっ!?」
追い掛けようとした聖女様がコケた!?
ドジっ子さんのドジがうつっちゃったの~?
早くドジっ子さんを・・・って、あっ!!
「ドジっ子さん、そっち行っちゃダメ・・・。
モンスターがいるの!!」
「ふぇっ!?
どこ?
どこにモンスターがいるの~??」
・・・木がたくさんあってわかんない。
けど確かにドジっ子さんのすぐ側からモンスターの気配がするの。
モンスターはどこ!?
「!!!!!!!!」
木が動いた!?
「トレント!?」
トレント?
あたしの感じたモンスターの気配、あの動く木だったんだ・・・。
「!!!!!!!!」
「あ、ああああ・・・。」
トレント、ドジっ子さんを狙ってる。
聖女様もコケちゃったせいですぐにはフォロー出来ない。
--------
「そりゃまあ、冒険者なんて1回のドジが命取りになりかねないからねぇ。
本当にドジな子なら、生き残れないでしょ。」
--------
ど、どうしよう?
聖女様達、言ってた。
ドジっ子さん、お得意のドジのせいで死んじゃう事も多いって。
「・・・こ、来ないでぇ。」
「!!!!!!!!」
このままだとドジっ子さん、トレントに殺されちゃう!!




