表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/211

第69話 婚約破棄編⑬ 貴族Aのリベンジ

ミロは婚約破棄した人間を不幸にする『ハキ』の力の持ち主だった。

もしもそれが周りにバレてしまっては、彼女は誰からも拒絶されてしまう!!


そう危惧していた矢先・・・。





「お嬢様・・・。」


「サーラ・・・。」





なんとサーラが茂みに隠れていたのだ。


「サーラ!?

 どうしてこんな所に・・・。

 会場で人目も憚らず、青春の暴走に励んでたんじゃないの?」


「青春の暴走言うなぁ!!

 ・・・会場にいた人間共から言われたのだ。

 ウジウジ悩んでないで、男なら真正面からぶつかって行け、とな。」


随分と男らしいアドバイスを受けたものねぇ。


「いつもならお子様以外、私を恐れ、近寄ろうとすらしないのだが・・・。

 今日は誰一人とて、私を怖がろうとしないのだ。

 どうしてだろうな。」


「いくら魔族でも、あんな醜態見せたら、怖がる気も失せるって。」


そんな事で魔族への偏見が解けるとは、ね。

怪我の功名かもしれないけど、なんとも情けない話だわ。


「って、そんな事はどうでも良いのよ!!

 サーラ、あなた。

 今の話、聞いてた・・・の?」


「いえいえ、聞いてないです!!

 私は何も知りません!!

 つい先ほど、ここへ来たばかりです!!」


「嘘よ!!

 クロ。

 あなたならいつからサーラがいたか、わかってるでしょ!?」


「・・・え~っと。

 その、う~んっと。

 あの~・・・。」


・・・サーラもクロも誤魔化すのが下手ねぇ。

最初から聞いてましたって、言ってるようなものじゃない。


「で、でも良かったじゃない。

 バレたのがサーラで・・・。」


「そうよ、そうよ!!

 サーラならバレた所で言いふらしたりなんかしないわよ♪」


「その通りです!!

 お嬢様・・・。」


サーラったら、やっぱり全部聞いていたのね。

でもサーラが主人の秘密をバラすとは、とても思えないわ。


ならば・・・。





「全然良くないわよ!!

 ・・・最悪よ。」





ど、どうして!?


「なんでさ?

 サーラが君の秘密をバラすとは思えないよ。」


「確かにサーラなら秘密をバラさないかもしれない。

 ・・・けれど、私は『ハキ』よ。

 裏切り者を不幸にする魔女よ・・・。


 いくらサーラでも怯え、忌み嫌うに決まってるわ。

 もう今まで通りの関係には戻れない!!」


そ、それは・・・。


「でもそんなの、当たり前よね。

 他人を不幸にする魔女になんて、誰だって関わりたくないもの。


 サーラは私が信頼出来る、数少ない相手だったのに・・・!!

 けど・・・もう彼は・・・。」


・・・ミロ。





「お嬢様!!

 偶然とは言え、あなたの秘密を聞いてしまい、大変申し訳ありませんでした。


 ・・・しかしこれだけは言わせてください。

 私はあなたの事を・・・。」


「きゃっ!?

 ・・・来る。

 モンスターさん、来る!!」





!??


サーラがミロに向かって何か伝えようとした最中、クロが大声で警告を上げる。


「何っ!?

 しかしこれまでこの屋敷にモンスターがやって来た事など・・・。」


「来るの。

 よくわかんない場所からやって来るの!!」


なんだかんだでクロの索敵能力は決して軽視出来ないわ。

けれど『よくわかんない場所からやって来る』ってのは、どういう意味かしら?





「うわぁああああああああ!!!!????

 なんだ、これはああああああああ!!!!????」





悲鳴!?


「クロ!!

 モンスターがどこにいるか、教えて!!」


「う~んっと、ね。

 あっち~。」


「!!!!」


クロが指差すと同時にミロが走り出す。

魔物がいるであろう方へ向かって。


「あっ!?

 危険です!!

 お嬢様・・・!!」


慌てて後を追いかけるサーラ。


「俺達も行こう!!」



********



「な、なんなの・・・。

 この化物は。」


「大丈夫ですか!?

 お嬢様!!」


クロが示した方へ向かうと、なんと石の体を持つ大きな人形が地面を唸らせていた。


「あれはストーンゴーレム。

 石で出来た動く人形よ!!」


ストーンゴーレムは人の何倍もの大きさを誇るわ。

鈍重ではあるものの、その巨体から繰り出されるパワーは並の人間などあっさりと打ち砕く。


・・・だけど。


「でもストーンゴーレムは人工的に作られたモンスターなの。

 奴を作った何者かが近くにいるはずよ!!」


「な、なんだって~!?

 卑劣な悪党め・・・。

 隠れてないで出て来い!!」


そんな風に言った所で、姿を現すとは・・・。





「な~にが悪党だ?

 バカなガキめ・・・。

 真の巨悪が誰か、わからないのか!?」





・・・現した!?

それにこの声は!!


「カジリ!?」


「貴様ぁ!!」


ストーンゴーレムの後ろから逆恨み男、カジリが現れた。

つまりあのストーンゴーレムは彼が?


・・・いや。

カジリにそんな芸当が出来るとは思えない。

出来るなら前出会った時にやっていたでしょうから。


「ミロ・・・。

 俺はお前の息の根を止めるため、有り金ぜ~んぶ使って、最強の魔術師を雇ったのだ。

 ・・・全てはいたずらに不幸をまき散らす魔女を殺すため。」


「そ・・・そんな!!

 私のせいでカジリは財産を失・・・。」


「れ~せいになりなさい、ミロ。

 カジリに関しては完全に彼の自業自得だから。

 一切、気にする必要はないわ。」


まあねぇ。

金貨1000枚も貰っておきながら、仕返しに逆恨みし、無駄遣いしただけだもの・・・。

彼が財産を失ったのも、呪いが原因と言うより、ただの自滅でしょう。


「黙れぃ!!

 ストーンゴーレムよ・・・。

 早くミロに正義の鉄槌を下すのだ!!」


「ガアアアアアアアア!!!!!!!!」


仮初の命を持つ石人形がミロの方へと歩みを進めた。

が。


「舐めるなぁああああああああ!!!!!!!!」


サーラがストーンゴーレムに向かって全力で拳をぶつけ、粉々に打ち砕く!!


「う、嘘だろ・・・?

 ストーンゴーレムをあれほどあっさりと・・・!!」


「あんな大きなゴーレムを魔法もスキルも無しで・・・。

 サーラ、凄いや。」


珍妙な所ばかり見ていたせいで失念していたけど、さすが魔族ね。

並の人間とは比較にならない力を秘めているわ。


「カジリよ。

 性懲りもせずに何度も何度もお嬢様を狙いやがって・・・。

 もう許さん・・・覚悟しろ!!」


「ひ、ひぃいいいい・・・。」


魔族から本気で睨まれ、カジリは立ち上がる事も出来ない。

彼の命運もここまでかしら?





「その程度で良い気になるなよ?

 魔族風情が!!」


「誰だ!?」





ストーンゴーレムがいた所から少し後ろの物陰より、陰気な若者が姿を現した。

あの男がカジリの雇った最強の魔術師?


「小手調べとは言え、ストーンゴーレムを倒した事は褒めてやるよ。

 けどな。

 いくら魔族とは言え、こいつを倒せるかなぁ?」


そう言いながら、魔術師が新たなモンスターを作り出す。





「いでよ、我が最強の下僕よ。

 サード・ゴールドゴーレム・サモン!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂き、ありがとうございました。

少しでも「続きが気になる!」「面白い!」と思って頂けたら、評価★★★★★と、ブックマークを頂ければと思います。

どうぞよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ