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第31話 お勉強編④ チンピラへのリベンジ

チュウオウ国を目指して、旅を続ける転移勇者とそのハーレム達。

その最中、小さな町を見かけたため、一息入れるべく立ち寄った。



********



「え~っと・・・。

 宿屋はどこにあるのかしら?」


宿屋くらいなら、ほとんどの町や村にある。

とは言え、知らない場所で目的の施設を探すのも案外、手間取るのよねぇ。





「きゃ~~!!

 誰か助けて~~~~!!!!」





!??


「!!!!

 ・・・女の子が助けを求めてる!?」


悲鳴を聞くや否や、声のした方向へと勇者は走り出した!!

ちょっと!?


「何があったのかしら?」


「聖女、クロ!!

 私達も早く追いかけましょう。

 (勇者一人にさせると何をしでかすかわからないから)心配だわ・・・。」


「わかった~。」


勇者が走り出した方へと向かう事、しばし・・・。



「なんだよ、連れねえなぁ。

 ちょっとくらい、俺達に付き合ってくれよ~。」


「こ、来ないでください。

 ・・・これ以上近づくと、お役人を呼びますよ!!」



路地裏で一人の女の子が、如何にもなチンピラ三人に絡まれているのを見かけた。

あら。

結構、可愛い娘ね。


これが噂の『嫌がる女の子を強引にナンパしようとしているチンピラ達』って奴かしら?


「止めるんだ、お前達!!

 その娘は嫌がってるじゃないか・・・。」


「ああっ!?

 ・・・なんだ、てめぇ。」


「邪魔すんじゃねぇよ!!

 ぶっ殺されてぇのか!?」


随分とガラが悪いわね。

けどまあ、幼気な女の子を魔物の餌にするような連中と比べたら、それほど悪人って感じがしないわ。


「な~んだ。

 ただのナンパじゃない。

 やけに大きな悲鳴だったから、何事かと思ったわ。」


「・・・強引に迫るのは、あんまり好ましくないけどね。

 でも無関係な私達が強引に止めるほどかしら?」


女の子の方も余裕ありそうだし。


「ん・・・おおおおおおおお!!!!

 あそこにいる姉ちゃん達、すっげぇ可愛いじゃん!!」


「あのイケメン野郎の連れかぁ?

 なぁなぁ、そこの姉ちゃん達よぅ。

 そんなナンパ師みたいな男とつるんでないで、俺達と付き合ってくれよ~。」


・・・さすがに今、絡んでいる女の子を無視して私達を誘うのは如何なものかと。

心無しかあの女の子、私達を睨んでいるような感じがするしさぁ。

チンピラ達を睨みなさいよ・・・。


「この人達、もしかして山賊!?

 助けて、ご主人様・・・。

 あたし、もう攫われたくない!!」


確かに人相は山賊並に悪いけど、山賊は路地裏で呑気に女の子をナンパしたりしないと思うわ。

・・・有無を言わさず誘拐しそう。


「おい、待てよ。

 このクソガキ!!

 誰が山賊だ!?」


「きゃあ!?」


「そうよ、クロ。

 この人達は山賊じゃないから安心なさい。

 ・・・そこまでの悪党には見えないもの。」


傍迷惑な人達には違いないけど。


「クロ!?

 こんな小さな女の子を怖がらせるなんて、許せない!!」


「カッコつけてんじゃねぇ!!

 このヒーロー気取りのクソガキがぁ・・・。

 どうやら痛い目に合いたいらしいなぁ、おお?」


そして拳を鳴らしながら、勇者を睨みつける三人のチンピラ。

だ、大丈夫なのかしら?


いや・・・見る限り、私や聖女が一人で戦っても余裕で勝てる程度の強さでしょう。

勇者もチート能力を使わずとも、彼らに勝つくらいは容易いはず。

・・・ビビりさえしなければ。


この前もチンピラに絡まれて怯え切った挙句、力を暴発させて、大騒動になってたからねぇ。

このまま勇者を戦わせるのはとっても不安だわ。


「ゆ、勇者様・・・。

 あの程度の相手、あなたの手を煩わせるまでもありません!!

 私一人で十分ですわ。」


例の本によるとこう言う風に言えば、転移勇者はハーレム達に事を任せようとする事が多い。

と、ある。

現に私一人でも十分な相手だし、勇者の暴走を防ぐためにもここは・・・。


「・・・ありがとう。

 王女。

 だけど、大丈夫だよ。」


「そんな・・・。

 私は勇者様が(力を暴走させないか)心配なのです!!」


「・・・王女、あんた。

 絶対、違う意味で心配してるでしょ?」


こら、聖女!!

余計な茶々を入れないで。


「あはは、心配しなくても平気さ。

 俺はヒドラとの戦いで強くなったんだ・・・。

 だからもう二度とあんなチンピラ達に怯えたりなんかしない!!」


「はっ、何がヒドラとの戦いだ?

 嘘付くんじゃねぇ、この見掛け倒し野郎が!!」


勇者ったら、前にチンピラ達に半べそかかされた事が相当悔しかったみたいね。

気持ちはわからなくもないけど・・・。


そして勇者はチンピラ達を睨みつつ、剣を引き抜いた!!

って、ちょっと!?


「・・・お前。

 剣を抜くとか正気かぁ!?」


「さすがに殺す気は無かったんだがなぁ・・・。

 だがお前がそのつもりなら、俺達も容赦しない!!

 ・・・死んでも恨むんじゃねえぞ。」


剣を引き抜いた勇者を見、チンピラ達もそれぞれに武器を構える。

護身用かしら?

それとも実はこのチンピラ達、冒険者か傭兵くずれ?


「勇者様!!

 さすがに剣を抜くのはちょっと・・・。」


いくら何でもナンパを止める程度で剣を抜くのはやり過ぎよ!!


「・・・安心して、王女。

 すぐに終わらせるから。」


『安心して』って、言われても・・・。

私から目を離した勇者は神経を集中させ、スキルを発動させる。



ゑ?

スキルの発動!?


・・・まさか!!





「行くぞ・・・。

 巨大化!!」





巨大化!?


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