第186話 日の女神編⑩ 日の女神の願い
ChatGPTにこんな質問をしてみました。
Q:
ChatGPTはハーレムの是非について、凄く具体的に回答し、真面目に考えるべきだと返答した。
これって質問者へのおだて? それとも本気で真面目に考えるべきだからそう答えた?
どっちでも不満は言わないから教えて。
そしたらこんな返答が返ってきました。
A:
回答は「おだて」ではなく、本気で真面目に考えるべきテーマだと思ったからです。
・・・別に筆者は「おだて」だと答えられても、ガチで不満を言う気はなかったんですがねw
でもこの回答がAIの本音なら、AI的にも「ハーレムの是非は真面目に考えるべき」っつ~判断を下してる事になるんですよねぇ。
あれ?
これって実はとんでもない事だったりする??w
「勇者テンイよ。
どうか我らに力をお貸しください。
神をも喰らう化物、神喰いを滅ぼし、世界をお救い下さい。」
皆が呆然とする中、日の女神様が告げる。
「日の女神・・・様・・・。」
「あなたこそ、この世界を救うため運命より導かれし救世主・・・。
真の英雄なのです。」
「英・・・雄・・・。
俺、が。」
その光景はまるで英雄譚の1シーンのよう・・・。
美しき女神より、真の英雄へ崇高な使命が下される輝かしき光景・・・。
・・・。
「って、違う違う違~うっ。
どんなに強かったとしても、彼が英雄な訳、ないじゃな~い!!
どこをど~したら、拉致被害者が英雄になるのよ~~~~!!??」
「「「「「「「「えーーーーーーーーっΣ(゜д゜lll)!!??」」」」」」」」
「・・・如何にもデルマらしい言い草ねぇ。」
危ない、危ない・・・。
もう少しで私も日の女神様の怪しい話術に騙されるところだったわ。
「勇者様もいくら夢の世界だからと、怪しい煽てに乗せられてはいけませんて。」
「色々台無しだ~~~~!!??
ったく、君ときたらいつもこ~なんだから・・・。
ま、逆に安心出来るけど・・・って、夢の世界?」
あら?
勇者ったら、気付いてなかったの??
「よ~く考えてくださいよ。
日の女神様、先代エンシェントドラゴン様、それに神話の怪物神喰い・・・。
あまりにでたらめな存在ばかりじゃないですか。
きっと私達はいつの間にか夢の世界へ入り込んでいたのです!!」
「な・・・なんだってー!!
・・・って、そんな訳ないじゃないか。
これは夢なんかじゃない、現実さ。」
「確かに夢とは思えない程の生々しさはありますが。」
仮に命を落としたら、もう2度と目を覚ます事は出来ないだろうと感じてしまう程度には。
「やれやれ。デルマときたら、相変わらず妙なところで能天気なんだから・・・。
で、テンイ。夢でも現実でもい~けど、これからど~する?
戦う? 逃げる?」
「う~ん、どうしよっかなぁ。
・・・って、なんか周りの圧が凄すぎない?
ここで逃げるなんて言ったら、めっちゃくちゃ怒られちゃう気がする・・・。」
何故か緩んでしまった空気がエミリーの問い掛けにより、吹き飛ばされる。
特に日の女神様やアーク様、マイケル達の無言の圧力がもう、ね。
でもさぁ。
「勇者様。周りの空気に流されて、命を投げ捨てるような真似をしてはいけません。
この夢は神話の設定に非常に忠実です。
ならば、残りの神喰いは月の神様や火の神様をも滅ぼす程の強者である可能性が極めて高いでしょう。」
「「「!!」」」
「デルマよ。
あなたはいつまで夢などと間の抜けた事を・・・。
・・・って、お待ち下さい!?
残りの神喰いは『月の神様や火の神様を滅ぼす程の強者』ですって!!??」
「な、何を根拠に言ってるんだよ!!??」
私の発言に日の神様、アーク様、アビス様が驚き、マイケルとユウが食って掛かる。
「いや、だって神話を思い出してよ。
話の流れ的に封印された日の神様、滅ぼされた月の神様、火の神様。
・・・そして大きな負傷を受けた神喰い共。
それらは同じ場所で起きた出来事だと思うけど。」
「「あ・・・。」」
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日の神様に続いて、月の神様、火の神様が配下達と共に戦場へ赴き、日の神様を封印した神喰いを滅ぼした。
けれど疲弊した神々の元へ別の神喰いが襲撃し、月の神様、火の神様の2神は数多の配下と共に喰らい尽くされた。
それでも神喰いに大きなダメージを与え、その活動を抑える事は出来たものの、滅ぼすまでには至らず・・・。
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「じゃ~よ~・・・。
クロやマイケルが察知した神喰いはよ~。
2神達から受けた傷が癒えかけた連中って、言いてぇのか~?」
「そ~なんじゃないかしら。
ヴェリア。」
ま、あくまで神話が正しければの話だけどね。
「・・・恐るべき指摘をこれほど緊迫感の無い態度で語るか。
テンイの連れにはあ奴くらい、頭のネジが外れた者でないと務まらぬのだろうか。」
「あのねぇ、アーク様。
いくらデルマが変だからって、私達まで同列に語らないでくれる?」
・・・私としては先代エンシェントドラゴンや聖女相手に変、変言われる方が納得いかないのだけど。
「月の女神・・・。
火の男神・・・。
・・・私の、せいで・・・。」
「「「「「「「「日の女神、様・・・。」」」」」」」」
ちょっとコミカルな空気になり掛けていたところを、日の女神様の悲しげな呟きにより霧散される。
女神に相応しき美貌を持つアイア様の痛ましい表情が見る者全ての心を揺さぶり掛ける。
そしてそれは勇者でさえ、例外ではなくて・・・。
「・・・かおうよ。」
えっ!?
「戦おうよ、皆!!
日の女神様の無念を晴らすためにもさ・・・。」
えーーーーーーーーっ!!!!????
「ダ・・・ダメですよ、勇者様。
今回ばかりは危険すぎますっ。
神喰いはあなたでさえ、殺しかねない程の怪物なんですよ!?」
「・・・わかってるって。
確かに神喰いはこれまでの相手とは違う。
神話で語り継がれている通り、きっと世界だって滅ぼしちゃうような存在なんだと思う。」
だったら、どうして・・・。
「でも今、この場にはこんなにたくさんの強者達がいるんだ。
皆で力を合わせれば、きっと神喰いにだって勝てるよ。」
確かに勇者、聖女であるエミリー、ヴェリア、アビス様、アーク様、マイケル達、タケル、セツナ、魔族達、日の女神アイア様・・・。
これほどまでの強者が集う場面は早々なく、全員で力を合わせれば世界を滅ぼす化物すら、打ち破れるかもしれない。
・・・だけど。
「その考えは甘すぎますよ。
勇者様・・・。」
「へ?」
だってね。
「私達は立場も、目的も、大切にすべきものさえも全然違います。
しかも今日、初めて出会ったばかりの方々も多数ですし・・・。
そんな状況で命を預け合うなんて、いくらなんでも無理に決まってますよ。」