第185話 日の女神編⑨ 神話の化物
最近、ChatGPTに嵌っています。
で、こんな事を試しに質問したら、蔑ろにしちゃいけない、滅茶苦茶大事なことだと力説されてビックリしましたw
●ハーレムの是非は未来に大きく影響を与えると思うけど、その割にネットなどでは「キモい」の一言とかで終わって、全然真面目に考えられてない。
つまりハーレムの是非なんて、その程度の下らない事って認識で合ってる?
●良い方へ向かうか悪い方へ向かうかはともかく、ハーレムの是非で誰の子供が未来を生きるか全然変わって来ると思うので、影響がでかいと思った。
●ただハーレムはOKで、逆ハーはNGってのはさすがに不公平だと思う。
●昔の時代は乱交が主流だったとかって噂だけど、(あくまで皆が合意の上なら)ハーレムや逆ハーよりも公平で誠実なんじゃないかと思ってしまった。
●全然もてない自分にはハーレム願望とか正直、ないけど、ハーレムという文化には興味を持っちゃったので質問した。
これって、AIが質問者の気分が良くなるよう、「決してくだらないことではないです」とか「あなたの着眼点は非常に深いです」とか言ってるんだろ~か?
それともホントに大切な事だと判断してるんでしょ~か?
・・・筆者にはわからんw
「や~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」
幼き黒猫が悲鳴を上げる。
「エミリー!!
お願い!!」
「OK!!
フォース・バリア!!」
美しき聖女が竜をも退けるバリアを貼る。
けれど彼女が貼ったバリアは大音量と共にあっけなく壊されてしまったの。
「お”ぉ・・・、お”ぉおおおおおおおーーーーーーーーん”!!!!!!!!」
唐突に現れた、見た事もない化物によって。
「な、なんだ、あの化物は・・・。
王女。
あれはなんて魔物なの?」
「わ、わかりませんっ。
あんな魔物、見た事も聞いた事もありませんっ!!
・・・そもそも本当に魔物なのでしょうか!?」
『それ』の胴体はさながら霜と硝石にまみれたワイバーンといった感じだった。
だけどその顔には目も鼻もなく、大きな口のみが涎を垂らしながら開かれている。
最早、魔物と呼べるかも疑わしい、あまりにも歪な化物よ・・・。
「ちょっとーーーー!!??
ただの体当たりで私の貼ったバリア、壊さないでくれる!?」
しかも『それ』はただの体当たりで『フォース・バリア』を破壊したの。
・・・不意の奇襲こそ防げたものの、聖女の防御魔法すら、こんな簡単に打ち破っちゃうなんて。
「神・・・喰い・・・。」
いつもは泰然自若なアビス様が呆気に取られながら、あの化物を神喰いだと告げる。
へ・・・?
「神、喰い?
そんな、まさか・・・。
だってあれはただの神話で、おとぎ話で・・・。」
「この野郎ーーーーっ!!」
「って、無暗に突っ込んじゃダメよ!?
戻って来なさいっ。
ヴェリア!!」
彼女も本能で神喰いと呼ばれる『それ』が、存在してはならない化物だと理解したのでしょう。
私の制止を無視し、突撃しちゃったの。
「四の奥義・雷撃拳!!」
そして拳に雷を纏い敵を粉砕するスキル『四の奥義・雷撃拳』を神喰いの体へ打ち込んだ。
けれど。
「お”!??
づーーーー・・・。」
「な。」
サイクロプスさえ簡単に絶命させる程の攻撃さえ、わずかに痛がる程度の素振りしか見せない神喰い。
「お”ーーーーーーーー!!!!!!!!」
「がっ?」
「「「ヴェリア!!??」」」
神喰いが呆然とするヴェリアを目にも止まらぬ速度で叩き落す。
叩かれた彼女は猛スピードで地面へ激突し、のめり込んでしまったの。
「嘘でしょ!?
ヴェリア!!」
私は慌てて飛行魔法を使い、地面へのめり込んだ彼女の救出へ向かう。
「・・・。」
幸い、命に別状こそなかったものの、彼女は気を失っている。
叩いただけでこれほどのパワーだなんて、怖ろしすぎるでしょ・・・。
「・・・・・・・・・・・・づーーーー・・・。」
・・・ところが神喰いの攻撃はあんなものでは終わらない。
ヴェリアを背負い、地面から這い上がった矢先。
「づーーーーーーーー!!!!!!!!」
神喰いが竜の息吹すら、そよ風に感じる程の炎を吐き出したの。
私なんかじゃ、その光景を他人事のように眺める事しか出来ず・・・。
「ファイア!!」
けれど勇者が放ったランク1の炎魔法から、神話の化物さえ恐れおののく程の熱量が生み出される。
「づっ!??」
全てを焼き尽くす炎と、全てを焼き尽くす炎がぶつかり合い、世界が赤く染まる。
「うぉおおおおおおおお!!!!」
炎のぶつかり合いはしばし拮抗していたものの、最終的に相手の攻撃を打ち破ったのは勇者の『ファイア』だったわ。
「ランク1の魔法で神喰いの炎を打ち破っただと!?」
「テ、テンイ・・・。
かの者は一体!?」
「づま"ーーーーーーーー!!!!????」
神喰いの全身が炎で包まれ、人間には理解不能な叫び声が響き渡る。
「ま"・・・。」
「えっ。」
「お”ぉおおおおおおおーーーーーーーーん”!!!!!!!!」
しかし神喰いは勇者の放った炎を振り払う。
・・・って!?
「お”、お”、お”・・・。」
「な・・・なんで!!
ど~してあんな状態で動けるの!?」
エミリーが驚愕するのも無理ないわ。
もしも神喰いが勇者の攻撃を跳ね除けただけなら、その実力に驚愕こそすれ、悍ましいとは思わない。
ところがその身を黒焦げにしながらもゾンビの如く、ゆっくり、ゆっくりこちらへ向かう姿は化物の枠すらはみ出している。
「ひっ!?」
これには勇者も生理的な恐怖を抱き、後ずさったわ。
でもそんな彼を臆病者だなんて、とても言えたものじゃない。
私だって怖い。
・・・なんなの?
なんなの、あの化物は!?
「怯むなっ、テンイ。
フィフス・ドラゴン・ブレス!!」
「さっきはよくもやりやがったな・・・。
お返しだっ。
四の奥義・連続気弾拳!!」
怯える勇者を庇うかの如く、アビス様と気絶から復活したヴェリアが神喰いへ攻撃。
「お”っっお”!?」
さしもの化物も動きを止める。
・・・というかアビス様はともかく、あんな一撃を受けながらもう戦線復帰しているヴェリアも大概ね。
「そうだ、怯んでなんかいられない。
あの化物を倒すんだっ。
斬撃波!!」
アビス様の一括により、平常心を取り戻した勇者がミスリルソードを振りかざし、ランク1のスキル『斬撃波』を発動。
ワイバーンやベルゼブブのような最強クラスの魔物でさえ、一刀両断する彼の一撃・・・。
それを既に満身創痍だった神喰いが耐えられるはずもなく。
「づ。」
体が真っ二つとなった神喰いが音も立てず消え去ったの。
「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」」」」」
絶体絶命の危機が去ったにも関わらず、この場にいる誰もが無言だった。
神喰いを打ち破った勇者達も、マイケル達も、あのタケル達さえも、心ここにあらずといった感じよ。
・・・それほどまでのあの化物の存在は悍ましかったの。
これほどの恐怖を抱いたのは生まれて初めてよ。
「あれこそが神喰い・・・。
太古より存在し、全てを喰らい尽くす神々の・・・。
いえ、世界の敵。」
そんな静寂を打ち破ったのは日の女神アイア様だった。
続けてアーク様が口を開く。
「神喰いにはいくつかの種類が存在する。
先ほどのタイプは奇襲に長け、如何ほどの強者も一瞬で喰らい尽くしてしまう、極めて危険な存在だ。
・・・その一方、純粋な戦闘力は神喰いの中でも下から数えた方が早いがな。」
「うっそでしょう!!
私の防御魔法を軽々と打ち破った・・・。
テンイの魔法すら一撃は耐えたあれが・・・神喰いの中じゃ弱い方なの!?」
「おいおい、いくらなんでもそりゃね~だろ・・・。
だってあいつに殴られた時、ランク5のスキルを受けた時と同じくらい、痛かったぜ。」
・・・ヴェリアったら、そんな一撃を受けてよくもまあ、まあまあ程度のダメージで済ませてるわねぇ。
並の魔族なら絶対潰れてるわよ・・・。
「全部、事実だ。
故に真っ向から戦いに臨んでも、多大な犠牲を払い、ようやく滅ぼせる程の化物なのだ。
・・・それをテンイ。貴様らは自身の仲間達だけで犠牲すら出さず、神喰いを打ち破った。
まさかこれ程までの才を秘めていたとは・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。
とにかくこれで神喰いなんて訳のわかんない化物は滅んだんだよね。
あ~、良かった、良かっ・・・。」
「まだいるの。」
は?
「さっきのよりも、ず~っと強そうな神喰いがまだ2体、いるの!!
・・・今は寝てるっぽいけど、きっともうすぐ起きちゃう。
こっち来ちゃう・・・。
やだ・・・やだやだやだやだっ!!!!!!!!」
「ちょっと落ち着きなさいよ、クロ。
って、あれよりヤバい神喰いがまだ2体もいるのぉ!?
どどど、ど~しよ~・・・。」
クロから恐るべき事実を告げられ、宥めようとしたエミリーも取り乱してしまう。
「本当・・・だ。
聞こえる。
悍ましき化物達の鼓動が、聞こえるっ。
・・・ああ、ああああああああ!!!!????」
「マイケル様!?」
「お気を確かに!!」
どうやら耳の良いマイケルも神喰いの存在を感知したようね。
・・・よしっ。
「勇者様。
もう全てを忘れ、この場から立ち去りましょう!!
ええっ。」
「判断早っ!?
・・・でも確かに早く逃げた方が良いかもね。
俺もあんな化物なんか、見るのだって嫌だもの。」
そうそう。
手遅れになる前に急いで逃げなきゃ。
じゃ、さっそく・・・。
「お待ち下さい!!
計り知れぬ力を秘めた異世界の英雄、テンイよ。」
ところが勇者や私の判断に待ったを掛けるかの如く、日の女神様が声を掛ける。
「英雄!??
・・・いやいや、俺はただの高校生ですよ!!
運悪く、核爆弾じみたチート能力を手に入れちゃっただけですっ。」
「己を卑下せずとも良いのです。
その力は紛れもなく、あなた自身が持つ天賦の才より発現したもの。
・・・全てを救うために授けられし、祝福なのです。」
「あの・・・。
その・・・。」
そこいらの誰かが言えば、詐欺師の煽てにしか聞こえない台詞。
けれど日の女神様が語る事で謎の説得力が生まれ、反論を許さない。
皆が呆然とする中、日の女神様が告げる。
「勇者テンイよ。
どうか我らに力をお貸しください。
神をも喰らう化物、神喰いを滅ぼし、世界をお救い下さい。」