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第133話 過去編(王女)② 私は醜女?

雑談中、自分は醜女だと言うと、聖女から『謙遜の振りした嫌味?』な~んて返されたわ。

だからこう反論したの。



「けどさぁ・・・。

 姉上達から約10年ほど『身分の低い醜女』と言われ続けたからねー。」


「「「ええええっ!!??」」」



そうよ。

私は幼い頃からまるで挨拶のように『身分の低い醜女』と言われ続けていたの。


あれ?

事の始まりは『なんてみずぼらしい服装だこと。まるで身分の低い醜女のようね』だっけ?

小さな頃の記憶だから、あまりはっきりしてないわ。


そーいう訳で今更、醜女じゃないなんて言われてもさぁ。

全然、信じられないのよねー。


「なんでそんな風に言われ続けたの!?

 君の姉上達って、目が悪いの?

 それとも美的感覚が狂ってるの??」


「そんな事はないはずですが・・・。」


そこまで驚く事かしら?


「(いや。ただの虐めでしょ。)」


「(・・・なるほどねぇ。

  でも王女って、大人しく虐められるようなタイプかな?)」


「(そうねー。

  攻撃的じゃないとは言え、理不尽には全力で反抗するタイプだしねー。)」


「(?~。)」


勇者達ったら、何をコソコソと話してるのかしら?


「あんたの姉上ってさぁ。

 無駄に着飾りすぎてる、頭悪そーな連中の事でしょ?」


「あー、そーいやそんな感じの人、いたっけなぁ。」


「二人とも、酷い言い草ねぇ。」


無駄に着飾ってるのはその通りだけど。


「いくら姉上だからって、少しは反論しなさいよ。」


「んー・・・。初めて醜女だって言われた時は悲しかったけど。

 でも30分くらいで身分が低いのも、醜女なのも、生まれつきだからしょーがないって、開き直っちゃって。

 それからは挨拶くらいにしか思わなくなったわ。」


「あ、そう・・・。」


どーしてエミリーは呆れているのかしら?


「とは言え『身分の低い醜女』だと、政略結婚すらままならず、追い出されるかもしれないわ。

 それに仮に政略結婚が出来たとしても、救いようのない悪人だったら、立場を捨てて、逃げる事も考えなければいけない。

 だからそんな時に備えて、武術や魔法の修練には目一杯励んだの。」


ま、武術は嫌いじゃないし、魔法の修練も楽しかったから、苦にはならなかったっけ。

あと母上に連れられてゴブリン討伐や野外のサバイバルなんかに参加した事もあるわ。

ノマール王子曰く、王女としてはかなり珍しい経験のようね。


その一方、ダンスパーティなんかの社交場には片手で数える程しか行かなかったけれど。

姉上達が『恥晒しだから』なんて理由で、参加を止めようとするし、私自身も興味なかったもの。

母上もそんな私を悩ましそうに見ていたけど、強引に参加させるのも気が引けたのか、静観していたわ。


「話はわかったけどさぁ。

 君って、姉上以外からも『醜女』だなんて言われてたの?

 ・・・ちょっと信じられないなぁ。」


「姉上の派閥の方々からは、よく『醜女』だと言われましたね。

 ・・・しかし男性の方達からは、私が醜すぎるあまり、気を遣われたのでしょう。

 むしろ容姿を褒められる事ばかりで、申し訳なく感じたくらいです。」


「それって、ただの本音じゃない?」


いやいや・・・。

違うって。


「容姿を褒められる度に、姉上から警告を受けましたから。

 哀れに思われ、慰めているだけだと。勘違いするなと。

 そんな事を繰り返す内にそーいうものだと思うようになりましたね。」


「相変わらず君は妙なところで騙されやすいなぁ・・・。

 一度勘違いしたら、中々それに気付けないと言うか。」


「そ~だね~。」


「・・・まあ、一種の洗脳なのかもね~。

 約10年も『醜女だ』『褒められた? 勘違いするな』って、言われ続けちゃねぇ。

 私だって、自分を『醜女』と思い込んじゃうかも・・・。」


どーして3人共、困り顔で私を見つめてくるのかしら?


「しかし最近は姉上達から『醜女』だと言われなくなりました。

 と、言うより避けられるようになりましてね。」


「あらま。

 なんで?」


「とある日、姉上とその彼氏が大喧嘩したのよ。

 始めは他人事だからと放っておいたんだけど、その彼氏が刃物まで出しちゃって・・・。」


「怖いなっ!!」


確か姉上の浮気がバレたのが原因だったかしら。


「さすがに放っておくのはマズいと思い、姉上の彼氏を魔法で叩きのめしたの。

 そのおかげで大事には至らなかったんだけどね。

 以降、姉上達が私を怖がるようになっちゃって・・・。」


「まあ、そうなるよなぁ。」


「そーいや、あんたの姉上ってテンイに対してもやたらと怯えていたしねぇ。

 根本的に臆病者なんでしょ。」


エミリーの言う通りね。

私だって決して強い方じゃないけど、姉上達は私以上に弱いもの。


「あと1つ気になってたんだけど・・・。」


「何を?」


「デルマって、テンイから触られたり抱き着かれても、へーぜんとしてるわよねぇ。

 この前だって、彼が上半身裸になってる事については、それほど気にしてなかったし。

 仮にも王女だったら、もっと男性に対する免疫がないものでしょ。なんであんたは平気なの?」


「ちょっと!?

 俺の目の前でんな事、聞かないでよ!!

 こっちが恥ずかしくなるんだから・・・。」


ああ、それ?


「母上の教育の賜物ね。

 男性に対する免疫がなさすぎるのも良くないからって。」


「・・・教育って言われてもねぇ。

 いくら知識として学ぼうが、恥ずかしいものは恥ずかしいでしょ?」


いやー・・・。





「私、12歳になってからね。

 母上の命令で男の人達と同じ場所で入浴していたの。」


「なんだとーーーーーーーー!!!!????」


「えー・・・。」


「?~。」


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