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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

多分君の中にもう僕はいない

作者: 成瀬

晴れた空、舞い散る桜、等間隔に並んだ桜並木は世界の一部が絵の中にあるような美しさだった。



その中を僕は歩く。



去年ははしゃいでる僕やキミを横目に落ち着いて写真を撮る君がいたけど多分今年は…いやこれからもずっとそんな君を見ることは二度とないんだろう。



でも、脳裏に張り付いたふわりと笑う君の笑顔は今でも僕の胸を掻き立てる。




思わず嗚咽が漏れそうになった胸に僕は咳で誤魔化した。



春先の温かさはキミのような温かさをもっていて、思わずまどろみそうになった僕に起きろとでもいうように風がふわりと僕を包む。



温かい色彩のはずなのになぜだか胸の内は冷たいものが溢れてとどまることを知らない。



あの日、僕が…



いや、こんなことを考えても過去になんて戻れないのにね。



今思えば、さよならすら言わせてくれなかったね。




僕にはキミと過ごした日々が忘れられなくて時々これは幻だったんじゃないかって思う時がある。




でも、君がとってくれた写真に笑っている人を見ると嗚呼、これはちゃんと存在していた時間なんだ。とすとんと落ちる。



いくら時間がたっても温かさも優しさも思い出も何もかもが僕の胸を締め付ける。



いい加減あきらめろよ。



忘れろよ。



写真の中の三人ははじけるような一番幸せだという顔で僕を嘲る。



それはもう過去なんだと。



わかっている。わかってるんだ。




でも心が追いつかないんだ。



あの幸せな時間に僕はいない。



君たちはいない。



だから、()()()()()()()()()()()()




風が強く吹き、桜吹雪が舞う。


カシャリとフィルムに鮮やかな景色が映る。


「ねえ、涙でてるよ~」


「うん、なんか涙出てきちゃった」


「あの人らしいね。でも、さよならなんか言わせない。だって僕らは…。」



その言葉が続くことはない。



もう一度カメラを構える。



また強い風が吹いてカメラの向こう側に誰かが笑った気がした。






さらっと書いたので矛盾点や誤字・脱字あるかもしれません。

8/31はI LOVE YOU の日ということで恋愛ではないですが愛というテーマを書いてみました。

ここまでご覧いただきありがとうございます!

よければ評価のほうお願いします!!


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