自分らしきもの
月の夜をこめて 波打ちぎわ
水面に揺れる 自分らしきもの
その揺れ方はどこか侘しくて 刹那い
寄せて返す波に 手放す
世間の波にさらわれるように
月の夜を込めて 波打ち際
みなもに映る 自分らしさ 引き寄せて
疑いもなく映る 自分らしさ
この手に掴めぬなら
身を倒して 身を濡らして 口吻る
月影に誘われた 淡い蟹 じっと見守る
月の夜をこめて 波打ちぎわ
潮水で酔った蟹 前に進めない
月の夜をこめて 波打ちぎわ 裸足で往く
かけた貝殻に傷つけられながら 往く
月の夜をこめて 月の夜をこめて・・・
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