第二話 修行
気長に読んで行って下さい。
あれから場所が変わり、とある森で師匠と一緒に修行をしていた。
修行はまず『加速』を使いこなすこと。俺は『迅速』は愚か『加速』も真面に使えないのだ。
扱いが難しいだけだ。
そんな言い訳をしながら毎日欠かさず『加速』使い続け。
「や、やった~」
やっとの思いで『加速』を使いこなすことが出来た、ここまで来るのにかかった時間は二ヶ月ちょっと。
かなり長いこと『加速』だけに時間を取られた気もするが師匠からしたらまだ速い方だと言ってくれた。
お世辞だろうけど。
「次は、まぁ『加速』と『身体能力強化(上)』を使った状態を操れる様になることじゃな!」
『加速』と『身体能力強化(上)』を使いこなすまでまだ『迅速』はおわずけけの様だ。
『迅速』を使えれば他も使えるのではと師匠に質問したら怒られた。
「馬鹿者!!そんな楽して力を手に入れようとするな!修行を積み、忍耐を強くする!」
それからずっと師匠の理屈を聞かされ続け、どれもこれも師匠の理屈論過ぎるけどそれを実現させた人が前に居るから説得力はある。
師匠は嘗て世界最強の武道家かとも呼ばれた人で、その強さは一見の如し。硬く分厚くそれでいてデカイ石を拳一つで砕く力は凄い。
それがまた『スキル』無しと言うところもまた凄いと思い師匠の指導を真面目に受けている。
師匠は言ってくれた、「成長したら、お前の好きにすると良い」と、だから俺は師匠との修行や旅を終えたら教会に帰り、シスターや皆とまた一緒に暮らすと決めた。
いまの活力源はそれもある。もう一つはやはり師匠みたいな人になりたいと思い毎日修行を積んでいる。
食事は自給自足でやらねばならない、そこまで甘えるな!と師匠に怒られ最初は全然狩れなかったが最近やっと一角兎を狩れる様になりなんとか飢え死にはしなくて済む様にはなった。
だけど、狩った後も大変だった、血抜きから部分別けと、最初はグロ過ぎて吐いてばかりだったけどこっちも馴れてもう吐かなくなった。
「うっ、もう無理…………」
数時間ずっと『加速』と『身体能力強化(上)』を使い過ぎてもう体が限界のところまで来て辞めた。
地面に大の字で寝転がり、空を見上げる。
空はもう薄暗く、日も後少しで落ちそうなぐらいだ。
ここに来て早二ヶ月ちょい、皆はどうしてるかな。
心配にもなる、あんな強引に出てきて八つ当たりで教会が壊されてたりとつい考えてしまう。
そんなことは無いとは言えない、あの人を別の何かを見る目で見てくる奴らはもしかしたら変なことをするかもしれない。
そんなの俺が許さないと言いたいがあんな連中なら直ぐにでも片付けて見せれるが金で雇われた者だったり騎士団の奴が居るとそうも簡単には行かない。
「リース!!晩飯が出来たから来い!」
そう声がかかり大急ぎで師匠の下に行った。
もう一歩も動けなかった体は師匠の飯と思うと自然に動き椅子代わりの木に座りスープを取る。
師匠はあんなことは言っていたが優しい。俺が食材を取って来てそれを師匠が料理をする。
肉と野菜の味がしっかりしていてそれで居て濃厚な味。師匠のシチューはやはり旨い。
毎日食べていたいぐらいだが流石に飽きると思うのでそれはしないで欲しい。
疲れた体に染み渡るシチュー、ホッとする。
師匠も妙に大きい袖を縛っていた紐を肩から外してシチューを取る。
師匠はいつも白い道着を着ていて、邪魔だと思うぐらい袖は大きく、本人も邪魔と言ってる。
なら、取れば良いのにと思うが、本人いわく気に入ってるから取りたく無いんだとさ。
矛盾過ぎると思うが本人がそれで良いと言うなら何も言わない。
明日の朝飯の分のシチューだけ取って置き俺達は食べ終わると直ぐに寝に入った。
テントとかも無いのでそのまま野宿する、薄い布を羽織りこれにはもう馴れたので簡単に眠りにつける。
毎日更新予定♪
誤字や脱字が多いと思いますが、宜しくお願いします。