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第一話

気長に読んで行って下さい。

「師匠!!暴豚取って来ましたよ!」


川で焚き火をしながら待っている師匠。バール・アスティア。リースの師匠であり父親でもある。


白髪を後で縛り、老人にしては鍛え抜かれた肉体をしていて鍛練を欠かさずやっていると思わせる本当に鍛え抜かれた体。

顔も老け顔と言えば老けているがまだまだ若さがあるようにも見える。


「ほっほっほ、お前も成長したな」

「まだまだだよ、師匠にまだ勝てて無いしね」


俺は一日一回、師匠に手合わせして貰い、いつも負けている。


最初は負けててま仕方ないと思っていた、『スキル』が完全に使いこなせてない時だったから。

でも、『スキル』が使える様になってきても未だに師匠には勝てない。


師匠は元世界最強の武道家で、その腕は確かだ。俺は毎回目にさせられる、俺には『速さ』しか無いのに師匠はことごとく見破られ俺はいつも負けている。


そんな師匠との出会いは三年前、『スキル』を授けて貰える年、俺が十五歳となった日_____。



俺には親は居なく教会で育った。毎日が楽しいと言えば楽しかった。


俺は最年長で下の子達は俺を慕ってくれていた。教会のシスターも優しかった。俺にとって一番大切な場所で守りたい場所でもあった。


だけど、十五歳、成人を迎えた時にそれを奪われた。


奪われたと言っても教会が壊されたとか皆が殺されたとかでは無く。


「リース、今日から君はこちらの世界で生きるんだ」


『スキル』を授かり俺の『スキル』は『加速』に『身体能力強化(上)』二つ持ってるだけでも俺はおかしいと言われたが、もう一つだけ持ってる『スキル』のせいで俺は教会から無理矢理連れてこられた。


『EXスキル』。それが一番の原因で、『EXスキル 迅速』と言う『スキル』で、使った時は死ぬのかと思うぐらい速過ぎて操れなかった。


『迅速』は雷を纏い決して誰にも捉えることが出来ない速さになるとこの時は思っていた、師匠と会う時まで。


「えっと、あの、教会に帰らないといけないんですけど」


「もう君に、その必要は無いよ、あんな水簿らしい場所に帰る必要は無いよ」


その言葉にイラッと来るが周りには武装した騎士も居る多分、暴れたら何をされるか分からない。


目の前には貴族が着てそうな服を着た人が数人居る皆、笑顔だけどとても怖い。


その笑みは俺じゃないもの見てて、とても不気味が悪いと思えた。


帰りたい、ここじゃない何処かに行きたい。

それだけここはとても居心地が悪い、不気味な笑顔をしてる大人達が居る空間に居たくない。


「俺は、良いですから、教会に帰して下さい!」

「だから、君は…………ふっ」


何かを言おうとした大人はまたしても不気味な笑みをした。


「君がうるさいと、その教会はね?分かるでしょ?」


汚い。この時、初めて知った大人は汚いと。


俺がうるさかったり、逃げようとしたら多分教会に危害を加えると言うことだと思う。


教会にはシスターや皆が居る…………。


ここは大人しく従おう、俺のせいで皆を危険な目には合わせられない。


そう決心して俺は黙った。

「物分りの良い子だね、ふっ」


また不気味な笑顔をして、大人達は何かを話し出した。


聞こえないけど、分かる、俺を何処の養子に入れるかって話てるんだと思う、シスターから一回聞いたことがある『EXスキル』を持った平民は貴族様の所に行けるとか。


普通なら嬉しいことだろうけど、俺にはあの場所が良いんだ、親に捨てられここまで育ててくれたシスターが居て俺を本当の兄の様に慕ってくれた下の子達。


シスター・ナナ、ミョルン、カボル、アーシャ、サエ、トトス、皆のことを思い出すと涙が出てくる。


もう会えない、皆には会えないんだ。


と思って居たら、大人達がざわざわと騒ぎだしてこっちに歩いて来る人影があった。


鍛え抜かれた体をしてて、髪は老いて白髪になっているがまだ若さがある様にも見える。

「おい、小僧、名前はなんて言う?」「……………………リース」


もう俺は大人なんて信じたく無かった、何よりも大切な人達から突き離すこいつらは大嫌いだ。


「へ?」


まだ若さがある老人から耳打ちされた、「いまはワシに従え」と。誰がそんな言葉に従うかと思ったのに何故か希望を感じた。


この人に従えば何かあると、直感がそう言ってる。


「おい、貴様ら、こいつはワシが貰って行く」

「バール殿!?、それは横暴ですぞ!」

「知るか!!貴族なら誰でも良かろう、リース、ワシと来てくれるか?」


老人は手を差し伸ばして来た、少し戸惑ったけど俺はその手を握り立ち上がった。


「リース、ワシはバール・アスティアだ、今日からお前は、リース・アスティアと名乗ると良かろう」


後ろに居るぎゃあぎゃあうるさい貴族を無視して自己紹介を始めるバールと言う老人。


俺は少し顎を下げて頷いた。


この人は信じられる人だと俺は思った、あんな薄気味悪い不気味な笑顔をしてる大人達とは違い本当に清々しい笑顔をしていた。


そしてバールさんの強引さもあり、俺はバールさんのもとに行くこととなった。


「リース、まずお前の『スキル』を教えてくれんか?」

「『加速』と『身体能力強化(上)』と『迅速』です」


俺がそう言うとバールさんは顎に手を当て考えだした。


「ふむ、全て速くなる『スキル』か、また面白い『スキル』はがりだな!」


何が面白いのかは分からないがバールさんはガハハハ!と笑いだして、それを見てた俺からも少し笑いが出る。

「お!いま笑ったな、やっと子供らしい笑顔を見せたか!」

「あ、えっと、バールさんは何で俺を引き取ってくれたんですか?」


「まぁ気まぐれじゃな」


気まぐれだけで子供を引き取るって…………。


苦笑いしつつ、バールさん見る、笑顔をしてて、この人を見てると何か惹かれるものを感じる。


勿論、恋愛的な惹かれるでは無く、英雄を見てるみたいな雰囲気をバールさんはしてる。


「それと、ワシはお前さんの親じゃぞ?バールさんと他人行儀は辞めて、そうだな、父さんと言う柄でも無いし、師匠とでも呼んでおけ」


確かに見た目からはとてもお父さんと呼べるものは無く師匠の意味は良く分からないがそう呼んでおこう。


「さてと、リース行くぞ」


「え、何処に?」


師匠が地面に置いてあった布袋を持ちそれを肩にかけた。


「今からワシと森に行くぞ、そこで修行が終わったら今度は旅をするぞ」


修行、旅、直ぐには理解が出来ないけどこの人は信じられる人だ。


「はい!師匠!」

毎日更新予定♪


誤字や脱字が多いと思いますが、宜しくお願いします。

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