表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

秋の桜子詩集

手袋の日に寄せて 可愛い風の子

作者: 秋の桜子

 今晩は 何を 作ろうか


 チーズたっぷり グツグツグラタン お野菜たっぷり ぽかぽか豚汁 白い湯気立つあったか湯豆腐 おうどんいれて



 仕事終わりに スーパー寄って 夕暮の見上げる冬空


 どんよりどよよん 黒鼠色 はぁと白くため息 とぼとぼ坂道を登っていると


 後ろから おかえりなさい おかえりなさい おかーさーん!


 可愛い風の子 声かかる。澄んだ子供の声かかる。子供は 風の子 元気な子


 私は 一気に元気を取り戻す



 今晩は 何を 作ろうか


 チーズたっぷり グツグツグラタン お野菜たっぷり ぽかぽか豚汁 白い湯気立つあったか湯豆腐 おうどんいれて



 かかるきみの声に 振り向けば カタカタカタと 音たてる ランドセル


 背なで大きく揺らせつつ 手を振り 白い息をはずませて こちらに 駆けてくる。


 手にした 荷物のエコバッグ 地面におろすと 笑顔で 風の子迎える 準備する


 可愛い風の子 鼻の頭も ほっぺたも 冷たい冬の空気で まっかっか


 きらきら笑顔で 駆けてくる 一直線に 駆けてくる


 私は視線が合うように 少ししゃがんで 両腕広げ 風の子待つの



 今晩は 何を 作ろうか


 チーズたっぷり グツグツグラタン お野菜たっぷり ぽかぽか豚汁 白い湯気立つあったか湯豆腐 おうどんいれて



 冷たい冬の空気を身にまとい 飛び込んで来る 可愛い風の子 可愛い かわいい 私の子


 おかえりなさいと ぎゅうと抱き締め くすくす笑う


 きみが その身にまとってる 風の香りが ツンとくる。


 きみの冷たい 赤いほっぺた 手袋はずして両の手の内 包み込み やさしくおおう


 あったかーい ただいまー おかーさーん!


 ニコニコ笑顔の風の子 共に吐く息濃い白の夕 駆け足で訪れている 黄昏の時


 ひゅうと 音立て吹いてく凍り風 二人に早くお帰りと ささやき残す。



 今晩は 何を 作ろうか


 チーズたっぷり グツグツグラタン お野菜たっぷり ぽかぽか豚汁 白い湯気立つあったか湯豆腐 おうどんいれて



 さぁ 帰ろう 手袋はめて 差し出せば 笑顔の風の子 握ってくれる お手手つないで さあ帰ろう


 お互い モコモコ ふあふあ手袋 やさしいふくふく手をつなぐ


 ほらみて!ときみが突然 上を指す


 雪!ゆきー!あいてる手のひら空へと 向ける風の子 冷たい使者を 笑顔で迎える 元気な子。


 先の風 凍り風 雪起こす風 目覚めの風


 空をおおう どんよりどよよん 重い黒鼠色の雪雲が


 ちらり はらりと 白い花弁を 地上に向けて 散らしだす


 帰ったら まずは あったかココアを ふたあつ入れて 二人でゆっくり 暖まろうか



 それから それから 晩ごはんに取りかかろう



 今晩は何を作ろうか



 チーズたっぷり グツグツグラタン お野菜たっぷり ぽかぽか豚汁 白い湯気立つあったか湯豆腐 おうどんいれて



 カラスが かぁーと飛んで行く。お山のおうちに帰ってく。小鳥も ピチピチ帰ってく


 風の子親子も さぁ 帰えろう。お家に帰えろう。帰って こたつで 暖まろう


 ちらり はらりと白い花弁が 舞う中で 息を白にしながら きみが聞く


 クリスマスもふるかなぁ サンタさん 来るかなあ


 サンタさんの助手 少しドキドキ きみの願いを さりげに リサーチ


 我が家のサンタも 事あるごとに 密かに探る 風の子の 聖なる一夜のお願い事を



 今晩は 何を 作ろうか


 チーズたっぷり グツグツグラタン お野菜たっぷりぽかぽか豚汁 白い湯気立つあったか湯豆腐 おうどんいれて


 今晩夕食 風の子大好き チーズたっぷり グツグツグラタンに しようかな



 



 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ