騎士団へ その4
読みにくいかもしれません…!
軽い残酷描写があります。
長めです。
耳鳴りがする。キーンという音が脳内で響いている。
「どういうことか、説明してもらおうか。」
かすかに怒気を含んだ、堂々とした声が響く。
耳鳴りはまだ治っていないけれど、なぜか声は鮮明に聞こえる。
「アタシにバレないとでも思ったか?盟約を破っておいて。……一体誰の差し金だ?」
強く問い詰める女性に、男は苦しそうにしながらも答える。
「知ら、ねぇ…よ。ただ…」
「ただ?」
「フード、の男…が、金を払う、から、あの嬢…ちゃん、をさらえ…って、うまく、いけば…大金が、手に、はいる…と」
男の声は途切れ途切れで、息を吸い込む度に変な音がしている。
「ほう。そのフードの男、他には何か言っていなかったかい?」
「嬢ちゃん、の、来る…ばしょ、と、じかん…も」
「そのフードの男の特徴は?」
その瞬間、男の目に明らかな怯えが走った。
「お、おぼえ、て、ねぇ…よ」
ガンッ!女性が、男の顔の真横の壁に足を立てた。
「本当に?」
「……あい、つ、は、へい…みんじゃ、ねぇ…
それ、いじょ…う、は、い…えねぇ」
「お前は、もうじき死ぬのに、か?」
なあ?と女性は問う。
男が息を吸い込んだ。
ギンッー
男の首から血が噴き出す。
かすかに聞こえていた男の呼吸音も聞こえなくなった。
私の目の前で、人が死んだ。
私が初めて人の死を目にした瞬間だった。
ひくっと喉が鳴る。
男の首から流れ出た血が、床に血溜まりを作って、どんどん広がっていく。
ギンッー
また、音がした。
いつのまにか、黒い影が女性と沈黙した男の間に現れていた。
その影が女性に斬りつけている。
ギンッー
だが、その斬撃のどれもが弾き返されていく。
「ハッ、最初からそのつもりだったのか!だが…残念だったなあ!」
一閃。
女性が腰の剣を抜きざま、黒い影を斬り払った。
ボトッと音がして、黒い影の切り離された上半分…人の上半身が床に落ちた。
血は、流れなかった。
「…っ、土人形か!」
次の瞬間、私は驚きに目を見開いた。
「えっ…」
地面から、手が生えている。
その手が伸びてきて、私の首辺りで止まった。
私はなすすべもなく、その手に首をつかまれる。
「おい、やめろ!」
気付いて駆け寄ってきた女性が叫びながら、私の首をつかむ手を剣で必死に斬りつけている。
その斬撃は、水を切るが如くその手をすり抜けていく。
「剣を捨ててもらおうか。レディ?」
私の背後からそんな声が聞こえた。
ぞわりと背筋が寒くなる。
「この娘を、死なせたくないならね。」
そう言った瞬間、私の首をつかんでいる手に力が入った。
その手はゆっくり、しかし確実に強くなっていく力で、私の首を絞め始めた。
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