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プロローグ
初投稿です。温かい目で読んでくださると幸いです。
ああ、私は死ぬのですか?
まだ、何もできていないのに。
ーこの、血にまみれた世界でー
血が、流れて行く。血と一緒に、命が流れて行く。
私は頑張った。平民だと馬鹿にされながらも、あの方に褒めてもらいたかったから、頑張った。
あの方の心はもう、彼の方に奪われてしまったけれど。
神さま、一生のお願いです。
どうか、あの方に幸せを。
開いた口から血が溢れるが、それに構わず声を絞り出す。
ずっと、ずっと、ずっと、
「お慕い、申し上げています…!」
あの方の、
「幸せを、願っています…っ…!」
この声があの方に届くことはないけれど。
世界がこの願いを聞き届けてくれるのなら。
『……様に出会えて、私は本当に幸せでした。』
意識が、闇に飲み込まれて行くーー