第4話 初陣
私の左目は潰れていた。何が起こったかわからない。ましてや電子化した身体で起こっていることだからなおさらだ。ただ痛くはない。見た目はグロいけど。
通信で宮下長官が何かをごちゃごちゃ言っているがよくわからない。正確には頭に入ってこない。
「なんで、こうなったんだっけか?」
私は目の前に広がる無数のバグモジュールと戦いながらボソッと呟いた。
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数分間前
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私はいつも通り本部で訓練をしていた。
するとアラートが急になりだし、広瀬長官から召集命令がかかった。
「宮下。初陣だ。」
私はやっとこのつまんない訓練が終了すると思い少しウキウキしていた。
「場所は、中央病院、座標10.57.11.2地点だ。すぐさま電子化し、現場に急行せよ。」
「新人に一人に行かせていいのかよ。」
「他のメンバーにも救援要請はだしたが、現場に着くのにはすこし時間がかかる。なに、訓練で使用していたタイプのバグだから宮下一人でも大丈夫だと判断した。」
「りょーかい。そんじゃVBT起動!」
私は電子化し、ポイント10.57.11.2に急いだ。
ちなみに私の戦いはまだ全国ネットには中継されないらしい。公に公表するのには順序があるらしくその準備が、おわってないからだそうだ。
ポイントにつくと訓練で使用したデコイと同じタイプのバグがあった。
「とっとと終わらして帰ろ」
私はワクチン弾をバグに打ち込んだ。バグに命中して粉々になったところを見て背を向けた瞬間。
自分の足元が血だらけになっていた。
正確には血ではないが自分の体からデータとして血が流出して行く。
「なにこれ」
振り替えると砕け散った無数のバグに私は囲まれていた。
私はこの状況に恐怖を抱くよりも先にやり返したい感情で溢れた。
「宮下!戻れ!命令だ!」
長官がなんか言っているような気がするがまぁいい。なんでだろう昔からの癖なのかなやられるとやり返したくなる!
まずは一匹目。私の左目をエグったこいつから!
私はバグの目ので大きく跳躍し上から5,6発お見舞いし、蜂の巣にしてやった。
「次!」
そのあとは上下左右に散ったバグたちを何度も何度も打ちまくった。
「これじゃ効率が悪い」
私はそう思い手から銃を離した。
銃を扱うイメージをしろ、まるで魔法で操るように。すると銃は私の手に触れなくてもトリガーを引けるようになった。
「これで上下左右にいちいち手を振らなくても対応できる!」
しかし、突如体が動かなくなった。おそらく血を流しすぎたせいだろう。
力が入らない。もうだめか。
そう思った瞬間。私の目の前スカートにマントを着た少女が現れた。そうまるでアイドルのような。