第2話 欲には勝てないよ
一瞬で東京につくやら、なんとかニアの本部にいるやらで、私は混乱していた。
「早速だが、宮下には今日からハルモニア本部で生活してもらうこととなる。部屋も手配済みだから安心してくれ。」
目の前の幼女はこちらが混乱していることを御構い無しに話を進めて行く。
「ちょっと、まってよ!まだなんとかニアの一員になるとか言ってないし、そもそもなんで連れてこられたかもわからないんだけど!」
流れに流されまいと、私がそう質問すると広瀬長官は不機嫌そうに答えた。
「お前は、電子化の波長に耐えることができる人間で、国は電子化できる人を半強制的に集めてんの。以上。」
「なんのために、電子化してる人を集めてんのよ!」
「はぁ…サイバーテロ組織アキュゼと戦うためだ。そのためにVR世界に入れるような技術が生み出された。なんせ、パソコンでカタカタ攻撃を防ぐより直接入って迎撃したほうが数倍早いからな。」
なんとなく概要はわかったが、こちらに選ぶ権利がないのがなっとくいかない私であった。
「ああ、あと明日から宮下は公務員扱いだ。おまけに衣食住は半永久的に保証されるからな。」
衣食住が半永久的に保証される話を聞いて私は選ぶ権利とかどうでもよくなった。
「ハルモニアの一員として働かせていただきます!」