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裁縫メイド伝記  作者: 神無月 雪華
一章・メイドさんになりました編
9/14

AI(仮)が仲間(頭の中に)になりました

何か、夢を見ていた気がする。

ここは?

視界に映るのは、見知らぬ天井。

僕は今、ベットに寝ているのか。


「アリス!」


横から声がかかる。

声の方を向くとお嬢様が泣きそうな顔をしていた。


「良かった。目を覚ましたのね。」

「僕は・・・」

「シルバーウルフの爪の毒で気を失ってたのよ。」


まだ、はっきりと覚醒していない意識の中気を失う前の記憶を思い出す。


「貴方が倒れた後、ミーリアスと一緒に門まで連れて行って門番の兵に頼んで教会に運んでもらったの。そこで傷の治療と解毒をして貰ったあと家まで連れてきてベットに寝かせたわ。」


起き上がろうとしたけど、お嬢様に押さえつけられベットに戻される。


「貴方、分かってないだろうけど二日間ずっと寝てたのよ?一応安静にしておきなさい。」

「・・・二日間?」

「二日間。」


そんなに寝てたんですか、僕。


「取り敢えずサラにアリスが起きたこと伝えて来るわ。何か食べれそう?」

「空腹ですし、体調は大丈夫そうなのでお願いします。」

「胃に優しいものを頼んでおくわね。」


そう言うやいなやお嬢様は部屋を出ていく。


「・・・二日間か。」


寝ている間、なにか夢を見た気がする。

少しも思い出せないけど、大事な夢・・・のような気が。


「まぁ、いいか。」


そう呟いた瞬間


〘ええ、構いません。〙


そんな言葉が頭の中に響く。


「うわ!?」

〘落ち着いてください。主様(マイマスター)。〙


凄く落ち着いた・・・。


〘それは落ち着いていないです。〙


混乱するとネタに走るのが僕なんです。

と言うか思考にツッコミをくらったのですが。


〘そういう仕様ですから。〙


と言うかどなた様ですか?


〘自己紹介が遅れました。私は主様(マイマスター)の【失われた能力(ミッシング・アビリティ)】が一つ《永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)》と申します。〙


失われた能力(ミッシング・アビリティ)

永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)


〘詳しい事をお話しましょう。まず、【失われた能力(ミッシング・アビリティ)】ですが、これは嘗て用いられていた力で今は主様(マイマスター)以外に使える者が居りません。〙


その言葉と共に目の前にステータス画面に似た映像が現れる。





失われた能力(ミッシング・アビリティ)


・神には至れなかった知的生命体が持っていた能力。

持ち主の才能や願いを元に開化するもので、神からは《溶けた蝋の翼(イカロス)》と呼ばれていた。

神に最も近く、しかし、至れないその力は次第に消え、今では持ち主は1人しか居ない。

どのような能力が開化するかは人によって異なるが、その全てが奇跡と称される程の偉業を成したとされる。

神とは君達とは違う高次元の存在である事を夢夢忘れぬ事かだ。





簡単にお願いします。


主様(マイマスター)は才能や願いを元にした凄い力を手に入れてそれが世界中で主様(マイマスター)1人しか持っておりません。その力は普通にチートです。しかし神には及ばないの事を忘れると神から痛い目に遭わされますよ、という事です。〙


なるほど、分かりやすいかな?


取り敢えずその力については分かりましたけれど、貴方は?


〘《永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)》です。主様(マイマスター)のお嬢様を護りたいと言う願いを元にその為に必要な物として主様(マイマスター)が求めたのがあらゆる事象に対処できる知識でした。その願いを叶えるべく形を作っていたところ、神の一柱であるカデンツァ様が不安定な力をいじくりまわし、あらゆる事象が記された神の書物《全てを記した書(アカシックレコード)》に接続できる意識を作りました。〙


それが貴方と?


〘そうです。最も今起きている事、過去にあった事は知ることが出来ますが制限がありますし、未来に何が起きるか、は知ることができません。知れるだけなので過去を変えたりは出来ません。〙


充分チートだと思うのですが。


〘私の事は膨大なネットワークを持った自己進化型AIとでも思っていてください。〙


それはいいんですけど、なんでそんな力が僕に?


〘それについては不明です。今の私はモンスターの名前や特徴などや物質の使い方や特性を知ることが出来るだけですから。〙


さっき言っていた制限というやつの事ですか?


〘はい。という訳で・・・完璧名前負けしています。今後にご期待ください。〙


あッはい。

なんだか凄いことになっちゃったぞ?


主様(マイマスター)が二日間寝込んだのは毒のせいではなく《全てを記した書(アカシックレコード)》との接続のせいです。〙


( ´_ゝ`)ふーん。


〘遊んでますね?〙


何故バレた。


〘普通にバレます。と言うかそろそろお嬢様達が来ますので私について話すのはお辞めくださいね?まだ性能が低く他人との同調が出来ませんので。〙


出来たら問題ないんですね。

と言うかお嬢様たちのことも知っていると。

とりあえず問題なさそうなので、このままにしましょう。

この数日間でスルースキルと適応力が格段に上がった自覚あるのは気のせいじゃないですよね?


〘普通に高い適応力とスルースキルです。〙


・・・《永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)》って呼びにくいし名前つけた方がいいでしょうか?


〘どちらでも構いません。〙


じゃあ、ナレッ・・・嘘です安直すぎるから流石にやりません。

寒気がしましたよ。


主様(マイマスター)のネーミングセンスに期待しますね?〙


・・・ドイツ語で賢者を意味するヴァイゼを変えてヴァイゼスとかどうです?


〘ではこれからはヴァイゼスとお呼びください。〙


OK貰えてよかったです。


「アリス、サラがご飯作ってくれた・・・」


お嬢様が扉開けて入ってくるが、二歩ぐらい歩いた後に止まる。


「お嬢様?」


後ろにお盆持っていたサラさんがお嬢様に声をかける。


「・・・い・・・する。」

「え?」


お嬢様が何かを呟いたがよく聞き取れなかった。


「女の、気配がする。」


聞き返す前にお嬢様が呟いた言葉にお嬢様の顔を見る。

お嬢様は笑顔だった。


〘目が笑っていませんよ。〙


ちょっとヴァイゼスさん静かにしてて頂けます?


「何で、アリスから女の気配がするのかしら?さっきまでしなかったのに。」

「いやいや、知りませんよ!?この部屋にはお嬢様が出てってから戻ってくるまで誰も来てませんし!」


〘因みに私、実は女性よりの性格で作られています。〙


オーマイガー!?

え?

つまりお嬢様はAIじみたヴァイゼスさんに反応している訳ですか!?


〘そう見たいですね。仕方ありません。話してください。ただし、《永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)》の事はスキルとして、私の事は只のパートナーとしてです。〙


「お嬢様、実は・・・。」


かくかくしかじか、という事です。

とまぁ、お嬢様とサラさんに《永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)》さんことヴァイゼスさんの事を話しました。


「・・・やはりアリスさんはチートという事ですね。」

「ヴァイゼスと言うのね。まぁ、多重人格みたいなものという事でいいのよね?」

「はい。なのでその笑顔をやめて下さいお願いします。」


ほんとその笑顔怖いんです。


〘さっさと告白すればいいんじゃないでしょうかね?〙


告白はするつもりなのでやめて下さい。


〘何時するんですか?〙


今夜あたりに。


〘おや、寝ている二日間お嬢様が看病していたことに気づいてましたか。〙


そりゃあ、目の下にクマ作ってらっしゃるし、サラさんが後ろで口パクで伝えてきてますし。

めっちゃ後ろで「お嬢様に早く告白してお嬢様を安心させてください!!」って言われてますし。


〘割と芸達者ですよね、主様(マイマスター)。普通の人口パクとかされても分からないですよ?〙


普通の人じゃないヴァイゼスさんに言われましても・・・。

お嬢様に告白しなかったのは純粋に不安だったからですしね。


〘・・・自分なんかが告白してもいいのか?自分何かが、本当にお嬢様に想ってもらっているのか?ですか?〙


誰も家族意外信用出来なかった生活してましたし。

一目惚れだったけど、迷ってたんですよ。

まぁ、いきなり告白してもいいのだろうかという思いもありましたが。


〘出会ってから速攻で告白してOK貰える人もいると主様(マイマスター)の記憶にはありますが?〙


それは辞めてください。

入学式のときに目の前で今のクラスメイトの子が同じく今のクラスメイトの男子に告白してカップル成立して今でも続いていると言う現実は同じ男として辛いものがあったんです。


「まぁ、いいわ。取り敢えずご飯食べて休みなさい。と、食べながらでいいからシルバーウルフについてとかの報告をしましょうか。」

「そう言えば、忘れてました。(主にヴァイゼスさんのせいで)。」


〘それは言い掛かりです。〙


「冒険者ギルドは草原とガレアの森の調査依頼を出して、ガレアの森はBランク冒険者を起点に十数名の大規模パーティーで、草原は目撃者の私達とお父様達騎士の数名でよ。」


この時、もう少し考えていればあんな事にはならなかったのかもしれない。

後に僕はそう思うことになる


次回告白回。

え?告白前にデートでもしろ?

はっはっは、一目惚れからの告白からの恋人デート回を書きたいからね。

イチャラブ書きたいんだ。

ヴァイゼスさんにも嫉妬(仮)するお嬢様。


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