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裁縫メイド伝記  作者: 神無月 雪華
一章・メイドさんになりました編
8/14

神様に会いました

「はぁはぁ、な、なんとか逃げきれましたね。」


シルバーウルフから全力で逃げた僕達は王都の門の前で息を整えていた。


「それにしても可笑しいわね。シルバーウルフは本来は草原よりもっと奥のガレアの森に生息している魔物の筈なのに。」

「そ、それに、草原にはスライムが主で、ゴブリンとかは、稀に、見かける程度、だから捕食対象が少ない、から近づかない筈です。」

「ミーリアス様はまず息を整えて下さい。」


ミーリアス様はローブの中から皮の水筒を取り出して水を飲む。


「・・・私達は取り敢えずギルドに報告しないとね。それにしても、アリス。貴方意外と戦えていたわね。現に私二回も命を救われているわけだし。」

「あれは、なんと言いますか、体が勝手に動いたと言いますか。」

「そう、けど、動けたということはそれ相応の実力はあるという事よ。」


そうなんですかね?

自分では最期のお嬢様の前にいた時に至ってはいつの間にかシルバーウルフの前に居て気がついたら鋏で牙を切っていたからよく分からないんですが。


「そもそも、その鋏は何なのです?シルバーウルフの牙を紙か布のように切るなんて普通じゃ無理です。」

「まぁ、曲がり何りも女神から与えられた武器、な訳だしね。それ相応に性能があったのね。」

「そう言えばこれそういう物でしたね。」

「昨日の事よ?」

「・・・ほら、昨日、今日で色々ありすぎでしたし。」


異世界に召喚されて、お嬢様の使用人になって、メイド服を着せられて、お嬢様に惚れたのを他の使用人の人やフィナシュ様に報告されたり、夕食のシチューを作ったり、カナレイさんの部屋を片付けたり、裁縫したり、お嬢様に抱き着かれて一睡も出来なかったり。

割と色々な事が昨日だけでもこんなにあった訳で。

そんな些細な事はすぐ忘れますよね?

頭の上でスレッドスライムがポヨポヨ跳ねる。

ああ、そういえば君もいましたね。

え?

ちょっと待ってください。

僕がシルバーウルフに吹き飛ばされた時からずっと僕の頭の上にいたんですか?

全然気が付かなかったんですけど・・・。


「と、とりあえず置いといて、ギルドに向かいましょうっ!?」


突如、左腕に激痛が走る。


「ちょ!ア、アリス!腕怪我してるじゃない!?」


お嬢様に言われて左腕を見る。

そこはメイド服の袖が引き裂かれ、生身の腕も切り傷になっていてそこから赤い液体が流れていた。


「こ、れ・・・あの時?」


シルバーウルフの牙を切り目を潰した時、あの時にやられたのだろうか?


「ミーリアス!回復魔法を使える!?」

「き、傷口を塞ぐのは何とかやれますですが、シルバーウルフの爪には毒があるのです!」

「っ!そう言えばそうだったわね。教会に急ぎましょう!?」


あれ?

視界が、ぼやけて・・・。

何も見えな、く・・・。













「おーい。起きてるかい?」


声が聞こえる。


「ああ、起きてないね。まぁ、毒のせいで意識が朦朧としてるところ無理矢理連れてきたからなぁ。」


誰の声だろう。


「まぁ、寝惚けているみたいだから、てい!」


朦朧とする意識の中いきなりスタンガンを当てられた時みたいな衝撃が僕を襲った。


「・・・なんで君はスタンガンを経験してるんだい。まぁいい起きたようだね。」


声のする方に痺れる体で向くと其処には黒い少女が居た。

光を反射しない様な漆黒の髪、光を飲み込みそうな漆黒の瞳、服はゲームなどで出てくる女性物の神官服を黒色にした服。

闇を体現したような姿はそれでいて神秘性を感じさせる。


「うん、まあ、嬉しい評価だね。とりあえず初めまして。」


どちら様でしょうか?

と言うか声が出ないんですけど。


「ああ、ここでは君は下位の存在と部類されるからね。神である私とは会話できないようになっているのさ。」


神?


「そう、神様。と言っても全知全能でも無いわよ?」


そんな神様が僕にどのようなご用ですか?


「いや、君やけに落ち着いてるね。」


もう何が起きてもそういうものと思うことにしたので。


「適応しちゃったかぁ、神様もびっくりな適応力だね。まぁ、そういう人も億が一の確率で居るか。それは置いておいて、まずは自己紹介からかな?初めまして、私は君達を異世界に召喚する際に君達をこの異世界に連れてきてスキルとかステータスを与えた神様だよ 。名はカデンツァと言う。」


僕、ステータス低かったしスキル貰えてなかったんですけど?


「いやぁ、それはまぁ、事故と言うやつだよ。私がどうして君に今こうして会っているかの話の方が重要だからそっちの話をしようか。」


神様は


「カデンツァ。」


・・・カデンツァ様が右手を上げると目の前にステータス画面が表示される。



アリス・モリサキ

職業・メイド

性別 男(男の娘)

レベル1

専用武具・裁縫具(針、糸、鋏、定規、ペン)


筋力:3

防御力:5

俊敏:37

精神力:12

器用度:10

運:18


スキル



『裁縫』・・・ランク10

裁縫をする際に補正がかかるスキル


『料理』・・・ランク10

料理をする際に補正がかかるスキル


『掃除』・・・ランク10

掃除をする際に補正がかかるスキル


『家事』・・・ランク10

上三つのスキルの統合されたスキル


『メイドの心得』・・・ランク7

メイドとしての作法を一定以上身に付けたものが得るスキル

作法に補正がかかる






失われた能力(ミッシング・アビリティ)


不可能な裁縫(インポッシブル・ソーイング)

不可能を可能とした裁縫が出来るようになる能力。

解放されたのは基礎の基礎なので進化する確率は非常に高い。


永劫を知る者(エタニティ・ナレッジ)

カデンツァと対面した事によって不確定だった失われた能力(ミッシング・アビリティ)が確定したもの。

あらゆる叡智を知るとされている。

わかりやすく言うとヘルプの超強化版。

しかし、まだ覚醒には1歩足りない。











「何か言いたいことはあるかい?」


なにこれ?


「私が君をここに連れてきた理由はこれなんだよ。昔、一万年くらい前の知的生命体は自らの中に眠る可能性と願いを力にすると言う術を持っていたのさ。」


その言葉の意味はよくわからない。

でも、知っていなければいけない気がした。


「まぁ、もうこの世界では誰も持っていない力だから【失われた能力(ミッシング・アビリティ)】というのさ。で、その摩訶不思議な力を何の因果か、地球生まれ地球育ちの君がその力の種を持っていた。異世界に召喚され君の願いに感化され発芽した訳だ。」


パチパチと手を叩くカデンツァ様はとても神様には見えない。


「まぁ、詳しい事はいずれ、今は君の力について軽く教えよう。」


先程までおちゃらけていたカデンツァ様の目が真剣味を帯びる。


「だけど、君の力の種は君が幼い頃からずっと続けて来た裁縫という才を養分として発芽に備えていた。君の【失われた能力(ミッシング・アビリティ)】が二つあるのはその為。才能を養分にとして発芽に備えていた種がそのキャパシティをオーバーしたから二つになった。一つは君の才能を養分とした種、もう一つは君の願いを養分とした種。才能を養分にするから普通スキルレベルが1か2が限界なんだけど、君平然と10あるからねぇ裁縫スキル。」


よく分からないけどなにか凄い力を二つ持っていてその内の一つは裁縫に関するものでもう一つは願いが関係するらしい。


「それだけわかってれば今はいい。取り敢えず今日はここまでだよ。最もここでの出来事を君は覚えていないがね。」


駄目じゃないですかね!?


「君が忘れていても問題ない。ここでの記憶は覚えていられないが無意識かで理解している筈だし君ではない他の者に対する講座だ。」


他の者?

この場所には僕とカデンツァ様しかいないように見えるのですが。


「今はまだ知らないことだけど、早ければ二日後ぐらいには理解出来るさ。」


じゃぁ、またと言ってカデンツァ様が指を鳴らす。

刹那、意識が白で塗りつぶされた。



シルバーウルフの解説は次回と言たね?


という訳で後書きでシルバーウルフの解説します(唐突)


シルバーウルフ 種族・牙狼族 Cランク

基本的に肉であればなんでも食う肉食の銀色の毛並みをした狼の魔物。

サイズは全長2メートルから4メートル。

その牙と爪を持ち獲物を狩る。

鉄で出来た盾なら貫通する事もある。

毛並みは、結構硬くナマクラな鉄の剣なら弾かれる。

爪には毒がありこれにより獲物を弱らせる戦術を行う危険種。

Dランク冒険者4人でギリギリ勝てるかそこらであり、CランクとDランクの差はシルバーウルフを単騎で狩れるかで判断される。

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