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奇談 ー黒帯の女ー

作者: type0

私が幼稚園に通ってた頃ですが、男の子が交通事故で一人亡くなりました。

事故翌日、園長が園児皆に「駅へ向かう途中にある高架下は危険なので、お父さんお母さんと手を繋いで進みましょう。」みたいな事をいっていたと思います。

しかし、その高架下で交通事故で亡くなったのは一人じゃありませんでした。

私が記憶しているだけで3人は亡くなってたと思います。

しかも全員男の子。


最初に一人が亡くなった時、事故現場へ花を供えに行きました。

その時は高架の入口へ花を供えて先生達大人は手を合わせてました。

私が高架の出口側を見てみると白い着物で黒帯の女性が立っていました。

その女性は左手で男の子と手を繋いでいました。

その男の子は同じ幼稚園に通ってた友達だったので、幼稚園に帰る際に手を振りましたが女性も男の子も無反応。こちらを見ているだけ。


しばらくするとまた一人亡くなりました。今度は小学生だったらしいです。

二回目の事故が起こった後、祖母に連れられ買い物行くのにその高架下を通りました。

通ってみると高架下の出口付近に前回と同じ女性が立っていました。

左手で手を繋いでいる男の子は前回と違い知らない子。

友達ではありませんでしたし手を振ることはしませんでした。


そして3人目がそこで亡くなった後、祖母に連れられて通ってみると高架出口付近に同じ様に女性が立っていて左手で男の子が手を繋いでいました。帽子を被った初めて見る男の子。

そして三回目でようやくその人達が幽霊だと気がつきました。

私は怖くなり、高架下を潜るのが怖くて泣きわめきました。

祖母に説明しても「変なこといわない」とかいわれ怒られてました。

祖母には女性と男の子の幽霊は見えていないので、私の手を引っ張り無理に高架下を潜りました。

そのまま潜ることはできたのですが、女性は高架入口から出口まで私が通るのを見ていました。

祖母が駅の方へ買い物へ行くのにその高架下を通りましたから帰りも同じ道を通りました。

高架下には先程と同じ様に女性が立っていましたが、今度は男の子はいませんでした。

高架下に着くと怖いので私は「お化けがいる」と泣いてました。

泣く私を引っ張りながら祖母は高架下を通りましたが、私はずっと高架下で立っている女性から目を離しませんでした。

高架下で女性の側を通る時、女性は私に右手を差し伸べました。

私の頭を撫でるつもりだったのか手を引っ張るつもりだったのかのかは分かりませんが、その手から私は逃げる様に祖母の影に隠れる様に歩いていました。

高架下を通り抜ける頃、私は女性が付いてきていないか後ろを振り返ると女性は付いてきていませんでしたので家に帰る頃には泣き止んでいました。


その夜、寝ていると夜中に目が覚めて天井の方を見てみると高架下にいた女性が私に覆いかぶさる様な形で私の上にいました。

それからの記憶がないのでそのまま気を失ってたと思うのですが、それからしばらく毎晩その女性は私の所に来ていました。

毎晩私の所に女性が来る様になってから高架下での死亡事故はなくなりました。


いつからか私の所に女性が来なくなったのかは分かりませんが、今でもその高架下を通るとその晩はその女性の幽霊を必ず見ます。

不思議なのは子供の頃にあんなに怖くて仕方なかったのに今ではそれ程怖くはありません。

「あ、またか」ってな感じです。

読んで頂いた方は怖がっているので私の妄想だと思う人もいてるかも知れませんが、この黒帯の女性は今でも時々、私の友人が目撃します。

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