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私たちのヴァルキューレ  作者: 紅葉崎もみじ
ヒーローでも、勇者でも・・・
10/27

10話 戦う準備

 少々時間が戻る。


 二度目の戦闘が始まる4日前。そして私が戦う決意をした翌日。


 私はいつも通り学校へ通おうとしていた。


 ・・・・いや、そりゃね。

 戦うからって普段の生活をおろそかにしていいわけではないだろう。


「百花何してるの?そろそろ遅刻するわよ」

「はーい」


 お母さんに促され出かける準備をする。


「お弁当持った?」

「持ったよ、小学生じゃないんだから」

「あなたしっかりしてるようで変なところ抜けてるからねー。そういうところお父さんにそっくりよ」

「またその話?聞き飽きたってばー」


 お父さんに似ているとからかわれるのが、ある意味お母さんとの10年続いた日常なのかもしれない。






 学校に到着する。

 特に早くも遅くもない時間だ。


 今日は千歳へのいじめを目撃しなかった。

 正直ありがたい。

 今までのように知らない誰かがいじめられている訳ではないから心情的にやっぱり複雑になるだろう。

 だったらどうにかしろという話だが、無茶言わないでほしい。


 教室に入る。


「おはよー」

「おはよ」


 同じグループの女子と軽くあいさつを交わす。


「百花昨日どうしたワケ?珍しく誘い断って」

「あー、ちょっと立て込んだ用事があって」

「ふーん」


 私がこの街のためにロボットに乗って戦うなんて言ったらどんな顔するだろ。


 ・・・・・。


 精神疑われて、病院に収容されて終わりだな。


 自分の席へそそくさと座る。


「・・・?」


 引き出しの中に手を入れると、身に覚えのない感覚がある。

 私は真面目ではないけれど置き勉をするほど不真面目でもない。

 机の中には基本的に何もいれないようにしてるんだけど・・・。


 取り出してみると普通のA4ノートだった。

 もちろん見覚えはないものだったが、張ってある付箋に書かれた内容から自分あての物であることが分かった。




『次の戦闘までに読んでおいて下さい』




 昨日の今日でこんなものを用意するとは・・・。


ノートを鞄の中へ入れる。

まさかここで読むわけにはいかないだろう。


私が変な妄想狂だと思われたくないだけだけど。





放課後。


いつものように寄り道をして帰宅。


今日はいつもより晩御飯を早くしてもらい、入浴も手早く済ませた。


千歳からのノートを見るときは下手に中断されるよりはじっくり読みたいと思ったからだ。


これからやることはもう残っていない。

宿題も授業中の内職で終わらせた。

普段やらないが、私もやろうと思えば手早く終わらせることはできる。


習慣になっていないことは、できるとは言わないわ。


千歳にはそんなこと言われそうな気がするけど・・・。


まあ、とにかくノートを読もう。


私は自室にある机に向かい、千歳からのノートを開いた。


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