オレと性転換と森篭り
やっと異世界へ
しかし今回と次回は二人ともあまり動きません
「そろそろ起きろ相棒」
そんな声で目が覚めた。
オレは倒れとるみたいなので状態を起こして声が聞こえた方を見る。
金髪美女がいた。
「お、おぉおう?誰……ですか?」
金髪美女は肩を落とし溜め息をついてから
「曜斗だ。まぁ別名ヨーコだけど。忘れたのか? ほら、俺たちは異世界トリップしたんだよ」
ヨーコ?
異世界トリップ?
「おぉ、なるほど。夢やなかったんか」
あらためて周りを見渡すとどうやらここは森の中らしい。
樹齢が数千ぐらいの大樹があったのでオレはここが日本ではなく異世界やと断定することにした。
「で、相棒ってなんや?」
「いやか?」
「やー、いややないけど。正直、自分みたいな美女に相棒なんて言われると・・・・・・照れるわ」
「アホか!」
イヤでもホンマにヤバイ。
中身が相棒やと知ってても惚れそうや。
滑らかで輝いているうえ腰まである金髪。
その上の方にある三角で少し尖ってるキツネの耳。
海に似た深い蒼の瞳。
異世界の醍醐味である人外美人が今ここに!
「なぁ、付き合って」
ゴス!
「ごはぁ!」
瞬間、踵落としを脳天に喰らった。
座ってたから普通に足が届いた。
でも
「着物で……踵落としは……ご褒美やろ……」
そう!!
相棒の服は白の着物に紅の帯というものやった。
そこから見えた
「想像すんなボケ」
「うん。スマン」
クッ!
相棒に欲情するとは……。
オレはなんて馬鹿なんや。
「まぁ、俺もお前の寝込みを何度か襲いかけたが……」
「コワ!!」
~~~~~~~~~閑話休題~~~~~~~~~~
「で、どうやらここは森の中っぽいな」
「見たらわかるやろそんなん」
「だな~」
さて、オレと相棒の目的は
ハーレム!!
やけど
「女の子おらんし、街行かへん?」
「落ち着け!」
失礼な!
落ち着いとるわ。
落ち着いて女の子探そうとしとる。
「焦るなよ。俺たちには馬鹿ほど時間があるんだし。それに、お前が寝てる間に試してみたんだけど……。やっぱ俺たちは主人公じゃない」
はぁ?なにを当たり前のことを。
それがなんやねん。
「まぁ、聞いてくれよ」
説明中
どうやら相棒はオレが寝とる間に能力について試したらしい。
異世界トリップの醍醐味はハーレムと
おれTUEeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
になれること。
相棒もワクワクしながら能力である炎術を使おうとしたらしい。
が
「え? やり方わかんなくね?」
と最初に気付き、どうにかこうにか自分の中から妖力(魔力じゃないのは自分たちがあくまで妖怪であることを覚えとくためらしい)を見つけてやっとこさ使ってみると
ボゥ
と前に押し出すように向けた手の指先からライターのような火が出るだけやったらしい。
これを聞いて爆笑したらはたかれた。
で結論が
『オレ達は最初から能力を使いこなせない』
ということやった。
一応オレも自分で試したが
妖力発見に20分かかり、出来た風術がそよ風やった。
爆笑した相棒はもちろんはた……こうとしたけど見た目可愛いから無理やったので落ち着くまで5分間笑われ続けた。
「んで? どないすんねや?」
「あぁ、それだけど」
相棒は少し区切って言った。
「ここで一旦別れようと思う」
「へぇー。なんでや?」
「この俺YOEeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee状態で街に行くとだいたい治安が悪い異世界のことだ。500年どころか5時間で冒険終了。性奴隷End直行だと俺は思う」
性奴隷Endて。
まぁ、今はお互い美女やしなぁ。
ちなみにオレは
茶色の首元までの髪で丸まっとるイタチ耳、黒の目と、あまり異世界カラーじゃなかった。
まぁ、顔は生意気そうな美少女やったけど。
チッ!
自分にトキメクとはな……。
「だから俺は力がある程度つくまでここに篭るべきだと思う。幸い、ここの獣?つーか魔物はあんまり強くなかったし」
なんでも、角の生えたウサギがいて普通に倒せたことからここは『始まりの森』的な感じらしい。
「なるほどなぁ。ここに篭ることは納得や。でもなんで別れなあかんねん」
別に一緒でもええやん?
「おい、俺たちは前世でなんだった?」
相棒は急に真顔になると聞いてきた。
前世やと?
そんなもん
「脇役。しかもモテない」
ただの脇役でもない。
モテへん脇役や!!
クソ!!!
「そんな俺たちが、相棒と自分を呼んでくれる美女と一緒に生活する」
「あ」
あ、納得。
「(スゥゥゥゥゥ)惚れてまうやろぉおおおおおおおおおおお!!!!」
心友(相棒)は息を目一杯吸い込み、関西弁で叫んだ。
うん。
納得の理由や。
確かに惚れてまう。
オレなら多分二日で惚れる。
「俺たちはハーレムをつくりに異世界に来んだ!! 身内同士、しかも男同士で好き合うなんて馬鹿か!!」
「あれ? やけどオレら男になれるんか?」
「妖怪と言えば人化だろ。俺たちは獣人じゃない。妖怪だ。しかも神に近い妖怪だ。男にぐらいなれる!! ……と思う」
「おぉ! せやったな。なら能力を磨きつつ男に化ける方法も探していこか」
「あぁ。ならこの樹齢がヤバイ大樹からこっちが俺。そっちがお前で」
「りょーかいや。期間は?」
「二年」
そこまでサクサク進めるとオレ達はお互いをみて
「またな」
「おう」
別れた。
後から聞いた話によると
この森、めっちゃ強い魔物ばっかで通称『終末の森』って言うらしい。
次回、キツネの方の主人公の修行シーン
短めになる予定です。