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思えば
私が姉をブスと
言ったのは初めてだった。
それゆえか
姉の怒りは
凄まじいもので
私は殺気さえ感じた。
ヤバい!
と
私は後悔した。
しかし
もうどうにもならない。
姉は食卓から
立ち上がると
台所に向かった。
そして
包丁を手に
私に向かってきたんだ。
殺される!
と
私は思って
逃げ出そうとしたが
恐怖で足が動かなかった。
幸いにして
里絵!
止めろ!
と
姉の包丁を
取り上げてくれて
私は命拾いをした。
もしも
その場に
父がいなかったら
私は現在
この世にいなかったことも
十分に考えられる。
もちろん
このことは両親に
姉も注意された。
ただ
母が私に
姉にブスと言ったことを
厳しく咎めてきた。
先にブスと
言ったのは姉の方だと
抗議しても無駄だった。
どうやら
母の考えだと
姉の言うブスはセーフでも
私が言うブスはアウトらしい。




