第十五話‐前編 迫りくる闇――不穏の兆し
長くなったので3分割しますが、1話でもいいのかな?分量がわかりませんね。
その知らせは、屋敷の空気を一瞬で凍らせた。
「辺境伯令嬢の命を狙う暗殺者が、すでに領内に潜入している……」
父アルノルトは眉をひそめ、母は蒼ざめ、家臣たちは大混乱。
俺は呆然としながら心の中でつぶやいた。
――まさか、俺にまで異世界テンプレ“暗殺イベント”が来るとは。
当然、真っ先に騒ぎ出したのは例の4人だ。
「俺が守る!」剣士カイルが剣を叩き抜く。
「結界を張れば侵入できません」魔術師ロイが冷静に杖を構える。
「王族の威光を示せば奴らは退く!」王子クラウスが胸を張る。
「金で雇えば寝返るのでは?」商人ユリウスが商談モード。
……バラバラすぎて逆に不安になるんだが。
暗殺計画の裏には、王都の貴族派閥の影がちらついているらしい。
つまり、ただの野盗ではなく本物の刺客。
俺は深呼吸をして机に向かった。
――これまでの内政チートで領地を守ってきた。
でも今回は数字や仕組みじゃ防げない。
俺自身が狙われるんだ。
震える手で帳簿を閉じながら思った。
――それでも、生き残らなきゃ。
次回予告
第十五話‐中編 迫りくる闇――ドタバタ護衛作戦
夜襲を前に、剣士・魔術師・王子・商人が大暴走! 屋敷はドタバタ修羅場と化し、ついに暗殺者が襲来する――!




