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辺境伯令嬢は内政チートで世界を変える ~そして聖女は大陸を笑顔で包み込む~  作者: 赤井咏紗
第一部 神童と呼ばれるおっさん
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第十一話 高潔なる剣士カイル――刃は守るために

4話分更新しますよ

 ある日の夕刻、領地の北端から急報が入った。

 「森に魔物が出没! 村人たちが襲われている!」


 俺は父に同行しようとしたが、父は首を振った。

 「危険すぎる。屋敷に残れ」


 だが、すでに一人の影が飛び出していた。

 ――剣士カイル。





 村に駆けつけたカイルの前に立ち塞がったのは、巨体のオーガだった。

 村人たちは怯え、悲鳴を上げて逃げ惑う。


 「下がってろ!」


 カイルは叫ぶや、一直線に駆け抜けた。

 巨腕が振り下ろされ、地面が抉れる。

 だが彼は紙一重でかわし、オーガの膝へ鋭く斬撃を叩き込んだ。


 刃が閃き、血が飛ぶ。

 「まだ終わらねぇ!」


 再びの一撃。

 オーガの咆哮が森に響くが、その叫びもカイルの渾身の突きでかき消された。


 ――その姿はまさに修羅場を生き抜く戦士。





 戦いを終えたカイルは、血に濡れた剣を拭いながら村人に微笑んだ。

 「もう大丈夫だ。俺がいる限り、この村は守られる」


 村人たちは涙を流し、子供がカイルに抱きついた。

 俺も現場に駆けつけ、その光景を目にする。


 カイルは俺を振り返り、真剣な眼差しを向けた。

 「レティシア様。俺はただの放浪者だった。でも、あなたに出会って剣を振るう意味を見つけた。

  この刃はあなたと、この領地のためにある」


 ……真正面からそんなこと言われると、心臓に悪いんだが。





 家臣たちは口々に「辺境伯領最強の剣士」と称え、村人は「英雄様だ!」と叫んだ。

 俺は心の中で頭を抱える。

 ――これが逆ハーレム候補の一人? スペック高すぎだろ……。


 にぱぁスマイルでごまかしたが、カイルの眼差しは微塵も揺るがなかった。

 剣士としての力、民を守る心、そして俺への真剣な想い。


 間違いなく、彼は本物だ。

次回予告


第十二話 孤高なる魔術師ロイ――知と炎を操る者

村を襲う盗賊団。だが彼らを迎え撃つのは、魔術師ロイ。知性と魔力を兼ね備えた青年が、圧倒的な力で辺境を護る。その戦いぶりは、まさに知と炎の化身――。

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