重要案件
どうも、腐った熊です!ついに主人公、高本の物語がスタートします!どうぞお楽しみ下さいm(_ _)m
高本視点
今日は大事な案件。これが上手くいけば、うちの会社には莫大な利益が入る。俺は緊張しながら、取引先の会社の会議室で待っていた。すると、俺より幾分か若い男性が会議室に入ってきた
「こんにちは、UKデザイン株式会社の高本と申します。」
「これはどうも。私、大久保芸能プロダクションの深瀬と申します。」
俺は男性と名刺を交換し合った。そう、今日は数多くの芸能人を抱える、大手芸能事務所との案件なのだ。事務所設立60周年を記念して、新たに事務所のロゴを作ることにした大久保芸能プロダクションは、今回俺の会社に依頼したのだ。相手は大手企業、上手くいけば会社の宣伝に繋がる大チャンスだ。そんな訳で俺たちは考えに考え抜き、自信作のロゴデザインを完成させた。
「早速本題に入ってもよろしいでしょうか?」
「はい、よろしくお願いします。」
俺が本題を切り出すと、深瀬さんはにっこり微笑んだ。クソ、この男顔立ち良いから絶対モテるな。と、妬み嫉みを飲み込んで俺は話を続けた。
「ありがとうございます。では早速、ロゴデザイン案は見て頂けたでしょうか?」
「はい、どれも素晴らしいものでした。流石、UKデザインさんですね。社員一同にアンケートを集った結果、このデザインがいいということになりまして・・・」
「なるほど、このデザインですね。では、こちらに決定ということでよろしいでしょうか?」
「あ、いや、実は社長から、直して欲しい部分があるとの事で。」
「直して欲しい部分?」
「はい。ここの部分をもう少し・・・」
「なるほど。しかしそうなると・・・」
「あぁ、確かに。ではこの部分を・・・」
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その後、俺たちは2時間ぶっ通しで話し合いを続けた。長時間の話し合いで少し疲れたのか、深瀬さんは大きく欠伸をした。
「少し疲れましたね。休憩しませんか?」
「いいんですか?ありがとうございます。あ、高本さん、コーヒーはいかがですか?私、貰って来るので。」
「おっ!いいんですか?ではお願いします。」
「はい、分かりました!」
そう言って、彼はコーヒーを取りに行った。
「はい、コーヒーです。ブラックで大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」
俺は、貰ったコーヒーを飲んで、一息ついた。ふと、ある疑問が頭をよぎった。今、休憩中だし、聞いてもいいよな?
「あの、深瀬さんって、今おいくつなんですか?」
「え?」
深瀬さんは驚いたのか、少し目を見開いていた。
「あっ!!すいません!!アイスブレイクがてらに、いい話題ないかなぁって思って、失礼なことを・・・」
すると、深瀬さんは少し笑いながら、
「あぁ、全然気にしてませんよ。そんなに謝らないでください。」
と言った。懐が深すぎて逆に申し訳なくなってきた。
「で、年齢でしたっけ?私、21です。」
「・・・ええ!?21歳!?・・・あ、すいません。また失礼なことを。」
思った以上に若かった・・・今どきの子たちってこんなにしっかりしているのか、すごいなぁ。
「いえいえ、大丈夫ですよ。そういえば、高本さんはおいくつなんですか?」
「私ですか?私は25ですよ。」
「へ!?25??本当ですか?」
深瀬さんはひどく驚いていた。ここまで驚かれると逆に面白いな。俺は、ほんの少しこの若造をからかってやろうと思った。
「本当ですよ。そんなに老けて見えます?」
俺は少し意地悪な質問をした。深瀬さんはひどく慌てながら、
「あ、いや、そういうことじゃなくて・・・」
と、しどろもどろになって答えた。いい反応してくれるなぁと面白がっていたが、流石に可哀想なので止めてあげることにした。
「嘘嘘、冗談ですよ。あ、そろそろいい時間ですね、会議再開しますか?」
「あ、そ、そうですね。再開しましょう。」
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「あ〜やっと一区切りですね。では後日、もう一度ロゴデザイン案を提出させて頂きます。」
「ありがとうございます。もし、何かあればこちらからまた連絡させていただきます。」
そう言って、俺たちは解散した。
数日後…
俺たちは深瀬さんとの会議で出た意見をもとに、ロゴデザインをブラッシュアップしていた。すると、突然携帯の通知音が鳴った。それはメールの受信を伝えていて、送り主は深瀬さんであった。
『突然すいません。
個人的に相談したいことがあるので、この後お時間大丈夫でしょうか?ロゴデザインのことではないです。』
本当に突然だった。え、何?相談?何故?てか、何で俺に?と、頭の中でグルグルと思考が巡りに巡った。
「高本先輩?どうかしましたか?」
俺の焦ってる様子を見たのか、後輩の高橋さんが話しかけてくれた。
「あぁ、いや、大したことじゃないんだけどさ。あのさ、高橋さんってさ、取引先の方から個人的な連絡来たらどうする?」
「えぇ?何ですか?それ。そんなことあるんですか?」
「これが実際にあるんだよ。現に、今俺のところにメールが来てさ、『個人的に相談したいことがあるから会えないか』だって。これ行った方がいいよなぁ。」
すると、後輩は少し考え込んだ後、少し怪訝そうな顔をして、
「まあ、行くぶんにはいいんじゃないですか?何か大事なことかもしれませんし。ただ、何か変だなって思ったらすぐ切り上げた方がいいですよ。変な宗教勧誘とか、よく分かんない壺買わされたりとか・・・」
後輩は何かボソボソを呟き出した。これ、絶対過去に何か失敗したやつだ。
「アドバイスありがとう。とりあえず、行くだけ行ってみるよ。」
「そうですか、気をつけて下さいね!」
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仕事が終わり、俺は指定されたカフェで待っていた。しかし、相談とはいったい何だろうか。
「すいません!遅くなりました!!」
深瀬さんは焦った様子でお店にやってきた。
「いいですよ。とりあえず、座ってください。飲み物はコーヒーでいいですか?」
「はい、ありがとうございます。」
コーヒーを注文ししばらく談笑していると、
「高本さん、そろそろ本題の方に入ってもよろしいでしょうか?」
深瀬さんは真剣な表情で俺を見た。その瞬間、俺の体にも少し緊張が走った。
「はい、何でしょうか?」
「単刀直入に申し上げます。高本さん、私が主催する、アイドル育成プロジェクトのアイドル候補生になってください!!!」
「・・・は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
…to be continued
いかがでしたか?ここから、彼の人生は大きく変わっていきます。彼は一体どうなるのでしょうか?
それではまた、次回お会いしましょう