魔法トレーニングルーム
ハクノフェルは魔法のイメージトレーニングをするも……。
ここは施設内にある魔法のトレーニングをするための場所だ。
周囲には五人居て、それぞれ別メニューを熟している。
一番から十番まであり、それぞれメニューが異なるのだ。そして番号ごとに半透明のアクリル板で敷居がされ個室のようになっている。
①番:魔力を使う量だけ調整できるようにトレーニングする場所。
②番:魔法陣を強化するためのイメージトレーニングをする場所。
③番:魔法のイメージトレーニングの場所。
④番:魔法の種類を瞬時に把握して使うためのイメージトレーニングができる場所。
⑤番:魔法陣を描き替える練習をする場所。
⑥番:発動中でも魔法陣を描き替えられるようにトレーニングをする場所。
⑦番:バーチャル内でも自分の魔法が使えるようにトレーニングをする場所。
⑧番:バーチャル内でも魔法陣を描き替えられるようにトレーニングする場所。
⑨番:バーチャル内でも魔法を素早く使えるように練習する場所。
⑩番:イメージだけで魔法を使えるように練習する場所。
このようなトレーニングのメニューだ。
この場所に居る五人のうちの一人は、ハクノフェルである。
現在ハクノフェルは三番で魔法のイメージトレーニングをしていた。
(魔法のイメージをするだけだ。だが……クッ、なんでファイアーボールのような物しか浮かんでこないんだよ!)
自分の平凡な脳にハクノフェルは落胆し溜息をついている。
「もっと強力な魔法をイメージできればいいんだけどな」
終了のボタンを押すと頭と目を覆っていたVR装置を外して台の上に置いた。
「今日は、このぐらいにするか」
溜息をつくと部屋をでる。
「ハクノフェル、どうだ! 慣れたか?」
そう年配の男性がハクノフェルに話しかけた。
この男性は夏野敦輝、四十三歳。この【魔装兵器研究部署】の部長である。
そう、この敦輝がハクノフェルをスカウトしたのだ。
「前よりは慣れましたが……まだまだです」
「そうか、お前の居た世界には行ったことがない。だが話で聞いた限りでは、この世界よりも発展していないようだな」
「ええ……ここまで機械と魔法が融合して発展できるなんて考えられない」
そう言いハクノフェルは周囲を見渡したあと敦輝へ目線を向ける。
「その世界に存在する者によってイメージする創造、アイデア、発想などは異なる。そのため発展の仕方も異なるのだ」
「はい、その通りだと思います。いえ、この世界に来て思い知らされました」
「そうか……まあ、お前の世界でもあるんじゃないのか。ここにはない物が?」
そう問われハクノフェルは考えてみた。
「オレの居た世界でしかない良い物。思い付くのは……自然と美味しい空気ぐらい」
「そういう事だ。幾ら発展したところで人間に必要な物が欠けていては……な」
「発展の仕方が間違っていると思っているのですか?」
ハクノフェルがそう聞くと敦輝は、ユックリ頷き何かを思いつめているような表情になる。
「どうだろうな。考え方は人それぞれだ。まあ、そう思っている俺が……こんな仕事をしているのだから不思議だよ」
そう言ったあと敦輝は「このあとやることがある」とこの場から別の場所へと向かった。
「忙しい人だな。でも意外だった。オレをスカウトしたぐらいだから、この仕事に誇りを持っているんだとばかり」
そうハクノフェルは言うと歩き始める。そしてスカウトされる前のことを思い返していた。
読んで頂きありがとうございます(#^.^#)
では次話もよろしくお願いします(^_^)/