幻想兵器研究所【魔装兵器研究部署】
ハクノフェルは施設に戻るなり研究所の班長に町でみた少女のことを報告すると……。
ここは、とある県にある山奥。ここには頑丈な鉄壁で周辺を覆われている施設が建っている。
だが施設の存在は誰も知らない。そう国が内密に色々な研究を行っている施設だからだ。
この施設の名前は【幻想兵器研究所】と云い幾つかある部署の中に【魔装兵器研究部署】が存在する。
その部署内では現在、魔装ゲームと云うものを開催するために研究し有望な人材を集めていた。
魔装ゲームとは全世界の国同士で内密に行われて来たものだ。
勝利した国と勝者には賞金と望みを叶えるとされる宝玉が与えられる。
過去日本で勝利した者は誰一人として居ないため国……いや、この施設で徐々に手を引き始めていた。
そのせいか他の部署よりも機器など数が充実していない。
その一室に、スッと人影が現れる。そうハクノフェルだ。
ハクノフェル・シェムズ、二十歳。異世界メルゲルトからの来訪者である。
現在では異世界との扉が開いているが、このことを各国で隠しているため関係者以外しらない。
そうハクノフェルは、この扉を潜り来た者だ。
本来ならメルゲルトでは隊長クラスの騎士だったのだが、こっちとの扉が開いたため興味本位で遊びにきた。
その時に偶々【魔装兵器研究部署】の部長にスカウトされたのである。
「戻ったようね。それにしても……その服装どうにかならないの?」
オレンジ色でミディアムヘアの女性はそう言いハクノフェルを見据えた。
この女性は菅野香織、二十五歳。研究班の班長である。
「これは立派なお出かけ用の服装だ。これ以上服の質を落とせば平民になってしまう」
「それは貴方の世界の話でしょ。ここで、その服装は目立ち過ぎるのよね」
そう言われハクノフェルは自分の服を見回した。
「そうか?……この格好で町を歩いてきたが何も言われなかったぞ」
「……恐らくコスプレと思われたかもしれないわ。ハァー……まあいいか。それよりも何か収穫はあったの?」
コクッと頷きハクノフェルは笑みを浮かべる。
「そうそう、いい人材をみつけた」
「へぇー、それは本当なの? 嘘じゃないわよね」
「おい、なんで嘘つかなければならない」
不貞腐れハクノフェルは、プイッと顔を逸らし横を向いた。
「ごめん、ごめん。それで、どんな人材かしら?」
「まあいいか……」
ハクノフェルは先程みて来たことを話し始める。
「……話を聞く限り戦士向きね。ただ問題は高校生だという事よ」
「はて? なぜ高校生だとまずい?」
「この世界では十八歳未満って未成年扱いで親の同意が必要なの」
それを聞くもハクノフェルは納得いかないようだ。
「随分と甘いな。まあ確かに町を歩いてみたが平和過ぎだ」
「平和ねぇ……確かにこの国は平和だけど国によっては治安が悪い所もあるらしいわ」
「なるほど……そういう事か。それはそうと、どうする?」
そう問われ香織は少し考えたあとPCを操作し始める。
「その住所とスマホの写真にうつっている表札の名前をみる限りだと真瀬純喜って子が該当するわね」
「じゃあスカウトするのか?」
「そうね……ハクノの目は確かだと思うわ。だけど彼女の親に承諾をもらうのが先よ」
それを聞きハクノフェルは、コクリと頷いた。
「とりあえずは説得しないといけないから、ある程度……調べておきたい。という事で明日にするわ」
「承知した。じゃあオレはトレーニングルームで調整してくるか」
そう言いハクノフェルはトレーニングルームへと向かい歩きだす。
それを確認すると香織は自分のPCがある方へ向かった。
読んで頂きありがとうございます(=゜ω゜)ノ
では次話もよろしくお願いします(*^-^*)