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メスガキがお家にやってきた!?  作者: シマアザラシ
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3人で朝ご飯!

 それから数分後――。

 あかりちゃんは可愛らしい私服に着替えて、部屋の恥にあるキッチンの方へ向かった。


『え、えへへ、お腹空いてないですか!? 私料理は得意なんです! 下に24時間営業のスーパーがありましたよね! 私材料を買ってきます!』


 と、慌てながら言ってくれたので、お金はこっちで持つことにしてお言葉に甘えることにした。

 うん……もう頭が爆発しそうなぐらいいろんなことがあったが、腹は減る……さらには女の子の手作りともなれば、断る理由などない。


 ああ、和食のいい香りがしてくる……。


「…………」


 というか、瞑想する時間が必要だ。

 心を落ち着けよう。自分の心に問いかけて、見つめなおそう――。


 冷静に冷静に……心を乱すと判断を鈍らせるからな。



「ねぇねぇお兄さん、エッチなDVD見つけたんだけど、痴女のロリ系だああああああ!! やっぱりメスガキに興味あるの? うわあ、こういうの見るのやめなよ? 幼女誘拐の冤罪で捕まってもフォローできないよ?」


「テメェ! 勝手に部屋をあさってるんじゃねぇよ! 同居するからって性癖までとやかく言われたくねぇよ!」


「ええええ! 私だって普通のコスプレとかだったら、深くは言わないよ? でも、ロリはなぁ……ダメでしょ」


「そんな正論聞きたくねぇ!! 俺はお姉さん大好きだ!」


「じゃあ、なんでこんなものあるの!?」


「たまにはデザートも食いたくなるだろうが!」


「うっわ……マジざっこ……」


 ドン引きやめろや!


「ふ、2人とも喧嘩したらめっですよ! 雪城さんも雪城ちゃんも落ち着いて! べ、別に見るだけならいいじゃないですか………????」


 お味噌汁の入った鍋を持って仲裁に入ってくれる女神。でも、思いっきり疑問形なのやめません……? 普通に死にたくなる。


「ええええ、あかりちゃんは好きな人がどんな特殊性癖でも許しちゃうタイプ?」


「えっ? そうじゃないけど……私もさすがに野外プレーとか痛いのは嫌だし」


「あかりちゃんの裸を見れるのはあかりちゃんが好きな人だけっと……」


「わああああ! 雪城さんの前でそんなこと言わないでくださいよぉ。恥ずかしなぁ……さあ、ご飯できましたよ」


 テーブルに並べられたのはじゃけの照り焼きにご飯、味噌汁、納豆、目玉焼きという和の朝ご飯だ。おお、ここまでまともな朝ご飯を食うのは久しぶりかも。


「さあ、召し上がれ」


「す、すみません、いただきます」


「わあああ、美味しそう! ありがとう、あかりちゃん! いただきます!」


 俺たちは席について食事を始める。

 う、うまい……特にしゃけの照り焼きはコクと甘みがあり、焼き加減も抜群で口の中で脂が染み出てくる。ご飯がすすむ、すすむ。


「すげぇ……うまい」


「うん! わあああ、朝から幸せだねぇ」


「えへへ、お替りもありますので、言って下さいね。えっへん! お姉さんとして当然です」


「ん? お姉さん……?」


 はて……三矢に言ってるのだろうか?


「えへへ、雪城さんって22歳ですよね? さっき、キッチンに置いてあった学生証を見ちゃいました♪ 私、26歳なんです」


「えっ……マジですか?」


「マジです♪」


 と、言いつつ、免許証を見せてくるあかりちゃん……。


「うわああああ! あかりちゃん若く見えるねぇ! 高校生だって言われても違和感ないよ!」


「えへへ、流石に制服は恥ずかしいよぉ……」


「…………」


 まったく、三矢といい、最近の女の子の顔面はどうなってるんだよ……絶対年下だと思ってた……こ、こうなると、あかりちゃん呼びは失礼か?


「あ、あはは、あかりお姉ちゃんって呼んだ方がいいですか?」


「えっ!? そ、そんな……!! そ、それは魅力的ですが……!」


 俺が冗談交じりにそう言うと、あかりちゃんは露骨にテンパり始める。顔も赤くなり、わたわたして可愛い。


「おほん、いえ、今まで通りでお願いします。変な扉を開きそうなので……」


 苦渋の決断と言った感じで咳払いをする。


 な、なんか、心の中で深い葛藤があったっぽい……なんだこの可愛い生物は……。


 三矢も同じ思いなのかあかりちゃんを見て、満足げにうなづいている。


「そ、それより。昨日はありがとうございました。誘っていただいてとても嬉しかったです!」


「昨日……ああ、確か……会計時に仕事上がりのあかりちゃんと出くわして、飲みに誘ったんですよね?」


「はい♪ 私就職した時に上京してきて……友達がいないから、とても嬉しかったです!」


「くすくす、お兄さん感謝してよねぇ? 私の巧みな話術でお持ち帰りできたんだから! 私、家庭事情的に人の顔色伺うのは得意だからね! あかりちゃん、お兄さんのことを少しだけ――」


「わあああああ! 雪城ちゃん! 余計なこと言わないでくさいよぉぉぉ!」


「てへぺろ」


「な、なんだ? どうしたんですか? そんなに慌てて……」


「い、いえ、カリブ海の深さよりは浅いことなので、気にしなくていいです」


 いや、わかんねぇっす……。

 それにしても……誘って飲んだまではいいけど、何で半裸で寝てたんだろう……。


「うぅぅ、恥ずかしいぃ……」


 なんかすでに恥ずかしさ100パーセント! という感じだし。これ以上聞くのは悪い気がする……あかりちゃんの恥ずかしがる顔を見たいという気持ちはあるけど……。


「むむっ、お兄さんからエッチな考えの電波を感じる」


「ふん、やっぱりお前の頭は電波を受信していたか。おかしいと思ったんだ……人間の脳みそが生み出した思考回路にしてはカオスすぎる」


「ふんだ、お兄さんに言われたくない! 普通の人は私と結婚してくれないもんねぇーだ!!」


「俺の意志は何処にもなく、決まったことだろうが!!!」


「あ、あの……け、結婚ってどういうことですか?」


 あかりちゃんが、遠慮がちに聞いてくる。

 う、うむ……しまった。つい、機密情報が……。


「…………」


って、思ったけど、隠さなくてもいいか。

 むしろ、第三者に聞いてもらった方がいい案が浮かぶかもしれない。

 あかりちゃんは周りに言いふらすタイプでもなさそうだしな。


 俺はそんなことを思い、あかりちゃんに昨日の出来事を相談することにした。

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