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LEVEL e

【2034/05/20 05:44】

私は興味が止まらず、男に近付いていき

、話しかけてしまった。何回も遠くの陰

から見ていたが、ついに話をした。男に

聞きたいことや、してもらいたいことは

沢山あった。人生経験は豊富だろうから

、相談にも的確な答えを出してくれる気

がした。男性に私は色々な依頼をするこ

とにした。得たいの知れない人間だから

こそ、相談できるという場合もあるのだ

。誰にも言えないような悩みを放った。


【2034/05/20 05:55】

母は私が嫌いなのか、身ぶり手振りでし

か私に接してこない。母とは、喋れる環

境にあるのに、会話はずっとないし暴力

だってある。父親は生まれたときから、

もういなかった。その理由はよく分かっ

ていない。気が付いたら、そのような個

人的なことを、色々と男性に話していた

。その男性があまりにもいとおしくて、

気づけばパパになって欲しいと頼んでい

た。その男性がどんな人でもいいから。


【2034/05/20 07:09】

男性は喋ることなく、ただ私のことを手

のひらで宥めてくれた。とても優しくゆ

っくりと、私を手のひらで、そっとそっ

と。その男性が、まだ私の本当のパパで

はないという確信はない。100%でな

ければ疑うべきだ。100%になったと

き、初めて疑いを外すべきだ。あの光景

が忘れられない。あの男性の感触や表情

が忘れられない。シンプルではない複雑

な表情に胸は、キュッと掴まれていた。


【2034/05/24 05:09】

あれから数日後のある日、突然土から生

まれなくなった。男性を全く見かけなく

なった。あれだけ気持ちが近付いた途端

にいなくなってしまった。今の私のこの

優しい気持ちは、最初にあの男性を見か

けたときにはなかっただろう。苦手で脳

を痛ませることもあったが、一気に親近

感に包まれていった。それなのに、運命

はいつも順調を崩して崩して壊そうとす

る。まだパパという言葉が拭えないよ。


【2034/05/24 09:54】

おじいちゃんは、あの男性のことを話に

出すと毎回怒ってくる。おじいちゃんが

あんなに怒りを表すことが今までになか

ったから、あの男性が身内である可能性

は十分ある。その可能性の方が今のとこ

ろ、上かもしれない。誰かに人為的に組

み換えられないかぎり、あんな身体には

ならない。あの男性が、あんな風になっ

てしまった原因は検討もつかない。過ち

以外の原因は、頭に浮かんで来ない。


【2034/05/24 10:02】

何か過ちをおかして、あんなカラダに変

えられてしまったのだろうか。ちょっと

の過ちではあんな姿にはさせられないだ

ろう。だとすると、とてつもなく悪にま

みれた過去があるのだろうか。14歳の

中学生の私には、もう想像も出来ない。

頭がパンクしてしまいそうで、飲み込ま

れて帰って来られなくなってしまいそう

で、まだバリアを張っている私がいる。

いなくなったけど、また会えるよね。

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