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彼は、英雄とは呼ばれずに  作者: トド
第一章 正義の味方
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㉘ 『果たせなかった約束』

 僕は約束をしていた。


 そう、自分を救ってくれたあの人と、ジェノさんと約束していたんだ。

 決して、今回の依頼のことは他の人には喋らないって。


 でも、僕は我慢できなかった。


 だって、みんなが言うんだもの。

 お爺ちゃんも、お婆ちゃんも、友達も、友達のお母さんたちも。


『仇を取ってくれた、自警団にしっかりと感謝しないといけないよ』って


 違うのに。

 僕を救ってくれたのは、自警団の人たちじゃあないのに。


 僕を救ってくれたのは、『冒険者』だ。

 冒険者のジェノさんなのに……。


 我慢をした。約束を守ろうとした。


 でも、それでも、許せなかったんだ。

 ジェノさんのことを隠して、自分達が怪物を倒したと言っている自警団の人たちのことが、どうしても。


 だから、僕はついお爺ちゃんとお婆ちゃんに言ってしまったんだ。


 あの怪物を倒したのは、ジェノさんと僕なんだって!


 必死に、僕は何度も何度も、本当のことをお爺ちゃんたちに話した。


 最初は信じてもらえなかったけれど、何度も言ううちに、次第にお爺ちゃんは難しい顔をし始めて、お婆ちゃんは怒り出してしまった。



 ……僕は、馬鹿だ……。


 この時の僕は、自分のしたことが、ジェノさんに迷惑をかけることになるって分かっていなかった。


 本当に、僕は何も分かっていなかったんだ……。

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