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第3章:心と通じるラジオ

【執筆経緯】SPOONというラジオ配信アプリの配信者「こんぺいとう」さんの声とBGMにインスピレーションを受け執筆した作品です。

是非、SPOONで配信を聴いてみて下さい。

恋煩いってやつか。

大学も卒業して社会人になった。

大学で青春を共にした寺田の「寺っち」ともよく会って飲んだりしていたが、まさか三角関係みたいなものになろうとは…

オレは境田さんのことが好きだった。

境田さんとも仲が良かった。二人で遊ぶこともあったりしてお互いに相談を持ちかけることも少なくなかった。

もちろん、境田さんはオレと寺田が旧知の仲だってことも知ってる。

それが先日、境田さんから寺田のことが好きだと相談されるとは思ってもみなかった。

複雑な気持ちでモヤモヤした。

何故なら、寺田も境田さんのことが好きな節があるからだ。

何にモヤモヤしてるのか整理出来ない。

2人が両想いかもしれないこと?

俺に相談を持ちかけてきたこと?

自分が境田さんを好きなこと?

それなのに頑張ってと言わなければいけないこと?

取り留めのない尽きせぬ思いだけが寄せては返す波の(まにま)に漂っている。


どうすればいいのか…考え出すと眠れない。深夜、都会の喧騒を遠く聞きながらボーッとしている。部屋ではラジオが音楽を流している。深夜帯だからMCもほとんど喋らない。


>ザーー…こんばんは…ザザ…GoodNightの時間です。眠れぬ夜をお過ごしの皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

今夜も皆様からのお便りお待ちしています。

ゆったりとしたピアノの調べに小鳥のさえずりが心地良いBGMが流れていた。

MCは美しく透き通った女性の声だ。どこか幼さを感じる。

番組が始まったらしい。その後もラジオでは何か話続けている。


「寺っちの心の内を知れたらな」

「いや、そうじゃなくてきちんと面と向かって話をしないと…」ブツブツ呟く。すると


>それではお越し頂きましょう。本日のゲストは寺田さんの心の内です。

…ザーー、ザザザ

…よう、雅也!

今日はどうした?

これは俺の心の内らしい。心の内だから実際の俺と話してる訳ではなくて、俺の記憶にも残らないらしいぞ。ホント、このラジオは不思議だよなー……


「いやいやいやいや、意味わかんね」

「怪奇現象だろこれ、やだやだやだ」

咄嗟にスマホを取って寺田に電話しようと思ったがこんな時間だ。いくら親友とて迷惑な話だろうと冷静になる。それにラジオの声は明らかに寺田だった。誰かのモノマネとは到底思えない。

ちゃんと話さないと行けないと思ってたとこで、丁度良かった、そう思うことにしてこう言った。

「寺っち、境田さん知ってるよな?」

「境田さんのこと、どう思う?」

「実は俺、気になってるんだ。境田さんのこと…」


>そうか。本気なんだな?

お前に嘘をついてもしょうが無いから言うが、、、

実は俺も気になってる。

しかし、

俺は諦めることにする。

俺にとっては生涯の親友の方が大切だから。

それに雅也が本気なら、幸せにしてやれるだろう?


「寺田…おまえ」

彼の言葉を聞いていたら何か悟った気がした。

彼の言葉は本気だ。彼女のことを思う気持ちも本気だろう。嘘をつくよう男ではないし、真直なやつなのは俺が1番知ってる。結論は出た。

ふと気がつくとラジオのMCが話していた。


>今晩のGoodNight、如何でしたでしょうか?

リスナー様に救いが訪れることをお祈りしてます。

頑張る貴方の姿、素敵やわぁ

それでは、いい夢みてね。

おやすみ。。。

おやすみ………

ぉゃすみ…



次の日、快活な朝を迎え、すぐさま彼に会いに行った。

彼は驚いた様子だった。一応昨夜の出来事を探ったが全く持って知らないらしい。不思議なラジオだ。

そして彼に伝えた。「境田さんを宜しく頼む」と

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