冒険者登録
「思ってたよりすんなり街に入れたな。しかし、本当にゲームの街みたいだな。海外の街とかこんな風なのかな?行った事ないから分からないけど。」
暗くなり始めた街の中、リュウは宿を探して歩いていた。するとしばらく歩いた所に何やら賑わっているお店を見つけた。雛鳥亭と書かれた看板の下に宿屋兼食事処と書かれていた。
「宿空いてるかなぁ。とりあえずお腹すいたしここで何か食べよう。」
リュウが店に入ると、まさにファンタジーといった光景が目に入ってきた。斧や剣を横に立て掛けている男に、ローブをまとった女性、犬耳と尻尾が付いている人、腕が鱗で覆われている人、様々な人がいた。
すげぇ、これが冒険者って奴か。そんなことを思いながら空いてるカウンター席に座った。すると、奥から女の子が出てきた。ストレートの茶髪を肩まで伸ばし、緑色の大きな目をしたとても可愛い女の子だった。
「いらっしゃい。お兄さんこのお店初めてでしょ?」
「そうだよ。ていうか、さっきこの街に来たばかりなんだ。よくわかったね。」
「えへへ〜、わたし人を覚えるの得意なの。それにお兄さんカッコいいし。」
「カッコいい?.........奇遇だね、お嬢さん。俺もさっき自分があまりにもイケメンで驚いてた所なんだ。」
「え〜、自分で言っちゃうんだ......」
「まぁそんなことよりも、ここって宿屋なんだよね?部屋って空いてる?」
「お兄さん宿とってないの?あと一部屋なら空いてた気がするけど.........ちょっと待っててお父さんに聞いてみるね。あっ、何か頼む?」
「あぁ、晩御飯がまだなんだ。何でもいいからおすすめ頼むよ。」
「わかった。待っててね。」
そう言って彼女は店の奥の方に入って行った。それにしても可愛い子だったなぁ。後で名前聞いとこ。そんなことを思っていたら、女の子が戻ってきた。
「お兄さん、よかったね。一部屋空いてるよ。どうする?泊まる?」
「じゃあ、お願いしようかな。できれば今日だけじゃなくて何日か取りたいんだけど。とりあえず、10日かな。」
「は〜い。10日ね、代金は後でもらうね。」
その後思いのほか美味しい料理を食べ、代金を払い案内された部屋に入った。すぐにでも寝たかったのだが、体を綺麗にしたかったので魔法でどうにか出来ないかレイクロードに聞いてみた。
『なぁ、レイクロード。体とか服を綺麗にしたいんだけどなんか便利な魔法とかないの?』
『水魔法で体と服を洗い、風魔法で乾かすくらいならできますよ。』
『じゃあやってみて。』
すぐにレイクロードに変わり、実際にやってもらった。水流が体の周りを回り始めたと思ったら、体と服をその水流で全体的に洗い、すぐに風の魔法で乾かしてしまった。
「おぉ、サッパリした。石鹸とか洗剤あるといいかもな。というか、水を使ったのに部屋濡れてないな。」
『魔法とは無から有を作り出すことが出来るのです。その逆も然りですよ。』
『つまり、出すこともできるけど消すことも出来るわけだ。すごいな魔法って。』
とりあえず、寝るか。看板娘のエミリーちゃんに聞いたら冒険者になるにはギルドで登録しなければならないらしい。割と誰でもなれるらしい冒険者は登録するのには特別な試験とかないらしい。ランクを上げる際とかは別みたいだけど。明日はまず冒険者登録からかな。
ということで、次の日ギルドに来ました。3階建ての立派な建物だった。実は朝早くに一回来たのだが、受付が混んでいたので昼過ぎに出直して来た。
ギルドに入ると、朝ほど人は多くなく、受付も空いていた。さっきも思ったが受付嬢はみんな可愛かった。俺はその中でも、特に綺麗だと思ったら受付嬢のところに向かった。その人は綺麗な黒髪を腰の辺りまで伸ばし、琥珀色のくりくりとした目をした美しい女性だった。そしてなんといってもその大きな胸。男なら誰でもそこに向かうだろう。俺はそうする。
いろいろ考えてるうちに、その人の所まで着いてしまった。
「あの、すみません。冒険者の登録をしたいんですけど。」
「冒険者の登録ですね〜。少々お待ち下さい。」
思ったよりほわほわした可愛い声をしてるんだな。もっとキリッとしてる感じだと思った。
「では、この紙に必要事項を書いてください。それとも私が代わりに書きましょうか?」
「そうですね。では、代わりに書いてもらってもいいですか?」
「はい、任されました。」
本当は自分でもかけるけど、この人と喋りたいしな。
「では、まず名前と年齢を教えてください。」
あれ?俺の体何歳?まぁ俺が16歳だったからな、見た目もその辺りだよな?1つ多く見積もって、17歳ってことにしとくか。
「名前は、リュウ。歳は17歳です。」
「はい、では次にリュウさんが冒険者となった際の役割を教えてください。例えば前衛とか後衛とか使える武器とかです。」
「そうですね、どっちもできると思うんですけど.........武器なら何でも使えます。魔法も扱えるんで。」
「魔法を使えるんですね!でしたら、後衛で登録された方がいいと思いますよ。今このギルドで魔法が使える方は少ないのでパーティに入りやすいかと。」
「あっ、じゃあそうします。」
「はい、ちなみに一番得意な魔法属性は何ですか?」
『レイクロード、なに?』
『水属性の応用ですね。』
「水属性です。」
「はい、分かりました。登録は以上になります。この後は少し時間をいただいてギルドカードを発行します。その後に注意事項など説明しますのでお待ちください。」
その後ギルドカードを貰い、冒険者に関しての説明をいろいろとしてもらった。そしてやることもなくなったので、宿に帰りエミリーちゃんとレオナルドとレイクロードと話をして1日を終えた。