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婚約破棄って・・・婚約者じゃ無いんですけど?

作者: 紅縞瑪瑙
掲載日:2017/08/11

今迄読む専門だったんですが、色んな方が婚約破棄物をかいてらっしゃるのでふと思いついて書いてみました。稚拙な内容と文章ですが初投稿なのでご容赦下さい。

「レティシア・フォン・ドラート公爵令嬢。私、ジャンバル・イルレ・ハルテシアは次期国王として宣言する。貴女との婚約は破棄する。理由は、マルシア・ネーロ男爵令嬢に対する度重なる陰湿な嫌がらせ。貴族令嬢としての品位の欠片も無い貴女の振る舞いは次期王妃として相応しく無い。そしてマルシア・ネーロ男爵令嬢と婚約する。」


 国立学園の卒業パーティの真っ最中に、ジャンバル第一王子が声高らかにやらかした。近隣諸国の使者も招待されたこのパーティーで思いっきりやらかした。そもそも、ジャンバル王子は次期国王と決まっている訳ではないし私も【婚約者候補】であって、婚約者では無い。


 ハルテシア王国レジャンド・イルレ・ハルテシア王には、正妻の王妃マリティア様の他に側室様がお二方。4人の王子と3人の王女が居られる。


 王妃マリティア様にはジャンバル第一王子、テイル第二王子、マリア第一王女。

 第一側室レイラ様にはサアジク第三王子、オレーヌ第二王女。

 第二側室アリア様にはヨンカレ第四王子、オランチョーレ第三王女。


 大事な事だからもう一度言う。


 ジャンバル第一王子が次期国王と決まった訳ではないし、私は婚約者【候補】なのである。


 そしてこの国は王制だが国法が細かく決まっている平和な国だ。

 王家を筆頭に貴族、平民の全ての国民が法の下、法を守り暮らしている。


 そして私達婚約者候補は【国王からの命令】で婚約者候補として幼い頃から教育されている。


 そう。【私達】なのだ。王子は4人いるのだから。


 王家に嫁ぐ者は伯爵家以上の高位貴族と法で決まっている。外交の面からも国内貴族向けの面からも高位貴族で無ければ務まらない事が多いからである。ジャンバル王子が勝手に下位貴族の男爵令嬢を婚約者には出来ない。まして私は、今、王子の後ろに立ち震える身体で腕を軽く絡ませているマルシア・ネーロ男爵令嬢と挨拶程度は交わした事はあっても仲良くも悪くも話した事なぞないのだ。陰湿な嫌がらせなどやろうとしても知らない人にそんな事が出来るほど、私の性格は悪くない。


「ジャンバル王子、私は婚約者ではありませんわ?何を勘違いされているのでしょう?マルシア・ネーロ男爵令嬢は挨拶は交わした事はありますが、お話しなどした事もありません。そして法で王家に嫁ぐ者は伯爵家以上の高位貴族の者と決まっております。第一・・・ジャンバル王子は次期国王と決まっている訳ではありませんでしょう?何を仰られているのか私にはわかりかねますが?」


 私の近くに居た私以外の婚約者候補の方々はいつの間にか離れ、扇で顔を隠しながらクスクスと笑っていらっしゃる。勿論、近隣諸国からの使者の方々もパーティの出席者である学園の生徒達も・・・


「何を言っている。私は長男だぞ?次期国王に決まっている。高位貴族であろうと無かろうと私が結婚する相手だ。法なぞ関係ないだろう。兎に角、マルシア嬢に対する貴女の振る舞いは目に余る。公爵令嬢としての地位も剥奪する。」


「ジャンバル王子、貴方にそんな権限はありませんわ。本当に何を仰っているのだか・・・」


 呆れて溜息しか出てこない。貴族家に名を連ねる、ある程度の年齢の者なら全員が知っているはずの大事な法を無視して話を進めるとは・・・

 馬鹿王子で有名なだけはある。私達婚約者候補は、私達だけのお茶会を時々開く。情報交換の為なのだが必ず言う台詞がある。


「第一王子だけは勘弁して欲しいわね。」


 パーティが開かれている国立学園のホールの隅にいる、教師達や警護の騎士達の顔は真っ青だ。他の貴族家の方々の顔色も悪く、今にも倒れそうな方までいる。学生達は笑いを堪えているが・・・そして奥様方はこんな茶番に巻き込まれた私を、憐れむ様に笑いを堪えて見ている。


「知らないと言うのか?嫌がらせの証拠はここにあるぞ。観念しろ。」


 どこからか紙束を取り出して床に投げつけるジャンバル王子。


「姉上、貴女がした事は我がドラート公爵家の恥です。」


 我が家の三男、弟のマッローネが言う。馬鹿弟が何でそこにいるのかと頭が痛くなる。


「レティシア嬢、貴女が彼女にした行為は我が国の恥です。」


 宰相の次男、グリージョ・フォン・ヘトラートが口を歪ませて私に言う。


「レティシア嬢。いくら王子の寵愛が欲しいからと言ってこの行為は有り得ないでしょう。」


 騎士団長の長男、ヴェルデ・フォン・マッカラートが忌々しげに私に言う。


 王子の取り巻きは馬鹿しか居ないのかしら?王子の寵愛?そんな物、心からお断りするわ。弟と騎士団長の息子と宰相の息子。この国は大丈夫かしらと本気で心配になってくる。


 床に散らばった紙を弟が拾い上げて読み出す。


「2ヶ月程前、校舎裏に呼び出して取り巻きと共に罵倒を浴びせる。1ヶ月程前、寮の部屋から服と教科書を盗みだし刃物で切り裂いて捨てる。三日前、校舎の階段から突き飛ばし殺しかける。我が姉ながら何という極悪非道な事を・・・」


「マッローネ、2ヶ月程前なら私は王に命じられて他の婚約者候補の方と2週間、国外にいたわね。1ヶ月前なら王妃教育で他の方と王城に10日間程滞在していたわ。三日前ならパーティーの準備の為、生徒会役員として奔走していたのを本当に覚えていないのかしら?」


 私は物覚えの悪い弟の頭の中身を確認する様に呆れ果てた声で読み上げられた内容を否定した。マッローネは私の顔を驚いた様に見ている。この馬鹿弟は本当に覚えていない様だ。王子も宰相の息子も騎士団長の息子も驚いた顔をしている。


「そのような話は聞いていないし証拠はあるのか!」


 ジャンバル王子は顔を真っ赤にして怒声を上げる。


「ジャンバル王子、王城で王妃様達とお茶をしている時間に、皆様とご挨拶していますでしょう?証拠というか証人ならおりますわ。ヴィオーラ嬢、ローザ嬢、ルージュ嬢、ルーフス嬢、申し訳ありませんが証言して頂けますか?」


 こんな茶番に付き合わせてしまって本当に申し訳ありません。


「仕方ありませんわね。そのままにしておいたら私達まで何を言われるかわかったものではありませんし。皆様、よろしくて?」


 ヴィオーラ侯爵令嬢が本当に仕方なさそうに言う。


「えぇ、仕方ありませんわね。」


 ローザ伯爵令嬢は笑いを堪えて言う。


「こんな茶番に参加したくないですが、仕方ありませんわね。」


 ルージュ伯爵令嬢は諦め顔で言う。


「大事なパーティーで茶番に参加させられるなど思ってもみませんでしたわ・・・」


 ルーフス公爵令嬢は呆れ顔で言う。


 私達5人は年も近く同じ婚約者候補としては仲が良かった。それぞれの貴族としての立場は違えど、国政に携わっている家の者としての覚悟があるし、王都近くの領地を賜り、健全な領地経営をする親を見て育ってきたからだ。


 その時、ホールの扉が勢いよく開かれた。


「国王夫妻がおいでになられました。」


 第一近衛騎士団に囲まれた国王夫妻がホールに入場してきた。ジャンバル王子とその取り巻き、マルシア・ネーロ男爵令嬢以外の全員が膝をつき頭を垂れて国王夫妻を迎える。


「面を上げよ。今日この良き日に卒業を迎えられて喜ばしい限りである。おめでとう。」


 嬉しそうな顔をした王の傍に校長がかけより、耳打ちをする。今迄の茶番を聞いたであろう王と王妃の顔色はみるみるうちに変わった。王妃と顔を合わせて頷きあったかと思うと私達に顔を向けて言った。


「第一王子ジャンバル、どういう事か説明せよ。王命である。」


「レティシア・フォン・ドラート公爵令嬢は、私の婚約者という立場を利用し、マルシア・ネーロ男爵令嬢への嫌がらせ、果ては階段から突き落とし殺害しようとしました。なので、婚約を解消し公爵令嬢としての立場を剥奪しました。私はマルシア・ネーロ男爵令嬢と婚約します。」


 国王と王妃はポカンとした顔でジャンバル王子の話しを聞いていた。近隣諸国の使者や同級生や学生達、その家族は顔を背けたり扇で隠したりしながら、笑いを堪えていた。


「お前は何を言っているのだ?聞いた話だと次期国王として宣言したと言うが、次期国王は決めておらんぞ?」


「国王、私は貴男の長男です。私が次期国王なのは当たり前ではありませんか!」


 国王は溜息をつき暫くジャンバル王子の顔を見た後、王妃の顔を見て1人頷いたあと言った。


「皆の者よく聞くがいい。私レジャンド・イルレ・ハルテシアは国王として宣言する!ジャンバル第一王子の王族としての籍を剥奪する。マッローネ・フォン・ドラート、グリージョ・フォン・ヘトラート、ヴェルデ・フォン・マッカラート、マルシア・ネーロの4名は大事な卒業パーティーでの騒乱罪に問い、追って沙汰を伝える。騎士及び近衛は速やかにこの5名を拘束、投獄せよ。皆の者、騒がせて済まなかった。この後は充分楽しんでくれ。」


 王の一言で場は収まり、いなくなった5人の事など最初からいなかったものとして皆が動き出した。昼を過ぎ、パーティーは終わった。





 私達は国王夫妻と共に来ていた宰相閣下に呼ばれ、王城に来ていた。


「いったい何があったのですか?レティシア嬢。」


「何があったのかと聞かれましても・・・ジャンバル王子が突然、本当に突然大きな声で次期国王として婚約破棄をすると宣言なされて・・・意味がわかりませんでしたわ。私は婚約者候補にすぎないと言うのに何を勘違いされていたのか。」


「私達も驚きました。学園に入る前の私達と王子様方と顔合わせの際に宰相閣下からも国王様からも婚約者候補であると言われておりましたから。」


「えぇ本当に何を勘違いされていたのかしら?」


「レティシア様の弟君、宰相閣下のご次男、騎士団長のご長男もジャンバル王子と一緒にレティシア様を非難しておりました。」


「調べれば直ぐわかる事を、ご大層に紙束にされて読み上げてらして・・・レティシア嬢がどれだけ悪辣なのかと言いたいご様子でしたが、私思わず笑い声が漏れそうになりました。」


 私達は何があったのかをきちんと報告しました。


「宰相閣下。この国は王制ですが、次期国王は決まっておりませんわよね?なのに次期国王として宣言するなんて・・・その上男爵令嬢と婚約などと・・・近隣諸国の使者の皆様には国の恥を晒してしまった様な物ですわ。本当に恥ずかしかったです。国王様からのご命令で婚約者候補として過ごして参りましたがこの様な目に遭わされて・・・貴族家令嬢としてこんな言い方はアレですけど・・・ 本当に良い迷惑ですわ!」


「「「「ですわよね~」」」」


 本当に良い迷惑だ。晒し者にされ、悪辣な令嬢として吊し上げられた。近隣諸国の使者達に悪辣な令嬢だと思われたらどうしてくれるんだ。


 宰相閣下は私達の揃った声を聞き驚かれた。


「皆様、仲がよろしいんですね。」


「年も近いし、同じ婚約者候補として情報交換しておりましたわ。どの王子の婚約者になっても迷惑を被らない様に、国の恥にならない様に振る舞うにはどうすれば良いか等と話しておりましたもの。」


「「「「ね~♪」」」」



 コンコンコン

「宰相殿。近衛隊長ジュオン・フォン・ロックです。」


「どうぞ。事情聴取は終わったんだね。」


「報告書を纏めました。」


「近衛隊長が態々届けてくれたのかい。まぁ、かけたまえよ。ジュオン」


「他の奴には見せられなかったからな。コントゥ」


(・ ・;)ゑ?この2人名前で呼び合う様な仲なの?私達5人はお互いを名前で呼んでいる目の前の2人に驚いた。


「私達は学園の同級生なんだよ。」


 成る程。私達がお茶会で親しく名前を呼び合うのと同じなのね。宰相閣下は近衛隊長の持って来た報告書をざっと読み、私達に向かって


「詳しい事情は後日報告致します。馬車を用意しますので今日はお屋敷にお戻り下さい。」


 宰相閣下と近衛隊長は部屋を出て行った。後に残った私達はメイドが入れ替えてくれたお茶を飲みながら迎えが来るのを待った。





 家に帰った私は両親に同情された。


「レティ、大丈夫だったか?折角の卒業パーティーに第一王子の所為で酷い目に遭わされたな。まぁ、もう王族じゃ無いから関係ないがな。」


「えぇ、本当に酷い目に遭って可哀想に・・・でも第一王子がいなくなって一安心ですわ、あなた。私達の大事なレティが第一王子の婚約者にならなくて済むんですから。」


 父も母も酷い言い様だが事実だ。


 我がドラート公爵家は特殊な一族だ。1000年前の当時の公爵が【異界の前世持ち】だった。それ以後、各世代に必ず1人は【前世持ち】或いは【異界の前世持ち】が生まれる様になった。今世の我が家は私が【異界の前世持ち】である。我が家に【前世持ち】が生まれると王家に報告が行く。まともな【前世持ち】なら王族の婚約者候補として教育がされる。現王妃様は私の伯母だ。父の妹である。数代前の王妃が我が家系から嫁がれた【異界の前世持ち】だったが、やる事なす事、言い出す事があまりにもおかしかった為、廃妃され投獄され打ち首となった。我が家系にも累が及びそうだったが、当時の王は


「公爵家から嫁がれてきた代々の妃達は良く出来た妃達であったと歴史が証明している。彼女だけが異質であった。彼女を選んだのは私である。公爵家に罪は無い。」


 と宣言されお咎め無しだった。私が婚約者候補に選ばれたのは【異界の前世持ち】だからだ。

【異界の前世持ち】がもたらす知識はこの国に無くてはならないものだ。大国では無いが、その知識によって法が整備され、衛生面、防衛軍事に生活環境等が整備された。産業に関しても同様だった。農業、林業、牧畜等に関する知識も我が一族から出ている。ありがたい事に武器に関する知識は祖先の誰も語らなかったらしく、重火器類等の武器に関する知識は近隣諸国と変わらない。ただ、防衛に関する知識だけ特化している様で、過去500年ほど我が国へ仕掛けられた侵略戦争に負けた事は無い。我が国から他国への侵略も無い。平和な国なのだ。


 ジャンバル王子が王族の籍を抜かれたのは自業自得と言えよう。

 この国は王制ではあるが次期国王は、現国王と高位貴族の重鎮達の話し合いで決まるのだ。法に基づき、行動、考え方、話し方、能力等を比較し、情勢に併せ決める。長男だからと次期国王に指名される事は600年前に出来た法によって出来なくなった。それまで長男が継いでいたが生まれた時から次期国王として育てられ甘やかされてきた王子達の出来はよろしくなかった・・・その所為で国が荒れ乱れ侵略されそうになった。侵略されそうになって真面目な貴族達だけで無く、私欲に走っていた貴族達からも国を守る為にと現在の法の基礎が整備された。国が無くなっては貴族は貴族でいられない。国があってこその貴族なのだから。




 卒業パーティーから数日たったある晴れた日。宰相閣下からの召喚状が届いた。

 この召喚状、国王の名の下に宰相閣下から出されるので断る事は出来ない。要は王の呼び出し状なのである。



 私達は応接室では無く謁見の間にいた。国の重鎮達、貴族家の当主が殆ど揃っていた。

 勿論私達の父上達も・・・


「皆、顔を上げよ。レティシア公爵令嬢、ヴィオーラ侯爵令嬢、ローザ伯爵令嬢、ルージュ伯爵令嬢、ルーフス公爵令嬢、この度は大変な迷惑を掛けたな。申し訳なかった。」


 国王陛下が私達に詫びの言葉を言うなんて!と思ったが重鎮や貴族家からの声は無く、皆一様に黙って私達を見ていた。


「宰相、報告を。」


「はい。先ず、先日陛下が仰いました様に第一王子ジャンバル様は王族からの籍を抜き、平民となりました。本来なら爵位を与えるのですが籍を抜かれた理由が理由ですので、今後の影響等を鑑み平民としました。マルシア・ネーロ男爵令嬢も騒ぎを起こした原因として平民とし、ジャンバル様のご希望通り、婚約者として同行しております。ネーロ男爵家は今回の事を全くご存じなかった様で・・・爵位はそのままですが来年度の税金を1割引き上げます。再来年度より現在の税金に戻ります。」


 マルシア嬢もジャンバル様も法に基づき平民に落とされた。ネーロ男爵家は娘の所為で1年だけだが税が上がり領民も良い迷惑だろう。


「平民となられたお二人には今後、最低限生活出来るだけの金銭と物を与え、ノールドマレ子爵領へ転地としました。王都への出入りは禁止となります。」


 良い事だ。こっそり王都に戻って来て騒ぎを起こされたら、迷惑だものね。


「次に、我が次男、グリージョ・フォン・ヘトラートは親族のアスッド男爵家へ養子に出し、5年間の王都出入り禁止です。私もその責任を負い宰相の職を辞そうと思い国王陛下に申し上げたところ、陛下、重鎮の皆様方に責任は無いと言い渡され、職はそのままですが1年間の2割減給となりました。」


 宰相閣下も知らない所で事を起こされ迷惑を被ってらっしゃるのね。


「騎士団長の長男ヴェルデ・フォン・マッカラートは騎士爵家の次期当主から外され下級兵士として騎士団所属、オリエンテ子爵領へ5年間出向となりました。今後、国への貢献度合いにもよりますが、中級兵士以上にはなれません。その間は王都出入り禁止です。ドラート公爵家3男マッローネ様は卒業後、公爵家の籍を抜き、オチデント男爵領の養子に出されますが、卒業後5年間は王都及び公爵領への出入り禁止となります。今回の騒動に対する罰は国王陛下及び重鎮の皆様方の会議にて決定されました。私はこの会議には関与しておりません。後は婚約者候補であられるご令嬢方のお気持ち次第です。報告は以上です。」


 うん。妥当な線だ。ジャンバル様さえいなければこの国は多分安泰だろう。今は平民ジャンバルか。ネーロ男爵には申し訳ないがいい気味だと思う。国を騒がせ、近隣諸国の使者の方々に国の恥をさらしたのだから・・・


「今後、この様な事が無いように重鎮達、妃達とも話し合って次期国王を決定した。次期国王は第三王子サアジクとする。まだ卒業には3年あるが今と変わらず勉学、鍛錬等に精を出し民を守り民への感謝を忘れずに成長していく事を願う。婚約者候補の令嬢方は今迄通り、王妃教育を続けて行くがそれでよいか?」


「私、レティシア・フォン・ドラートは候補から外れたく思います。私に非は無いとは言え、あのように大勢の前で恥をかかされました。このまま何食わぬ顔で婚約者候補として王城に出入りするのは嫌でございます。」


 国王陛下のお言葉に私は思わず訴えた。だって、あれだけ恥をかかされたのだもの。同じようになんて過ごせるはずもない。


「レティシア嬢・・・考え直して貰えないだろうか?ドラート公爵家からはどうしても王家に来て欲しいのだ。我が妃はお前の伯母でもあるし、次世代の王家にドラート公爵家の知識はどうしても必要なのだ。」


「国王陛下。私は今迄もこれからも陛下の臣でございます。必要ならば登城致しますが、あのような恥をかかされて今迄と同じくは過ごせません。ご理解くださいませ。」


「どうしても嫌か?」


「嫌でございます!」


「そうか・・・仕方ないな。レティシア・フォン・ドラート公爵令嬢は婚約者候補から外すものとする。皆、それで良いな?」


「「「「「はっ!」」」」」


「宰相、後の事は任せる。皆の者、今日はご苦労であった。」


 誰1人反対の声も上がらず、私の婚約者候補としての立場は消えた。一安心だ。これで領地経営に関する事に集中できる。公爵家の跡取りは兄だが、婚約者候補から外れれば兄のサポートが出来る。我が領地は今後も発展していくだろう。



お読み頂きありがとうございました。

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[気になる点] 本文中に 現王妃様は私の伯母だ。父の妹である。 とありますが、姉ですか?妹ですか? 姉であるなら伯母、妹であるならば叔母ですよ。
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