始章
──ロボット。
その世界で、『ロボット』という言葉、『ロボット』という概念が持ち込まれたのは五十年前のこと。
ソルブルク大帝国のサカミ・コタツが始まりだ。
ロボットが生まれて五十年。
数々の争いがあり。
数々の大戦があり。
数々の不幸があり。
そしてそのほとんどにロボットたちが、その手を血に染めた。
しかし、五十年。
僅かかもしれない平和を築いたのもまた、ロボット。
ソルブルク大帝国の工廠にて、始まりのロボットが生まれてより半世紀。
平和を祝して、時代を築き、兵器であったロボットたちが一同にかいする一大祭事。ロボット万博は、多くのロボットたちと、それに関わってきたものたち、時代を築いてきたものたちを歴史に残すために開催された。
……。
というのが、ロボット万博会場入口でもらえるパンフレットの説明であり、解説だった。
ロボット万博。
世界中から今昔のロボットが集まった。見に来るものたちもまた、ロボットに縁をもつものたちばかりだ。
ロボットを設計したもの。
ロボットを作ったもの。
ロボットを操ったもの。
──そして、ロボットが大好きなもの。
万博初日。
多くの人だかりの中に、一人のハナ垂れ小僧がいた。手には大切そうに、ロボット万博のパンフレットを握り締めている。彼の名前は、トムソン・ハーリンテン。ただのガキンチョだ。




